シュワちゃんとロシアと映画レッドブル

洋画

t f B! P L

アーノルド・シュワルツェネッガーのメッセージ

ハリウッドのチャイニーズシアター(TLC Chinese Theatre)前にある、アーノルド・シュワルツェネッガー(ArnoldSchwarzenegger)の手形と足形(筆者撮影)。

シュワちゃんのウクライナ反戦メッセージ

そんなシュワちゃんが、ロシア国民およびプーチン大統領宛に動画にてメッセージを発信しています。


欧州オーストリア出身のシュワちゃんにとって、ウクライナでの出来事は他人事ではなく、9分16秒におよぶこの動画メッセージでは、

  1. ロシア人重量挙げ選手ユーリ・ウラソフ(Yuri Vlasov)との思い出から入り、
  2. 第二次世界大戦のスターリングラードの戦いに従軍した父親に言及。
  3. ロシアで撮影し、ロシア人役を演じた映画『レッドブル(Red Heat)』の話、
  4. その後、ロシア国民に、プロパガンダにだまされないように呼びかけ、
  5. 最後にはプーチン大統領に直接、戦争を止めるように呼びかける

・・・といった内容になっています。

2つのカメラを使って撮影していたり(内1つは動的カメラ)、編集技法やロシア語の字幕も付されていることから、自身が自撮りしたのではなく、プロが関わって入念に撮影された動画であることが分かります。

但し、ロシア国内では情報統制が厳しくなされているので、このシュワちゃんのメッセージがどの程度、ロシア国内在住者に届くのかは不明です。

映画「レッドブル」(Red Heat)

上のシュワちゃんの動画では、ロシアとの関わりを紹介する一環で、映画『レッドブル』(Red Heat / 1988年)にも言及。

赤の広場で撮影が許された初めてのアメリカ映画

"Red Heat"which was the first American movie allowed to film in Red Square.
「レッドブル」(Red Heat)は、初めて赤の広場で撮影が許されたアメリカ映画。

と紹介し、シュワちゃんはロシア人役として、ロシア市警のイワン・ダンコ大尉を演じています。

その撮影時に、改めてロシア人重量挙げ選手ユーリ・ウラソフに会うことができた、とも語っています。

この映画の2年後の1990年にロシア(ソビエト連邦時代)にマクドナルドが初上陸します。そんな時代です。

見所はフェイク(フィクション)な銃

この映画「レッドブル」(Red Heat)の一番の見所は、シュワちゃん演じるロシア人イワン・ダンコ大尉がアメリカ・シカゴで巻き起こす「ギャップ」とアクションの数々ですが、忘れられないものに、とんでもないフィクションな銃が登場する点も挙げられます。

Podbyrin 9.2mm(ポドヴィリン9.2ミリ)

イワン・ダンコ大尉が使うメインの銃が、ソ連製のPodbyrin 9.2mm(ポドヴィリン9.2ミリ)という名前のフィクションな銃ですが、これがほぼデザートイーグルで、基本デザートイーグルにワルサーP38のグリップと銃口を足したようなデザインになっています。

「レッドブル」を監督したウォルターヒルが、

P38 but bigger and meaner.(ワルサーP38みたいな銃でもっとでかくてゴツいやつ。)
というイメージの銃を求めていたため、このPodbyrin 9.2mm(ポドヴィリン9.2ミリ)のような外観になったそうです。

シュワちゃんはクリント・イーストウッドに憧れており、このレッドブル劇中のシーンでは、クリントイーストウッドが演じたダーティーハリーの愛銃44マグナム(S&W M29)より、このPodbyrin 9.2mm(ポドヴィリン9.2ミリ)のほうが優秀だと茶化すシーンがあり、お笑いどころとなっています。

迷銃12口径のスリーブガン・デリンジャー(BTJ DA38)

この映画のもう1つの見所となる迷銃は、敵方ビクトル・ロスタが隠し持っているスリーブガン(袖内から飛び出してくる銃)です。デリンジャー(BTJ DA38)を、ショットガンサイズの大口径12ゲージ仕様に変えた、完全なるフィクションな銃です。

  • 口径が12ゲージだけどスリーブガン
  • リロードせずに3発連続発射可能
  • しかもサプレッサー(サイレンサー)も装着したまま袖から出せる

・・・などなど、ハリウッド映画「あるある」の夢の迷銃仕様となっています。

このようなフェイク(フィクション)の世界に生きてきたシュワちゃんが、現実世界のフェイク(プロパガンダ)情報にだまされないよう、呼びかけている点が、興味深いところでもあります。

QooQ