【解説】ターミネーター・ジェニシスの時間軸と疑問解決

ターミネーター

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ジェニシスの時間軸の解説
海外のサイトを含め、ターミネーター・ジェニシスのタイムラインやストーリーについて、うまく説明できているものが見当たらなかったので、ジェニシスに関する「誰が送った」などの疑問点、矛盾点などについて解説していきます。

結論を先に書くと、ジェニシスは「リブート」ではなくT1の続編です。T1が存在しないとジェニシスも成立しないからです。

ポイントは、

  • T1で「どのサラ・コナーか?」が特定できたので、ジェニシスでは1973年のサラ・コナーに刺客が送られた
  • T1の出来事があったからこそ(T1の出来事を知っていたので)、液体金属T-1000は1984年のカイル・リース到着地点に現れた

の2点です。よって、

  • ジェニシスはT1の続編であり、T2と入れ替わるもの(T2は消滅、もちろんT3やT4以降は完全無視)
  • T-800おじさん(守護者/pops)を送ったのは未来のジョン・コナー
  • ジェニシスのT-800おじさん(守護者/pops)は、T2のT-800(ボブおじさん)と同一人物(同一個体)
  • ジェニシスのT-1000(イ・ビョンホン)は、T2のT-1000(ロバート・パトリック)と同一個体
  • もちろんパラレルワールド(ターミネーター全作品がパラレルワールド仕様)
です。
ターミネーター・ジェニシスの解説

2029年を起点に、T-1000とそれを追う再プログラムT-800が、
  • 1994年にタイムトラベルしたのが「ターミネーター2」
  • 1973年にタイムトラベルしたのが「ターミネーター・ジェニシス」
です。
行った先が違うだけで、どちらも同じT-1000とT-800なので、T-800を「誰が送った」問題の答えは(T2でT-800を送ったのと同じ)未来のジョン・コナーです。

なぜこの簡単な問題の答えがわからない人が多かったか?というと、それはT-1000を違う顔(イ・ビョンホン)が演じてしまったからです。

以下、説明していきます。

①まず前提としてT1がある(ジェニシスはT1の続編)

まずターミネーター・ジェニシスの前提として、ターミネーター1(T1)があります

T1の出来事によって、1984年にたくさんいたサラ・コナーのうち、「どのサラ・コナーか」が特定され、その情報が未来に伝わります(下図時間軸①→②へ変化)。
「どのサラ・コナーか」特定されないと1973年へ刺客を送れないので、T1の事象発生はジェニシスでの大前提となります。

どうやって未来に伝わったかは、T1での出来事発生による新聞・ニュース・警察のデータベースなどの記録を介して、未来でいくらでも確認できます。
ターミネータージェニシスのタイムライン
  • ①・・・T1の時間軸とT1の出来事
  • ②・・・T1の出来事①ベースの新時間軸②が始まり、①の情報を元に「どのサラコナーか」特定できたスカイネットは1973年に刺客T-1000を送り、それを追ってジョンコナーがT-800を送る(この時点でT2は消滅)
  • ③・・・1973年の歴史が改変され新時間軸③が始まり、そこにカイルが未来から合流し、2017年へタイムトラベル
※過去へ送るたびに、そこを起点としてパラレルワールドが展開していきます。

②サラコナーを特定できたので、T-1000を1973年に送った

T1の出来事①にて、サラコナーを特定する情報が未来へもたらされるという新時間軸②が始まります。そこでスカイネットは今度はサラ・コナーの幼少期をねらって、T-1000を刺客として、1973年のサラコナー宅へ送り出します。

その情報を察知したジョン・コナーは、T-1000を追っかけて、リプログラムしたT-800を、1973年のサラ・コナーの元へ送ります。つまり、ジェニシスで「おじさん(pops/守護者)」をサラの元に送ったのは、未来のジョンコナーです。

T2の入れ替わりがジェニシス

要は、T2とジェニシスは内容が入れ替わった・・・T2では幼いジョン・コナーを守ったが、ジェニシスでは幼いサラ・コナーを守るお話に代わった、ということです。

T2ではT-1000は1994年のジョンコナー暗殺に向かい、それを察知した(未来の)ジョン・コナーは、リプログラムしたT-800シュワちゃんを、T-1000の後を追わせます。

ジェニシスではT-1000の送り先が1973年のサラコナーの元へと変わり、それを察知した(未来の)ジョン・コナーは、リプログラムしたT-800シュワちゃんを、T-1000の後を追わせた・・・ということになります。つまり、この時点でT2の出来事は消滅したことになります(ジェニシスはT2の事象を無視/無かったことにした)

よって、T2に出てきたリプログラムしたT-800シュワちゃん(ボブおじさん)と、ジェニシスに出てきたT-800シュワちゃん(popsおじさん/守護者)は同じ個体です。守る対象が、幼いジョンコナーから幼いサラコナーに代わっただけです。

【補足】:
先まわりして細かい補足をしておきますが、T2のシュワちゃんが到着時は短髪、1973年のサラを助けた若いシュワちゃんは少し長髪、という違い(矛盾)がありますが、これは、
  • 1973年に到着してサラコナーを探し出すのに2,3ヶ月かかって髪が伸びた(なんせ人間と全く同じように老化までして白髪にもなる、という何でもござれのT-800の設定です)
  • 幼いサラコナーの記憶の中のイメージ映像なので、サラコナーの記憶違い
ということが考えられます。

③サラの危機(1973年)を一時回避+スカイネットの罠

1973年にてサラ・コナー一家がT-1000に襲撃され、サラの両親は亡くなりますが、サラだけはT-800(popsおじさん/守護者)に救われます。1973年の事変にて新たに新時間軸③が始まります。

このT-800(popsおじさん/守護者)は、今回はサラコナーを助けたので、popsおじさん(守護者)としてサラに慕われるようになりましたが、本来はT2にてジョンコナーを助け、ボブおじさんとしてジョンに慕われるはずだった個体です。

しかし、この1973年では、T-800はバズーカ砲でT-1000を一時的に追っ払っただけで、その後1984年までずっとサラとT-800(popsおじさん)は、T-1000に追われ続け、1984年に酸にてT-1000を片付けました。
→詳細:ジェニシスでT-1000を倒した液体は何?

なぜT-1000退治が1984年なのか

なぜT-1000退治を1984年まで引っ張ったか?というと、サラやPopsおじさんからすれば、T-1000から逃げつつも、T-1000の居場所はわからない。しかし、T-1000はT1の出来事を知っているはずなので「1984年のカイルリースの到着現場に向かえば、T-1000も現れるだろう」とふんだからです。

T-1000を倒すには入念な準備(環境)が必要。よって1984年の出来事に合わせて、環境(酸)を入念に準備することにして、結果、T-1000をおびき出すことに成功し、退治した、ということになります。
尚、このジェニシスのT-1000が、1984年のカイル・リースの到着を知っていたことも、ジェニシスがT1の続編であることの証明の1つです。

未来におけるスカイネットの罠

時間軸②にて、1973年にT-1000を送ったにもかかわらず、時間軸③になっても、まだ未来ではジョン・コナーは生き続けています。

この事実から、スカイネットは時間軸②において、1973年に送ったT-1000が暗殺失敗に終わったことを把握します。

そしていまだに人類抵抗軍として地下にうまく潜伏しているジョン・コナーの所在はなかなかつかめません。

しかし、前回のT1の事象から、「1984年のT-800ターミネーターを追って、ジョン・コナーがカイル・リースを1984年に送る」という情報を把握しているスカイネットは、ジョン・コナーをおびき寄せるために、またも「T-800を1984年に送る」というフェイント(罠)を2029年に仕掛けます。

案の定、タイムマシーンの現場に、ジョン・コナーは現れカイル・リースを送り出すのですが、そこで待ち伏せしていたアレックス(スカイネット)によってジョンコナーは襲われ、T-3000化されてしまいます。

これにより、スカイネットはめでたくジョン・コナーをスカイネット側に取り込むことができ、あとはジョン・コナー(T-3000)を2017年に送り付けて、サラコナーらと身内同士で戦わせ、ジョン・コナー抹殺に成功した・・・・というのがジェニシスのお話です。

要は、スカイネットが過去に刺客を送るのは「フェイク」で(暗殺が成功したらしたでOK)、一番の目的は、過去に刺客を送るという事象から得られる情報によって、未来におけるジョン・コナーの居場所をあぶり出し、未来に置いてジョンコナーを消す・・・というのがスカイネットの根底にあった、ということです。

但しこの時間軸③では、存在しないはずのジョンコナーが存在しているというタイムパラドックスが生じています。詳細はこちらターミネーター・ジェニシスの矛盾と疑問点にまとめてあります。

ターミネーター・ジェニシスのまとめ

「ターミネータージェネシス」で検索すると、以下のようなキーワードと一緒に検索している人が多いです。
ジェニシスひどい

ジェニシスはひどい?

「ジェニシス」と「ニューフェイト」は同じターミネーター商標権利者(エリソン兄弟/姉妹)と、同じ制作会社(スカイダンス社)による姉妹作品で、この2作は、やたらジョン・コナーを消すことに躍起になっています。その背景にある深刻な理由は、こちらターミネーター映画大失敗の致命的な原因にまとめてあります。

以上の通り、「ジョンは消滅しスカイネットは完全勝利」、「サラとカイルは時空の迷い子となり、ジョンを産むことなくうっかり2017年まで来てしまい(すぐ産んでも2029年にはジョンは12歳)、全キャラ存在価値消失」ということで、ターミネーター・ジェニシスはひどいお話です。「ターミネータージェネシス」と併せて「ひどい」というキーワードで検索している人が多いようですが、ごもっともな世論です。

そして「ジェニシス」は、姉妹作品であるにもかかわらず、その「ニューフェイト」によって「無かったこと」にされました(ジェニシス黒歴史化決定)。

「ジェネシス」ではなく「ジェニシス」

「ターミネーター・ジェネシス」というキーワードで検索している人も少なからずいることから、「ジェネシス」(Genesis)と「ジェニシス」(Genisys)の判別ができていない人も多いようです。

「ジェネシス」(Genesis)だと旧約聖書の「創世記」になりますが、闇の事情で聖書ネタが使えないので(←宗教色が濃くなると「ある国」で公開してもらえなくなる・・・上記「ターミネーター映画大失敗の致命的な原因」参照)、苦肉の策で文字列をいじって「ジェニシス」(Genisys)と変えてしまったわけです。

守護者を「誰が送った」か?

また、T-800シュワちゃん(Popsおじさん/守護者)を「誰が送った」のか、知りたがっている人が多いことが検索キーワードからもわかりますが、「誰が送ったか?」は上述のネタバレ解説の通りです。

T2で1994年に送るはずだった再プログラムしたT-800を、1973年に送ったというお話なので、「誰が送ったか?」は当然ながら、未来のジョン・コナーです。

なんで液体金属T-1000がイ・ビョンホンなの?

液体金属T-1000がイ・ビョンホンに配役が変えられてしまったことが、「ジェニシス」がわかりづらくなった大きな一因の1つですが、イ・ビョンホンのT-1000の顔は、本来はT2と同じロバート・パトリックの顔であるべきなのです。

しかし、以下の理由でイ・ビョンホンに代わってしまいました。

  1. ロバート・パトリックの顔を長時間再現するほどお金と技術がなかった。→ジェニシスでは若いシュワちゃんCG再現に、かなりの労力と経費を使ってしまった。
  2. ジェニシスはとにかく中国重視で作られたため、エンディングのテーマ曲を中国人歌手にするだけでなく、本当は中国人俳優も主演させたかったのだが、悪役T-1000を中国人俳優にしてしまうと、中国で劇場公開してもらえなくなるため、中国でも知名度があるアジア人俳優に変えた。

以上が、T-1000の顔が違う理由です。

オブライエンはスルーでOK

なにやら意味深なキャラクターとしてオブライエンが出てきましたが、オブライエンは本筋とはほぼ関係ないので(サラとカイルの手錠を解くだけのただの便利人役)、深追いしても無駄です。無視して結構です。

おそらく製作者は、このオブライエンという役を、T1~T3,サラ・コナー・クロニクルズに登場したシルバーマン博士のような、スパイスとして歴史の生き証人的な役割を付与したかったものと思われますが、ジェニシス発の三部作は消滅したので、このキャラクターに思いを馳せても意味はありません。

ジェニシスの続編はあるの?

最後に、ジェニシスの続編を気にされている方もいらっしゃるようですが、それについては、下記の「ターミネーター・ジェニシスの続編は絶対ない理由」にて詳しくまとめてあります。

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