嵐がやってくる【ターミネーター名言集】

ターミネーター

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ターミネーター嵐が来る

何が始まるんです?(What are you expecting?)

第三次大戦だ。(World War Ⅲ.)

の映画「コマンドー」の名言のように、映画の中には、現実世界でそのまま使える「これから大変なことが起きるかもしれない」ことを示唆する名言があります。

そんな映画の名言の1つに、ターミネーター・シリーズに登場する、

嵐がやってくる。(There's a storm coming.)
があります。

ターミネーターのシリーズを通じての名言集といえば、


などが有名ですが、

  • There's a storm coming.
    (嵐がやってくる。)

もシリーズを通して引き継がれている名言の1つです。

嵐がやってくる(There's a storm coming.)とは

この「嵐がやってくる。」は、「これから一波乱あるぞ。」という「前兆」や「続き」を感じさせる「思わせぶり効果」を期待して使われますが、「何が起きるか分からないが、自ら切り開いていくのだ。」という前述の "No Fate."にも通じる意味合いが含まれています。

ちなみに、There's a storm coming.は、There is a storm (which is) coming. の略で、また、

  • There's a storm coming.
  • A storm is coming.

はどう違うか?というと、どちらも基本、同じです。強いていうなら、

  • There's a storm coming.・・・たくさんある(かもしれない)嵐のうちの1つがやってきている。
  • A storm is coming.・・・(単純に)嵐が1つやってきている、という事象を述べたもの。

という背景に微妙なニュアンスの違いはありますが、伝えたい事象は同じです。

今回はその"There's a storm coming.(嵐がやってくる。)"の、ターミネーター・シリーズの中での登場シーンをまとめました。

「嵐がやってくる」登場の有無
T1 T2 T3 TSCC T4 T5 T6
× ×
  • 〇・・・ほぼそのままの文字列でその名言が登場する。
  • △・・・類似の文言がオリジナルを意識して登場する。
  • ×・・・その名言や類似の言葉は登場しない。

以下、作品ごとに「嵐がやってくる。」の登場シーンを解説していきます。

ターミネーター1(T1)

ターミネーター・シリーズにおける、この「嵐がやってくる。」の起源になったシーンは、映画『ターミネーター』(The Terminator / T1 / 1984年)の、あの有名なエンディングのガソリン・スタンドのシーンです。
→関連記事:サラ・コナーが同じ銃で偲ぶカイル・リース

このガソリンスタンド(メキシコという設定、実際のロケ地はロサンゼルス北西部のKwik Serv/37202 90th St E, Littlerock, CA)にいたメキシコ人のロナウジーニョみたいな少年がポラロイドカメラでサラ・コナーの写真を撮ったあと、遠くを指さして、

Viene una tormenta! (ヴィエンナ・トルメンタ!)
とスペイン語で叫び、それを、

There's a storm coming.
嵐がやってくる。
とガソリンスタンドのおじさんに英語に訳してもらったサラ・コナーが、

I know・・・.
(嵐が来るのは)わかってるわ。
と答えるシーンがこの名言の起源となります。

ターミネーター2(T2)

映画『ターミネーター2』(Terminator 2: Judgment Day、T2、1991年)には「嵐」(storm)という単語そのものは登場しません。

しかし、似た表現は、エンディングのサラ・コナーのナレーションに登場します。↓

The unknown future rolls toward us. I face it for the first time with a sense of hope, because if a machine, a Terminator, can learn the value of human life, maybe we can too.

未知の未来が我々の前方に転がっている。私は初めてそれに対して希望を持って向き合っている。なぜなら、もしマシーンが・・・ターミネーターが人命の価値(命の尊さ)を学ぶことができるのであれば、我々人間もできるはずだからだ。

この"The unknown future rolls toward us."が、"There's a storm coming."に近いですが、
  • "The unknown future"・・・「未確定の未来が前方に横たわっている=必ずしも悪い未来とは限らない」と、
  • "storm coming"・・・「嵐がやってきている=良くないことが向こうからやって来る」
では、ニュアンスが微妙に変えられています。

T2で「嵐」を使わなかった理由

考察するに、なぜT2にstorm(嵐)という単語が使われなかったかというと、上の文面から「嵐」よりも、「明るい未来」がやってくることをT2では想定していたから、と見れます。

「どのような方向性でジェームズ・キャメロンがT2を作っていたか」・・・「(嵐ではなく)不確定ながらもどちらかというと明るい未来を想定してT2を作っていたこと」は、上のT2エンディングのサラコナーのナレーションと、「もう1つのエンディング」である、このターミネーター2オリジナル版最後の公園(劇場版との違い)を観ればさらに明確に伝わってきます。

ジェームズ・キャメロンの監督作品がヒットする理由として、このように絶望(困難)の中にも希望があるから、という点が挙げられます。

以上と、その他の背景や動機からも、やはりジェームズ・キャメロンにとって、ターミネーターはT2で完結していたと言えます。
→詳細:ターミネーターがT2で完結した理由

ターミネーター3(T3)

映画『ターミネーター3』(Terminator 3: Rise of the Machines T3 2003年)に、再び「嵐」の名言が登場します。

T3の冒頭で、ジョン・コナーのナレーションの中で、

All my life my mother told me the storm was coming, Judgment Day, the beginning of the war between man and machines.
ずっと母さん(サラ・コナー)は嵐がやってくると言い続けていた。審判の日・・・人間とマシーンの間での戦争の始まりのことだ。

と、"the storm was coming" とオリジナルのセリフのオマージュが過去形として登場します。

このT3のジョン・コナーのナレーションの中には、


といった、いろいろなネタがてんこ盛りとなっています。

ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ(TSCC)

『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』(Terminator: The Sarah Connor Chronicles、TSCC / 2008-2009年)にも"There's a storm coming."がそのままの文章で登場します。

シーズン1第6話「ダンジョン&ドラゴン/ Dungeons & Dragons」にて、チャーリーがデレク・リースを救命した後、この2軒を使い分けたサラ・コナーの家(シーズン1)のブランコがある庭にて、

What was that thing that you always said?
There is no fate but what we make, remember?
君がいつも言っていたセリフ、なんだったっけ?
運命は定まっていない、自ら作るもの。覚えてる?

などの会話を交わした後、別れ際に、木枯らしで枯れ葉が舞う中、不穏な空を指さして、

Ther's a storm coming.
嵐がやってくる。

と言って別れます。

ここでも "No Fate."と嵐がワンセットで使われていました。

このシーンの後、サラコナーは室内でColt Model 933 をメンテナンスするシーンに続きますが、このシーンも、ターミネーター2のサラ・コナーへのオマージュとなっています。
→詳細:T1・T2のサラ・コナーへのオマージュ

ターミネーター4(T4)

映画『ターミネーター4』(Terminator Salvation / 2009年)にも、「嵐」の名言が登場しています。

エンディングで心臓手術が終わったジョン・コナーのナレーション(スピーチ)の中にさりげなく「嵐」が含まれていました。

There is a storm on the horizon. A time of hardship and pain. This battle has been won, but the war against the machines races on. Skynet's global network remains strong, but we will not quit, until all of it is destroyed. This is John Connor. There is no fate, but what we make.

地平線には嵐がある。(嵐とは)苦難と苦痛を伴う時だ。今回の戦いでは勝ったが、マシーンとの戦いはまだまだ続く。スカイネットのグローバル・ネットワークは強固だ。しかし我々はそのすべてを破壊するまであきらめない。こちらはジョン・コナー。運命は定まっていない、自ら切り開くものだ。
→関連記事:ターミネーター4どのエンディングが好き?

「No Fate」と「嵐」がワンセットで使われるのは、T3やサラ・コナー・クロニクルズと同じです。

ターミネーター5(T5, ジェニシス)

『ターミネーター: 新起動/ジェニシス』(Terminator Genisys / 2015年)にも "There's a storm coming"がそのまま登場します。

サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ近くのHawk Hill(ホークヒル)にある武器庫に、襲撃に来たジョンコナー(T-3000)が、カイル・リースとサラ・コナーに近づきながら以下のように発します。

There’s a storm coming, and it won’t be stopped.
嵐がやってくる。そしてそれは止められないだろう。

ちなみにこの武器庫の場所は、実在し、冷戦時代にミサイルを監視するアメリカ軍のレーダー設備が置かれていた基地の跡地です。
2022年の現在、また第一・第二次世界大戦~冷戦時代に逆戻りしたような、まさに「嵐がやってくる」状態になっているところが怖いところです。

まとめ


嵐がやってくる。(There's a storm coming.)
は、何か良くない事が起きそうなとき、例えば戦争が起きそうなとき、株や為替が乱高下しそうな時、怒りっぽい上司や配偶者が近づいてきたとき・・・など日常生活のいろいろなシーンに応用して使える、ターミネーター・シリーズの名言の1つです。

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