クラクションで命を守る術を学ぶ映画「新宿鮫」

邦画

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クラクションが救う命

最近また、送迎車の中に取り残された園児が亡くなるという痛ましい事件が起きました。

こういう状況に陥った際、子どもたちはどうすればよいのでしょうか。

フィクションではありますが、映画の中にも、このような状況で役に立ちそうなアイデアがあります。

クラクションで助けを求める鮫島(真田広之)

例えば、映画『眠らない街〜新宿鮫〜』(1993年)では、主人公の鮫島(真田広之)が、地方の警察署の駐車場で、香田警視(今井雅之)を逮捕しようとした際、同僚の刑事(斉藤洋介)に背後から模造刀で切りつけられ、後頭部に大怪我を負います。

鮫島は切りつけてきた刑事をなんとか抑え込んで、意識が朦朧とする中、停めてあったパトカーのクラクションを鳴らして、署内にいる警官らに助けを求めるシーンがあります。

鮫島は車の中に閉じ込められたわけではありませんが、クラクションを鳴らして助けを呼ぶ方法は、車内に閉じ込められた子どもでもできるかもしれません。

ネット上にも、車に閉じ込められたら、「クラクションを鳴らせ」とか、「ヘッドレストを使えば力がなくても窓ガラスを割ることができる」などの情報があります。

しかし、意外と次のような落とし穴があるのかもしれません。

そもそも子供は「車内にずっといたら危険」ということを十分に認識していない

そもそも子どもは、「車内にずっといたら熱中症になり命に危険があること」を何となく聞いたことはあったとしても、実感として理解していないのかもしれません。

特に日本の子どもは幼い頃から、とにかく「おとなしく待っているように」しつけられ、忍耐教育が行き届いています。

そのため、車の中に取り残され、閉じ込められても、とりあえず「大人しくじっとして待つ」ということを優先する可能性が高いです。

そうこうするうちに熱中症で意識が朦朧となっていく・・・というスパイラルに陥ります。

つまり、「車外に出なければいけない」「助けを呼ばなければいけない」という発想までたどりつかない子どもが多いはずです。

そのため、車内に取り残されたら(閉じ込められたら)死ぬ危険があるので、脱出しなければならない、ということを、まずは「教育」しておかなければいけないのが大前提になってきます。

その教育をまずしなければいけないのは「」なのでしょう。

幼稚園や保育園の先生が教えることはもちろんですが、第三者に期待しても限界や質に差もあるので、まずは第一義的にも親が、常日頃から自分の子どもに最低限のサバイバル知識をしっかり教えなければなりません。

実際にクラクションを子どもに鳴らせてみるまでする

「車の中に長くいることが危険」ということを子どもに学んでもらったら、次は閉じ込められた時にどうすればよいか?を教えます。

一番簡単なのは、冒頭の映画「新宿鮫」のように、クラクションを鳴らして近くの人に助けを求めることです。
それも「実際に子どもにクラクションを鳴らせて、押し方の感触や大きな音を体で覚えさせる」まで経験させておいたほうがよいでしょう。

クラクションの押し方も、「ずっと押し続ける」以外にも、「数秒おきに断続的に押し続ける」方法も教えておくと、子どもも押すことに委縮せずに済むかもしれません。

自宅でも教えておきたいですし、送迎者を使う保育園や幼稚園だったら、登園初日に実際に送迎バスを使って教えておくべき事項です。

窓やドアの開け方を教えるのもよいですが、車種によって違いますし、最近の車のロック解除は手動ではできなかったりするので、子どもには難しいかもしれません。

一応、持ち運び可能なキーホルダー式の「緊急脱出用ハンマー」の類なものもたくさん売られていますが、園児に毎日持たせるには、仰々しすぎるかもしれません。

車のシートのヘッドレスト抜いて、ヘッドレストの足を窓の隙間に差し込んで、テコの原理で窓を割る方法もありますが、子どもにはそもそもヘッドレストを引き抜いたりする行為が難しいかもしれません。

いずれにしても、とりあえず、

  • 車内に長時間いることは危険であること。
  • クラクションを鳴らすこと

くらいは今すぐに教えておきたいところです。

人間、子どもであっても大人であっても、最終的には自分の身は自分で守らなければなりません。

バス閉じ込め防止 園児がクラクション鳴らす訓練(2022年9月12日)
https://www.youtube.com/watch?v=yH6VEVsjifE

バスのクラクションを鳴らして助けを求める訓練を実施 3歳児のバス置き去り事件受け|TBS NEWS DIG
https://www.youtube.com/watch?v=fZIaIZDfSOE

映画で学んだことを現実世界で応用する

以上のことは、何も子どもに限ったことではなくて、例えば夜道で女性が不審者に後を付けられたり、襲われそうになった時などに、近くに駐車している車を叩くか蹴るなどして衝撃を与え、車のセキュリティアラーム(盗難防止アラーム)を作動させて難を逃れる・・・という術も映画でよく見かけます。

映画やTVドラマには、現実世界でも使える「使える防犯術」が満載なので、ちょっと気になったテクニックを見かけたら、頭に入れて置いて、日常生活で試してみると、映画も現実世界も相乗効果で楽しくなっていきます。

ちなみに自分が現実世界で非常に役に立った映画の中の技術は、『暴走特急』(Under Siege 2: Dark Territor、1995年)でスティーヴン・セガールが見せた、「相手の手首をつかんで、相手の手の甲に自分の親指を押しつけながら、つかんでひねる」護身術(合気道の技)でした。

当時のバイト先で、店からお金を払わずに出ていこうとした外国人男性を呼び止めた際、つかみかかって殴ろうとしてきたので、自分はうしろにのけぞりながら相手の手首をとって、相手の手の甲に自分の親指を当てて、外側に手首をひねったら、簡単に相手を取り押さえることができました。手首をひねって自分の体重を少しかけただけなので、力もいりませんでした。

たかが映画、されど映画で、映画から学べることは、とてもたくさんあります。

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