たまに「ターミネーターの日」という名称の記念日を、耳にすることがあります。
しかし、日付はバラバラです。
そこで、
- 「ターミネーターの日」はいつなのか?
- 「ターミネーターの日」はいくつ(何個)あるのか?
を、まとめました。
「ターミネーターの日」(ターミネーター記念日)と言われることが多い日は、主に以下の3つです。
- 「8月29日」
- 「5月25日」
- 「5月12日」
1.「8月29日」
以前は違う日だったのですが、最近(2019年以降)、「8月29日」が「ターミネーターの日」と呼ばれるのを耳にするようになりました。「8月29日」が「ターミネーターの日」とされた背景
- 映画『ターミネーター2』(Terminator 2: Judgment Day)にて、
- 1997年8月29日が「審判の日」(A.I.コンピューター「スカイネット」が自我に目覚め、人類に対して核戦争が起こした日であるため。
- 登録申請者(制定者):「20世紀フォックス映画」社
- 目的:ターミネーター・シリーズの魅力を周知させるため。
- 制定年:2019年(令和元年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録
とのことで、比較的新しい「ターミネーターの日」です。
この記念日の登録申請年が、「2019年」かつ「20世紀フォックス」というところがミソで、要は、2019年に公開された『ターミネーター: ニュー・フェイト』(Terminator: Dark Fate)の宣伝の一環(話題作り)だったようです。
「20世紀フォックス」は、『ターミネーター: ニュー・フェイト』の製作会社でもあり、配給会社でもあります。
「8月29日」は弱い
しかし、矛盾というか、皮肉なことに、この『ターミネーター: ニュー・フェイト』の中では、1997年8月29日の「審判の日」というのは結局、回避され、何も起こらなかった日です。しかも『ニュー・フェイト』の内容は、ターミネーター1と2を否定する(無駄だったとする)内容です。さらに他のターミネーター作品でも、1997年8月29日には何も起こらず、「審判の日」は作品ごとに違っています。
→ターミネーター「審判の日」核戦争はいつ?
以上から、結局、何も起こらなかった「8月29日」を「ターミネーターの日」とするのは、根拠が弱く、今後もあまり世間には浸透しない気がします。
2.「5月25日」
上述の「8月29日」が「ターミネーターの日」と言われるまでは、「5月25日」が「ターミネーターの日」と言われていたように記憶しています。しかし、上の「8月29日」と競合するためか?大人の事情で最近は「5月25日」は「ターミネーターの日」とは言われなくなったようです。「5月25日」が「ターミネーターの日」とされた背景
- 『ターミネーター』(The Terminator)が、
- 日本で公開されたのが、1985年5月25日だから。
- 制定したのは配給元の「パラマウント ピクチャーズ ジャパン」
一般社団法人・日本記念日協会のサイトに、以下のような記事(2015年)があります。
1985年5月25日にSF映画の金字塔「ターミネーター・シリーズ」が日本で初公開されました。その日から今年で30周年となることを記念して、公開日の5月25日が「ターミネーターの日」に登録されました。制定したのは配給元のパラマウント ピクチャーズ ジャパンです。
https://www.kinenbi.gr.jp/mypage/622
つまり、これもまた、制定したのが「2015年」かつ「パラマウント ピクチャーズ ジャパン」というのがミソで、要は、2015年に公開された『ターミネーター: 新起動/ジェニシス』(Terminator Genisys)の宣伝の一環(話題作り)だったようです。
「パラマウント・ピクチャーズ」は、「ターミネーター・ジェニシス」の製作会社でもあり、配給会社でもあります。
「5月25日」も根拠が弱い
ちなみに、「ターミネーター1」の本国アメリカでの公開日は1984年10月26日であり、日本とはまったく異なります。「5月25日」を記念日とするのは、極めて日本的な事情(日本でしか通用しない)であり、映画の内容そのものには「5月25日」という日付は何らつながりも持っていないので、この日付も「ターミネーターの日」とするのは根拠が弱く、実際、世間にも忘れ去られつつあるようです。【悲報】消滅した「5月25日」
ちなみに、一般社団法人・日本記念日協会のサイト(https://www.kinenbi.gr.jp/)では、下図のように「日付」または「キーワード」で、記念日を検索できるようになっているのですが、一般社団法人・日本記念日協会のサイトで、「ターミネーター」で検索しても、または「5月25日」で検索しても、「8月29日」のほうしか出てこず、「5月25日」の「ターミネーターの日」は検索結果には出てきません。
しかし、
site:https://www.kinenbi.gr.jp/ ターミネーター
で検索すれば、日本記念日協会のサイト内に残っている、かつて「5月25日」を「ターミネーターの日」としていた痕跡(過去記事)は残っています。
「パラマウント・ピクチャーズ」vs「20世紀フォックス」という「大人の事情」が作用しているのでしょうか・・・。
ここまでのまとめ
以上から、日本における「ターミネーターの日」というのは、とりあえず現時点では(暫定的に)「8月29日」ということになってはいますが、日本においては、新しく公開されるターミネーター作品に合わせてコロコロ変わる(新たに別の日が設定される)ご都合主義的な記念日にすぎず、いずれも根拠も存在も薄いということになります。3.「5月12日」
では海外、特に本国アメリカではどうなのか?というと、例えば"Terminator Day"と検索してみると、圧倒的に「5月12日」を「ターミネーターの日」と認識している人(サイト)が多いことが分かります。5月12日になると、"Happy Terminator Day! May 12th!"という文言がネット上に飛び交います。
「5月12日」を「ターミネーターの日」とする背景
- 「ターミネーターの物語が始まった日」だから。
- 映画『ターミネーター1』( The Terminator、1984年)にて冒頭、T-800ターミネーター(シュワちゃん)とカイル・リース(マイケル・ビーン)がタイムトラベルで到着した日が、1984年5月12日でした。つまり、ターミネーター・シリーズのすべてが始まった日です。
その根拠となるシーンが、『ターミネーター1』で、カイル・リースがタイムトラベルで到着早々、路地裏で警官と交わした以下のセリフです。
What day is it? The date!
(カイル・リース:今日は何日だ?日付だ!)
12, May, Thursday.
(警官:5月12日。木曜日だ。)
すべてのターミネーター・シリーズの起点となる、「ターミネーター」という事象が始まった日付が5月12日だったので、5月12日を「ターミネーターの日」とするのが世界では一般的です。
1984年5月12日は本当は「土曜日」の件
上述の通り、1984年が舞台の「ターミネーター1」のセリフでは、「12, May, Thursday.(5月12日 木曜日)」と答えていますが、現実世界の1984年5月12日は「土曜日(Saturday)」です。なぜセリフが「木曜日」となってしまったか?というと、本来、「ターミネーター1」は1983年に撮影される予定で、舞台も1983年になる予定でした。そのため、脚本に書かれたセリフも1983年を前提としているため、1983年の5月12日が「木曜日」だったので、その脚本に書かれたセリフが修正されないまま、「木曜日」で残ってしまったことによる曜日の矛盾(脚本ミス)となったのです。
- 1984年5月12日 木曜日×(本当は土曜日)
↓↑ - 1983年5月12日 木曜日〇
撮影と舞台が1983年から1984年にズレこんた理由は、アーノルド・シュワルツェネッガーが映画『キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2』(Conan the Destroyer、1984年)を撮影していたため、スケジュール上の都合で、「ターミネーター1」の撮影が1984年にずれ込んでしまったことによります。
まとめ
以上まとめると、日本における「ターミネーターの日」は、- 2015年からは「5月25日」でしたが、
- 2019年からは「8月29日」に変わった
しかし、日本における「ターミネーターの日」は、新しく公開されるターミネーター作品の宣伝(話題作り)要素が強いので、今後もターミネーターに関して新作公開等、何かあるたびに、コロコロ変わる可能性があります。
一方、本場アメリカを含む海外では、「ターミネーターの日」は「5月12日」と一般的には認識されていることが多いです。
そしてこの5月12日に展開した「ターミネーター1」の事象(営み)によって、その約 十月十日(トツキトオカ)後の1985年2月28日に、ジョン・コナーが産まれ、シリーズは続いていくことになります。この2月28日というのも、マニアの間では、ターミネーターに関する1つの記念日となっています。
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