ターミネーター・シリーズにはいろいろなターミネーターが登場します。
その中で、
- それなりの尺(主役級)で登場し、
- 銃を使える(銃を使うという選択肢がある)環境にいた
という条件下で、銃を使わなかったターミネーターが1体、存在しています。
それはどのターミネーターだったでしょうか?
以下、作品ごとにふり返っていきます。
ターミネーター1
映画『ターミネーター』(The Terminator、1984年)では、アーノルド・シュワルツェネッガー演じるT-800ターミネーターは以下の銃を使用します。- AMT Hardballer .45 Longslide
- IMI Uzi
- Ithaca 37
- Franchi SPAS-12
- Armalite AR-18
- Smith & Wesson M15 nickel-plated
ターミネーター2(T2)
映画『ターミネーター2』(Terminator 2: Judgment Day、T2、1991年)では主に2体のターミネーターが登場しますが、以下のような銃を使用します。T-800
- Winchester 1887
- Colt Series 70/Detonics 1911 Hybrid(コルトニクス)
- M79 grenade launcher
- MM1 grenade launcher
- Colt "Commando" CAR-15 Variants(Sporter II)
- Hand Held M134 Minigun
ちなみにT2では、T-800シュワちゃんは一人も人間を殺していません。劇中にも登場した「HUMAN CASUALTIES: 0.0」(人的被害/死者 ゼロ)を実現しています。T-800の悪役で懲りてしまったシュワちゃんが「良い役」を演じたいとのことで、最初からそういうテーマ(キャラクター設定)で撮影に臨んだようです。
T-1000
ロバート・パトリック(Robert Patrick)が演じる液体金属ターミネーターT-1000は、以下の銃を使用します。- Beretta 92FS
- Browning Hi-Power
- Heckler & Koch MP5K
T-1000の場合、手刀など変幻自在で全身武器な体のほうが印象的です。
ターミネーター3(T3)
T-850
映画『ターミネーター3』(Terminator 3: Rise of the Machines、T3、2003年)では、アーノルド・シュワルツェネッガー演じるT-850ターミネーターは以下の銃を使用します。- Remington 870 Custom
- Heckler & Koch UMP45
- Heckler & Koch G36K
- Browning M1919A4
- Sage Control SL-6 Rotary Launcher
- Type 69 RPG
実はT3でも、T-850シュワちゃんは一人も人間を殺していません。劇中でもお墓のシーンで一通り撃ち終わった後、「HUMAN CASUALTIES: 000」(人的被害/死者 ゼロ)というT2のオマージュが取り入れられており、T1で懲りて「悪役はもう御免」というシュワちゃんの要望にそって、T2に続き、T3でもそういうテーマのキャラクター設定となっています。
T-X
- Smith & Wesson M4506-1
- Beretta 92FS
T-Xの場合、自分の体(腕)にプラズマ砲を内蔵しているため、使用した「市井に出回っている武器」は少なめです。
劇中、そのプラズマ砲を3シーンほどで使用し、一番多く使ったように見えますが、実は最後のクリスタルピークの核シェルターのシーンで、T-Xが丸鋸を使ってT-850に反撃するシーンがカットされており、丸鋸も3シーンで登場したことになり、しかもT-Xの窮地を救う重要なシーンで活躍します。愛用武器がノコギリという意外とアナログでオチャメな「対ターミネーター用(?)ターミネーター」なT-Xでした。
ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ
TVシリーズ『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』(Terminator: The Sarah Connor Chronicles、TSCC、2008-2009年)には、T-600に加えて、T-888だけでも11体以上、さらにそれとは別に型番不明のものも数体、登場します。その中で、主なキャラクターで、銃を使わなかったターミネーターは以下の3体です。
- グリーンウェイ・ターミネーター
- Rosie(ロージー)・ターミネーター
- キャサリン・ウィーバー(T-1001)
1のグリーンウェイ・ターミネーターは、シーズン2第2話「原子力発電所 / Automatic for the People」に登場した原発の現場責任者であるグリーンウェイに化けたターミネーターT-888です。原発だったので武器を持ち込めなかったのと、ミッションを達成する前に、キャメロンとサラ・コナーのコンビネーションで片づけられてしまい、短期間の登場だったため、銃を使用する機会がありませんでした。
→関連記事:セラノ岬原子力発電所
2のロージーは、シーズン2第6話「時は得難く失い易し / The Tower Is Tall But The Fall Is Short」に登場した、シャーマン医師の暗殺のために送り込まれた型番不明の女型ターミネーターですが、こちらもミッションを達成する前に、キャメロンに早々に片付けられてしまったので、銃を使う機会がなかったターミネーターです。ちなみに名前の由来は、アニメのお手伝いロボット・Rosieから来ています。
→関連記事:史上初・女型ターミネーター同士の戦い@シャーマン医師のオフィス
3のキャサリン・ウィーバー(T-1001)はかなりの長尺で登場していますが、一度も銃を使いません。にもかかわらず、
killed 32 employees of the Desert Canyon Heat and Air plant・・・
「デザートキャニオンのヒート&エアー社の工場で32人の従業員を殺害」
(シーズン2第15話「出現 / Desert Cantos」冒頭のラジオニュース音声)
の他、ゼイラ社の自分の部下複数名、原発所長、原子力潜水艦で1名・・・と少なくとも40名近くを暗殺しています。基本、手刀です。
実はキャサリン・ウィーバー(T-1001)、ターミネーター史上、人的キルカウント最多を記録したターミネーターです。
→関連記事:キルカウント最多のターミネーターは?
ターミネーター4・サルベーション(T4)
映画『ターミネーター4』(Terminator Salvation、T4、2009年)にも無数にターミネーターが登場しますが、Aerostat(エアロスタット/偵察用ドローン)やHydrobot(ハイドロボット)などは、 サブで小型なので割愛します。T-600
- FN FS2000
- Garwood Industries M134G minigun
- RM Equipment M203PI Grenade Launcher
T4の影の主役、T-600は劇中、何体か登場しますが、上記のような銃火器を使用していました。
T-800
T4に登場したT-800は銃は使用しませんが、「銃を使用するチャンスがあったのに、意図して使わなかった」というより、出荷してそのまますぐ出されて、すぐに破壊されたので、結果的に「銃を使うチャンスがなかった」だけ、ということになります。ターミネーター5・ジェニシス
映画『ターミネーター: 新起動/ジェニシス』(Terminator Genisys、2015年)には主に以下の4体のターミネーターが登場します。T-3000
ジョン・コナーことT-3000はあまり銃を使ったイメージはありませんが、以下の銃を使用しています。- SIG-Sauer P226R(チェン刑事に化けている時に使用)
- M4A1 Carbine
- X26 Taser
T-1000
- Smith & Wesson M15
若T-800
若いT-800は1984年に到着して早々、片づけられてしまったので、銃は使っていません(使う機会もありませんでした)。老T-800
- Benelli M3 Super 90
- Benelli M4 Super 90
- Carl Gustav M2 Recoilless Rifle
T5ジェニシスでも、T-800シュワちゃんは一人も人間を殺していません。T2,T3同様、もう悪役は懲り懲りというシュワちゃんの要望をふまえた「良い役」設定になっています。
ターミネーター6・ニューフェイト
映画『ターミネーター: ニュー・フェイト』(Terminator: Dark Fate、2019年)は、主に以下の2体のターミネーターが登場します。Rev-9
- Browning Hi-Power
- Glock 17 (3rd Generation)
全てのシーンが描写されているわけではないので、正確な数字は不明ですが、画面上でカウントする限り、Rev-9より、TSCCのキャサリン・ウィーバーのほうが、キルカウントは多いです。
T-800(カール)
- Serbu Super Shorty
- Beretta ARX-160 A3
- Beretta GLX-160 A1
- Milkor MGL
まとめ
以上から、ターミネーター・シリーズにおいて銃を使わなかったターミネーターは、- ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ
- グリーンウェイ・ターミネーター
- Rosie(ロージー)・ターミネーター
- キャサリン・ウィーバー(T-1001)
- ターミネーター4
- T-800
- ターミネーター5・ジェニシス
- 若T-800
ですが、
- それなりの尺で登場した主役級で、
- 銃を使える(銃を使うという選択肢がある)環境にいた
にもかかわらず、唯一、銃を使わなかったターミネーターは、キャサリン・ウィーバー(T-1001)だけ、ということになります。
しかも、キャサリン・ウィーバー(T-1001)は、T-XやRev-9よりもキルカウントが多く、ターミネーター(T-888)さえも瞬殺します。
→関連記事:キャサリン・ウィーバーがターミネーターを瞬殺した駐車場
その姿はまるで「銃なぞ低俗なものは使うまでもない。刀こそ流儀。」という武士道さえ感じさせるスタイルでした。
さらにキャサリン・ウィーバー(T-1001)は会社経営や原発経営、A.I.育成(シンギュラリティ)そして子育てまでこなすという知能派。
プログラミングされたことだけをただ実行するパシリ、ではなく、自ら考え行動を起こし、スカイネットに対してさえ全面戦争を仕掛ける、という強者ぶりで、ターミネーター・シリーズにおいて最強のターミネーターと言えるでしょう。
→関連記事:ウツボとキャサリン・ウィーバー(T-1001 ターミネーター)