お台場で開かれた「ターミネーター展」の展示物の中で、レアなものの1つが、このモト・ターミネーター(バイク型ターミネーター)。
T-800の等身大はテーマパーク他、あちこちで見られますが、モト・ターミネーターはなかなかお目にかかれません。
撮影用に4台作られたうちの1台が、日本に運び込まれ、展示されていました。映画の中のような自動走行はできませんが、人が乗れば(映画の中のジョン・コナーのように)実際に運転もできるようになっており、マニュアルで運転できるようにハンドルも残されています。
モト・ターミネーターの成り立ち
それにしても、このモト・ターミネーターが、なぜこんな ごちゃごちゃした いびつなデザインになったかというと、ターミネーターがバイクに覆いかぶさるような仕組みになっているため。元ネタのベースとなったバイクは、ドゥカティ 2009年製「モンスター1100S」(2009 Ducati Monster 1100 S)。
それにT-700かT-800が覆いかぶさるように乗り、それがやがてバイクと一体型になったようなイメージの仕上がりになっています。
そのため、ターミネーターの腰(背骨みたいな部分)や腿のような部分が残されており、その背骨みたいな腰の部分をシート代わりにして、乗ることができます。
前方にもターミネーターの顔の特徴の1つ、赤い目が2つ、名残りのように付いていて、映画の中ではその赤い目玉(カメラ)をジョン・コナーがくり抜くシーンがありました。
ターミネーター展に展示されていたモトターミネーター(上写真)はどうやら旧機種(コンセプト段階のデザイン)のようで、実際に映画に登場したものは新機種のほうで、デザインや装備が映画のものとは異なっています(後述)。
装備
モトターミネーターは、新旧2種類あるようで、1つはミニガンを搭載した旧機種(ターミネーター展で展示されていたもの)。もう1つはプラズマ砲を搭載し赤い目が縦に並んでいるなど頭部のデザインも少し異なる新機種。映画「ターミネーター4(サルベーション)」で登場したものはいずれも新機種のほうでした。
旧機種
バイクの両サイド後方にミニガンが1つずつ、前方にもマシンガンが左右2つずつ搭載されており、赤い目は横に2つ並んで付いています(上写真/ターミネーター展で展示されていたもの)。バイクにつきバランスが取れるよう、左右対称の装備になっています。バイクに「ターミネーターの体を取り付けた感」が色濃く残っています。
モト・ターミネーターのフィギュアも出てますが、いずれもモデルは旧機種しかないようです。
新機種
バイクの両サイド後方にプラズマ砲を1つずつ装備。映画本編に登場したのは、いずれもこの新機種のほうで、新機種のほうがかなりコンパクトな仕上がりになっています。→モトターミネーター新機種の画像その1
→モトターミネーター新機種の画像その2
プラズマ砲はくるっと180度回転して後方も撃てるようになっており、劇中でもマーカスとカイル・リースが乗ったトラックを追跡する際、プラズマ砲を何発も発射しています。
新機種のほうは前方の赤い目玉(カメラ)が縦に2つ、付いています。
こちらも旧機種同様、バイクにつきバランスが取れるよう、左右対称の装備になっています。
【 PLASMA CHARGE 99.999% 】
プラズマ砲は1度撃つと、チャージするのに少し時間がかかるようで、「チャージ中」を示す「PLASMA CHARGE 99.999%」といったメモリが画面に表示されていました。
T-800より上機種?
不思議なのは、T-800のほうが後継で最新機種のはずなのですが、このモト・ターミネーターのサイトのほうがT-800よりもバージョンが新しいように見える点。T-800のビジョンは赤に黒ですが、モト・ターミネーターのほうがアナライズ画面の画素数が細かく、カラーに近い形で鮮明に対象を描写しており、処理速度も速そうです。
役割
このモト・ターミネーター、まさに白バイのように、ふだんは主に路上のパトロールに従事しています。視覚だけでなく聴覚も優れており、映画の中でも路上をパトロール中、ジョン・コナーが鳴らしたラジカセの音にすぐ反応していました。路上の単独パトロールの他にも、巨大ターミネーターのハーヴェスターの足の部分にも格納されており、いざとなるとハーヴェスターから分離して出動し、小回りや俊敏性に欠けるハーヴェスターの短所を補う役割を果たしていました。
最後に
ソニー VAIO-UX
モトターミネーターをジョン・コナーが捕獲しハッキングする際、SONYのVAIO-UX が使われていました。このシーン、「ターミネーター2」で子どものジョン・コナーが銀行ATMを Atari Portfolio でハッキングして現金をチョロまかすシーンのオマージュのようでもあり、また未来において、T-800を捕獲してリプログラムして過去に送る伏線にもなっていて、なかなか感慨深いものがあります。
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