地上波で「ターミネーター3(T3)」(原題:Terminator 3: Rise of the Machines)が再放送されるたびに、T-Xこと Terminatrix を演じた女優クリスターナ・ローケンに関連して、「クリスターナ・ローケン ヌード 写真」やら「クリスタナ・ローケン ヌード 動画」「裸」といったキーワード検索が急増します。
このことからもT3の視聴者の興味はどこにあるのか、T3という映画が何で持っていたか、がうかがえます。
T3については、ジョン・コナーがアレで、ケイト・ブリュースターもアレで、シュワちゃんもひたすらギャグに走るばかりのセルフパロディ・コメディ・アクション・ムービーで、結局のところ、T3の売上や評価の大半は「クリスタナ・ローケンのお色気」で持っていたのでしょう。
T-X【ターミネーター展】
さて、こちらのターミネーター展(T展)には、ターミネーター3に登場した、T-Xのエンドスケルトンも展示されていました。ターミネーターの型としてメジャーなT-800の等身大は、いろいろなイベントやテーマパークで展示されているので珍しくありませんが、T-Xの等身大パネルはなかなか見かけることはなく、T-Xを見れただけでも「ターミネーター展」に行った価値はあったかもしれません。
T-X(1/4スケール)フィギア
「ターミネーター展」の館内・展示会場の入口を入ってすぐ、まずはT-Xの1/4スケール(50cmぐらい)の精巧なフィギアがお出迎え。おそらく市販されているものと同じものと思われます。
T-X(等身大)
展示場中央には実物大のT-Xが見下ろしています。T-Xを演じる、女優兼モデルのクリスタナ・ローケン(Kristanna Loken)に確実にフィットするように、骨格はコンピューターでデザインされたそうです。クリスタナ・ローケンの身長が180cmなので、このエンドスケルトンもほぼ180cmということになります。
他のターミネーターとの決定的な違いは、右手内部に飛び道具(プラズマ砲や火炎放射器など)が埋め込まれていること。
「未来から武器は持ち込めない」というターミネーター作品の不文律を破ってしまっていますが。
T-Xの背中
コンピューターで女性をイメージしながら設計されたため、最終的には、腕の先以外は綺麗な左右対称に、そして極めて女性的な流線形となったそうです。
そして、他のエンドスケルトン・ロボット(T-600~T-800型など)と区別するために、メタルに黒いメッキが施されているのもT-Xならでは特徴の一つ。
T-Xの胸部・腹部・腰部
このくびれがたまらない人もいるとかいないとか・・・
T-Xの左手。かなり繊細な作りです。
この左手はナノテクノロジー・トランスジェクターが内蔵されており、指先はデータが転送できるポイント・ドリルが仕込まれていて、他のコンピューターやターミネーターをハッキングしてコントロールできるようになっています(という映画の中の設定)。
劇中では車に追いつく速さのT-Xの足・ふくろはぎ
マネキンのようなT-Xの前足。T600-T800系などと違って足に指はありません。
足のサイズは30cmくらい。ナイキのシューズに似たようなデザインのがありそうですが。
ロボコップやC-3POの足にも似ています。
ただ、展示されているターミネーターのエンドスケルトン群の中では、このT-Xが一番バランスが悪そうで、かつ作りが繊細で壊れやすそうでした。あまり戦闘には向いていないように感じられました。
実際、映画の中でも、序盤のほうで早々に右手が故障し、その後もプラズマ砲が破損していました。機械はパーツが増えるほど故障しやすくなるというのは、T-Xも例外ではなかったようです。
目が青い
その他のT-Xの特徴としては、「目が青い」という点が挙げられます。T-800~T-850系はすべて目が赤でした。 唯一、「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」のこのキャメロン・フィリップス(TOK715)は、目を青または赤、どちらにも点灯できるようになっていました。ちなみにTOK715の目の青と赤の色の違いは、サーチ・モードの時は青、戦闘モードの時は赤、とアメリカでのコミコンの際、製作者から目の設定の秘密が明かされていました。T-Xのセリフの工夫
エンドスケルトンの特徴だけでなく、T-Xは劇中、いろいろな工夫がなされていました。目の瞬きの回数
例えば、目を見開いた状態にする(目の瞬きを極力しない)、ということでターミネーター感を演出していました。厳密にいえば、まったく瞬きをしてなくもないのですが、注意してみると、クリスターナ・ローケンはかなり瞬きをしないように演技していることがわかります。この「目の瞬きを極力しない」という演技は、「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」でのキャメロンTOK715(サマー・グロー)にも引き継がれています。
セリフまわしでも女性を演出
モノを奪う際、シュワちゃんT-800が、"Your clothes, give them to me."(T1)や、"I need your clothes・・・"(T2)など、give や need を多用しているのに対して、T-Xは、"I like this car."(この車が好き。)や、 "I like your gun."(あなたの銃が好き。)と、give や need を like に変えて、女っぽさを演出しています。その他、指をさす仕草や舌で舐める仕草、トイレでのバトルシーンで、一瞬、鏡の自分の身だしなみを確認する仕草を入れたりと、随所に「女型」T-Xならではの工夫がなされています。
逆に言うと、ポリコレ・トランスジェンダー嵐が吹き荒れる現代では、T-Xのような女性強調型キャラクターは、二度と観ることができなくなった貴重な存在とも言えます。
T-Xの欠点・弱点
1.骨格
T-Xの欠点は、やはり骨格を持ってしまったことではないでしょうか。骨格を持ってしまったばかりに最期はT-850に掴まれて逃げられず、御用となってしまいました。これが全身液体金属のT-1000だったらスルリと逃げられたことでしょう。また、骨格を持ってしまったばかりに、外側に液体金属があったとしても、その骨格以下のサイズに擬態できない(つまり180cm以下の人間に擬態できない)、骨格から外れた形にも擬態・変身できない(T-1000のように床と同化できない等)、というデメリットも発生します。 実際、撮影中にこのT-Xの限界(弱点)をさらすようなことがありました。ケイトの婚約者の俳優(マーク・ファミグリエッティ)はT-Xよりも10cm以上身長が低く、CG(VFX)でT-Xに変身するシーンで、厚底靴(シークレットブーツ)を吐いて、身長の帳尻合わせをしなければなりませんでした。
つまり、本来は、T-Xは自分より小さなケイトの婚約者には正確には擬態できなかった、ということになります。
2.繊細すぎて壊れやすい
前述のように繊細な作りで壊れやすく、映画の中でも故障シーンが複数回ありました。ネット上にはT-Xについて「2032年に開発された初の対ターミネーター用ターミネーター」とか、「ン億種類の武器を内蔵」といったうたい文句が散見されますが、本当に強いのなら、そんなに多くの武器を内蔵する必要もないはずです。
結局、T-Xのプラズマ砲をまともに当ててもT-850を完全に破壊することもできず、とても「対ターミネーター用ターミネーター」という感じではありませんでした。
パワー強調より、むしろスパイのような、繊細で知能犯的な部分を強調していったほうがよかったように感じられます。
3.液体金属部分を分離稼働できない
T-Xは金属の骨格の表面を液体金属で覆っていますが、不思議なことに、T-Xに関しては、その液体金属は、骨格と分離して稼働することはできないようです。最期のシーンでT-Xの顔部分には液体金属は残っており、その液体金属を分離してジョン・コナーを追いかければよかったのに、それはしませんでした。「ターミネーター・ジェニシス」のT-1000や「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」のT-1001は、液体金属を分離して稼働させていたのに、T-Xの液体金属部分に関しては、T-1000よりもレベルダウンしているようです。
もちろん、T-Xは愛嬌あるキャラクターとしては楽しめましたし、ターミネーター3において、唯一、作品に花をそえたものだったように思います。
クリスタナ・ローケンのヌードシーンが話題に。