ジョン・コナーの犯罪履歴とパトカー端末

ターミネーター

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ジョンコナーの犯罪履歴

こちらは映画『ターミネーター2』(Terminator 2: Judgment Day、T2)にて、警察のパトカー搭載のモバイルデータ端末に表示された、1994年時10歳までのジョン・コナーの犯罪歴(逮捕歴)。
ARREST RECORD: J 66455705

415 PC: TRESPASS DR 91-17530
484 PC: SHOPLIFT DR 92-20008
415 PC: DIST. PEACE DR 92-17111
594 PC: VANDALISM DR 93-12986
602 WIC

ジョン・コナーの犯罪歴(逮捕歴)の解説

画面一番右側の「DR 91-17530」というのは、おそらく事件ファイル番号で、91-,92-,93-というのは、1991年、1992年、1993年と年数を表しているものと思われます。(T2の舞台は1994年。)

つまり、

  • 1991年、6歳の時に TRESPASS(不法侵入)で逮捕、
  • 1992年、7歳の時に SHOPLIFT(万引き/窃盗)で逮捕、
  • 1992年、7歳の時に DIST. PEACE(治安妨害/迷惑防止条例違反)でも逮捕、
  • 1993年、8歳の時に VANDALISM(破壊行為)で逮捕

ということになります。

DIST. PEACE というのは Disturbing the Peaceの略で「平和を邪魔した」、つまり「治安妨害/迷惑防止条例違反」に当たります。

602 WIC とは、Welfare and Institutions Code 602 のことで、少年裁判所の管轄(日本でいうところの家庭裁判所管轄/保護観察処分)という意味です。

また、各項目の先頭についている 415 PCPCというのは、Penal Code (刑法)の略で、415 PC は、Penal Code, Section 415 (カリフォルニア州 刑法415条)ということを表しています。484 PC は刑法484条違反、という意味です。

10歳に至るまでに、すでに数々の「輝かしい」犯罪歴ですが、映画の中でも白昼堂々、"Easy money!(ちょろいね!)"とATMからお金をくすねる、という、まだ警察が把握していない犯罪の上積みをしている有様で、この端末に登録されている犯歴は氷山の一角であることがうかがえます。

「救世主」への伏線・前フリ

しかし、これらの犯罪スキルと素養はすべて「ターミネーターをくすねて(捕獲して)ハッキング(再プログラム)して破壊活動にいそしむ」など、未来での対スカイネット戦において、いかんなく発揮されることになり、未来での「救世主誕生」の伏線となっています。

例えば、「ターミネーター4(サルベーション)」では、ジョンコナーは、このT2のATMのシーンのデジャヴのごとく、
  1. モトターミネーターをハッキング(SONYのVAIOを使用)して乗車(窃盗)。
  2. その後、スカイネットの基地に「不法侵入」して「治安妨害」した上で、
  3. 今度はターミネーターのパワーセル(動力源)を失敬して基地を爆破(破壊行為)する、
という、この10歳までの犯罪歴の集大成を成し遂げています。

犯罪履歴に連動したジョン・コナーのTシャツ

ちなみにT2でジョン・コナーが着ていたTシャツも、この犯罪履歴に連携するような衣装になっていました。

関連記事

端末はDIGICOM MDT-870

上のジョン・コナーの犯罪歴を表示したコンピューター端末について、ネット上に、

ターミネーター2でターミネーターT-1000が、パトカーに積まれているパソコンみたいな物で、ジョン・コナーの情報を調べるシーンがあるのですが、あのパトカーに積んである機械は何ですか?

といった類の質問があり、適切な回答がなされていなかったので、ここに記しておきます。

あの機械はPOLICE MOBILE DATA TERMINAL (パトカー搭載用の警察のモバイルデータ端末)で、衛星通信を通じて、警察のデータベースにアクセスできるコンピューターです。現場にいる警察官が、該当者のデータ照合などに利用します。
digicom mdt-870
T-1000が触っていた端末は、メーカーはDIGICOM(デジコム)、機種は MDT-870 です。

1991年当時なので、もちろん今時のラップトップ(ノートパソコン)のようなものではなく、飲食店やスーパーに置いてあるレジ(レジスター)に近いような形状と厚みで、電力などが有線なので持ち運びはできず、あくまでパトカー固定での使用限定です。

このDIGICOM MDT-870は、もちろん今では現役を退き、アメリカのネットオークションで中古品が出回っているのを見かける程度ですが、実用面では用途がなく、当時を偲ぶマニア向けの代物となっています。

1990年代に最新だったものの、それ以降に生まれた人にとっては、未知の謎の物体に見えてしまうのかもしれません。

ちなみにこのパトカー端末で、ジョンコナーの犯罪歴が映し出されるシーンが撮影された場所は、以下の橋の下です。いわゆる「T-1000の聖地」でもあり、ターミネーターでも3作品に登場した有名なロケ地です。



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