2パターンある、子供時代のカイル・リースとデレク・リースが公園で野球をやっているシーン。(「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」シーズン1第9話「誕生日/What He Beheld」)
1つはシーズン1第9話 冒頭の「審判の日」のシーン。もう1つは同じく第9話の後半「ハッピーバースデー、ジョン」のシーン。実はどちらも同じロケ地(ワーナーブラザーズ ランチ・ファシリティーズ)で撮影されています。
公園1 審判の日
Film Location
- Warner Bros. Ranch Facilities(ワーナーブラザーズ ランチ・ファシリティーズ)
- 411 N Hollywood Way, Burbank, CA 91505 U.S.A.
- 座標: 34°09'26.4"N 118°20'38.0"W
34.157340, -118.343898
後ろの教会のような建物が印象的なこのシーン。公園というか、民家の庭先ですが、カイルとデレク・リースの兄弟2人が野球をやってると、上空を轟音を立てて何かが飛んでいきます。
カイル・リースはそれを見て「花火だ!」と叫びますが、それはスカイネットが放った核ミサイルでした。
日時は2011年4月19日
「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」における「審判の日」は、キャメロンいわく「2011年4月19日」とのことなので、この2人が野球をやっているシーンは「2011年4月19日」ということになります。(下のシーンの3年後ということになります。)デレクもカイルも3年分、成長しているということで、下のシーンとは別の俳優さん(子役)が、それぞれを演じています。
このシーンの直後、デレクはカイルを連れて地下壕へ逃げ込み、地下壕生活が始まりました。その地下壕は第二次世界大戦の際にロサンゼルス各地に掘られていたもの(という設定)で、デレクとカイルは野球以外にも以前からその地下壕で遊ぶことがあり、地下壕の知識は元々あったようです。
「リーサル・ウェポン」の家
2人が庭先で野球をしているこの家は、メル・ギブソン主演の映画『リーサル・ウェポン』(Lethal Weapon)シリーズのロジャー・マータフ(ダニー・グローヴァー)刑事の家として撮影に使われたことでも有名です。『リーサル・ウェポン2』ではトイレに仕掛けられた爆弾で爆発し、『リーサル・ウェポン4』ではジェットリー演じる敵役に火をつけられ全焼した家です。
その後、リノベーションされ、基本的な家屋の形は以前と同じですが、向かって右側に三角屋根と丸窓が付けられ、それが上のシーンにも映っています。
公園2 ジョンの誕生日
Film Location
- Warner Bros. Ranch Facilities(ワーナーブラザーズ ランチ・ファシリティーズ)
- 411 N Hollywood Way, Burbank, CA 91505 U.S.A.
- 座標: 34°09'29.6"N 118°20'39.2"W
34.158208, -118.344207
もう1つのシーンが、デレク・リースがジョン・コナーを、ジョンへの誕生日プレゼント代わりに、幼き日のカイル・リース(ジョンの父)に引き合わせに来るシーン。
上のシーンよりもさらに若いカイル・リースとデレク・リースが公園の中央部で野球をやっています。デレク・リースが「ハッピーバースデー、ジョン。」と言うシーンは感動的でした。
日時は2008年2月28日
「ターミネーター2(T2)」でのジョンコナーの誕生日が1985年2月28日なので、それを引き継ぐならば、このシーンはおそらく2008年2月28日という設定になります。(「サラ・コナー・クロニクルズ」では1997年9月10日から2007年9月10日に、ジョン、キャメロン、サラ・コナーがタイムスリップして来ており、タイムスリップ後の最初の誕生日が2008年2月28日になるため。)これから3歳年をとったカイルとデレク・リースの野球のシーンが、最上部の審判の日のシーン、ということになります。
実はFBIプールの隣り
実はこの2つの野球の練習のシーンのロケ地は、同じくシーズン1第9話の、FBIのSWAT部隊がプールに次々と投げ込まれるシーンが撮影されたロケ地のすぐ隣りになります。(上空から見たWarner Bros. Ranch Facilities)
- 上の1の野球のシーン(2011年4月19日)「審判の日」が撮影された場所
- 上の2の野球のシーン(2008年2月28日「ジョンの誕生日」)が撮影された場所
- クロマティにFBIのSWAT部隊がプールに投げ込まれるシーンが撮影された場所
このシーンの解説
T2へのオマージュ
公園で遊んでいる時に核ミサイルが飛んでくる、というのは、T2のサラ・コナーの夢のシーンと同じ設定で、T2へのオマージュとなっています。一番、無垢で平和的なシーンで、核を持ち出すことで、より破壊(惨劇)を強調するという効果を期待する演出かと思われます。
初めてカイル・リースの子ども時代が登場
カイル・リースの未来のシーンは「ターミネーター1」でも描かれていましたが、この「サラ・コナー・クロニクルズ」の第9話で、ターミネーター・シリーズで初めて、カイル・リースの子ども時代が描かれました。審判の日のほうの2人を演じたのは、
- Ryan Kelley・・・15歳のデレク・リース
- Skyler Gisondo・・・8歳のカイル・リース
その後、「ターミネーター・ジェニシス」でもカイル・リースの子ども時代が登場しますが、ジェニシスのほうは、未来のカイル・リース本人やサラコナーが、子どもカイル・リースにあまりに直接的に関わり過ぎるので、タイムラインに与える影響が心配されます。
パクリが相次ぐ
この公園の「ハッピーバースデー、ジョン」のシーンはTV放送時、好評を博し、「サラ・コナー・クロニクルズ」における名シーンの1つとなりました。今現在もこのシーンだけ切り取ったものを、動画サイトなどで複数、見かけます。この「幼い頃の●●に会いに行く」という涙腺刺激系シーンはその後のターミネーター・シリーズのトレンドになり、受け継がれて(パクられて)いきました。
例えば、「ターミネーター・ジェニシス」では、サラとカイル・リースが幼き頃のカイル・リースに会いに行きますし、「ターミネーター・ニューフェイト(Dark Fate)」でも、エンディングでダニーとサラコナーが、公園で遊ぶ幼き頃のグレースに会いに行くシーンが採用されています。特に後者のほうは「サラ・コナー・クロニクルズ」のこの公園で遊んでいるシーンにそっくりでした。
このシーン以外でも、例えば「サラ・コナー・クロニクルズ」でタイムトラベルで道路に到着するシーンが、「ジェニシス」や「ニューフェイト」にて模倣されています。
→詳細:T名物タイムトラベル到着地点が道路の元祖
また、複数の核ミサイルが上空を飛んでいくのを見上げるシーンは、「ターミネーター3」の同様のシーンと併せて、動画サイトなどでよく使われています。
カイルとデレク・リース兄弟、同じ墓地に眠る
幼き頃、よくキャッチボールをして遊んでいたリース兄弟。過去へ飛んで行方不明となった弟と、それを追いかけて未来からやってきた兄が、終盤(第21話)にて、ようやく同じ墓地に眠る・・・という粋な構成に「サラ・コナー・クロニクルズ」はなっています。#Terminator Sarah Connor Chronicles Derek Kyle Reese brothers playing baseball park