T名物タイムトラベル到着地点が道路の元祖

サラコナークロニクルズ ロケ地

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タイムトラベラー到着地点注意
ターミネーター・シリーズでは、いつしかタイムトラベルの到着地点が道路・・・というのが1つの名物になりました。

  • 「ジェニシス」ではサラ・コナーとカイル・リースが道路の真ん中に到着し、車に引かれそうになります
  • 「ニューフェイト」でもグレースが道路にのめり込むように到着し、なぜか瞬間移動的に駆けつけることができるサラ・コナーが運転する車が引きそうになる謎(矛盾)のシーンがあります
    →詳細:サラ・コナーの疑問点(ターミネーター:ニュー・フェイト)

そんな後続作品に影響を与えた(後続作品にパクられた)「タイムトラベルの到着地点が道路」の元祖が「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」です。
タイムトラベル道路到着の比較画像
第1話で、サラ・コナーとジョン・コナー、キャメロンの3人が、2007年の高速道路の真ん中にタイムトラベルで到着し、車に引かれそうになります。

その道路のロケ地は以下の場所です。

ちなみに、このロケ地がここであると解明しているネット上の情報は、海外含め、ありません。

タイムトラベル到着地点(1999年→2007年)

Film Location - Arrival Point

サラ・コナー・クロニクルズのタイムトラベル到着地点
  • "The Big I" the freeway interchange (Interstate 25 and Interstate 40) Albuquerque, New Mexico
  • E Frontage Rd, Albuquerque, NM (near Mount Calvary Cemetery)
  • 座標:35.10432225677475, -106.63382098193279

設定はロサンゼルス、ロケ地はアルバカーキ

ストーリー上は、1999年に、ロサンゼルスにある こちらの貸金庫型タイムマシーンの銀行(Security Trust of Los Angeles)からタイムトラベルして、2007年の このロサンゼルスのフリーウェイ(高速道路)に到着した、ということになっています。
(銀行がタイムトラベルの爆発によって破壊され、その跡地が高速道路になった、ということになっています。)

実際のロケ地は上記のアルバカーキのインターチェンジ「Big I(ビッグ・アイ)」ですが、映像上はロサンゼルスに見えるように、いろいろ細工をしてあります。例えば、到着時、裸のサラ・コナーの背後には、ロサンゼルスのフリーウェイ(インターステート)5号線のフェイクの道路標識を画面にわざと大きく映し出しています。

トヨタ・プリウスの理由

この時、サラ、ジョン、キャメロン3人を引きそうになって止まった車がトヨタ・プリウス(Toyota PriusⅡ-NHW20-2004年型)です。この車種には理由があって、DVD巻末付録の製作者の解説によると、
一番、2007年に来たことを感じさせる 現代を代表する車として、ハイブリット・カーのプリウスを登場させた。
とのことです。

クロマティ発見の伏線

そのトヨタ・プリウスに乗っていた少年がこの時、携帯でサラ・コナーらを撮影した映像が、のちのターミネーター・クロマティ発見の伏線となっています。キャメロンが後にこの映像を解析し、サラコナーら3人の後方に、クロマティの頭部(エンドスカル)が映っていることを発見します。

Film Location - Running down scene

ターミネーター高速道路のロケ地
  • "The Big I" the freeway interchange (Interstate 25 and Interstate 40) Albuquerque, New Mexico
  • Coronado Fwy(159B) to E Frontage Rd, Albuquerque, NM (near Mount Calvary Cemetery)
  • 座標:35.104275603937594, -106.63350462826807

タイムトラベルで到着した道路から3人が駆け降りるシーンも、上述のタイムトラベル到着地点のロケ地のすぐ脇ですが、1つ違う点は、到着した E Frontage Rd からそのまま降りたのではなく、その隣の道路 Coronado Fwy(159B) から、 E Frontage Rd へ駆け降りるような形で撮影されていました。

赤土の壁

アルバカーキ名物の赤土で作られた高速道路のコンクリート素材や、壁に描かれた、アルバカーキの山々のデザインが印象的です。アルバカーキの住宅も同じ赤土で作られた家屋が多く、砂漠地帯の環境に溶け込むような住居設計になっています。

Film Location - 2007 signs and L.A. skyscrapers

ロサンゼルス摩天楼ロケ地
  • "The Big I" the freeway interchange (Interstate 25 and Interstate 40) Albuquerque, New Mexico
  • E Frontage Rd, Albuquerque, NM (near Mount Calvary Cemetery)
  • 座標:35.104207501855, -106.63322675108822

2007年に到着したことを告げる道路工事案内板と、ロサンゼルスであることを告げる、着替えるジョン・コナーの背景に映っているロサンゼルス摩天楼のシーンも、上記のタイムトラベル到着地点および3人が裸で駆け降りたロケ地とほぼ同じ所で撮影されていました。

ロサンゼルス摩天楼は合成(VFX)

おもしろいのが、ジョン・コナーが眺めているロサンゼルスの摩天楼(ダウンタウンの高層ビル群)が、すべてCG(VFX)であるという点です。撮影地アルバカーキをロサンゼルスに見せるマジックが施されていました。ちなみに背景にロサンゼルスの摩天楼をCG合成する手法は、以下のシーンでも用いられていました。


こうしてみると「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」は、何気ないシーンに、意外と手間とお金を掛けていることがわかります。

このタイムトラベル到着に関する見所・解説

ロサンゼルスではない「寒さ」が画面から伝わってくる

なぜこのロケ地がわかったか?というと、路上に立っているこのサラ、ジョン、キャメロンの3人から、ロサンゼルスにしてはありえないほどの「寒さ」を感じたからです。3人の吐く息が異常に白いことと、特に女性2名(レナ・ヘディとサマー・グロー)の肌の紅潮具合が、演技やメイクでは表現できないような赤らみで、半端ない寒さであることを示唆しており、これはロサンゼルスの気候ではないな、と思い始めるに至りました。

ロサンゼルスでなければ、第1話の冒頭のほうはアルバカーキで撮影していたことは知られているので、この「ロサンゼルスの道路」シーンも、アルバカーキのどこかで撮影されたのだろう、と見当が付きます。この3人が醸し出している「寒さ」と周囲の津々とした空気感は、砂漠地帯のアルバカーキの気候に一致します。

この道路シーンの撮影時は、薄着でやるには相当寒く、タフな撮影だったはずで、その苦労が画面を通して伝わってきます。

他のターミネーターにはないアクション

タイムトラベル到着早々、裸のつられて近づいてきた若者3人から服を奪うキャメロンですが、他のターミネーターが見せないハイキックなど柔軟性を駆使したアクションを披露します。頭より高い位置まで180度以上開脚しての後ろハイキックなど、クラシック・バレエで培ったサマー・グローの身体能力をいかした動きが組み込まれています。
史上初・女型ターミネーター同士の戦い@シャーマン医師のオフィスでも、サマー・グローの特徴をいかした、柔軟能力対決のバトルが展開します。

そんなサマー・グローがターミネーター役に抜擢された理由の1つが、以下の『Serenity(セレニティ)』のRiver Tam(リバー・タム)役で随所に見せた殺陣です。

なぜ2007年にタイムトラベルしたのか?

ネットを見ていると、「サラコナークロニクルズで、なぜサラ、ジョン、キャメロンの3人はちょっとだけ未来にタイムスリップしたんですか?」との質問が放置されていたりしますが、この答えは、タイムスリップする前後(専ら第1話と2話)にキャメロンによって語られています。

1999年から2007年にタイムトラベルした理由は、主に以下の4点です。

  1. スカイネット阻止のため。サラ・コナー・クロニクルズでの「審判の日」は2011年4月21日なので、その前に余裕をもって到着し、スカイネット発生の原因を調べ、阻止するため。“
    The Skynet missile defense system goes online April 19, 2011. Declares war on mankind and triggers a nuclear apocalypse two days later. ”
    (2011年4月19日にスカイネットのミサイル防衛システムがオンになり、その2日後に人類に戦線布告、核ミサイルを発射した。
    とキャメロンがサラ・コナーにシーズン1第1話で説明し、その後金庫内でタイムトラベルする直前に、「スカイネットから逃げるのではなく戦いなさい、阻止するのよ。」とキャメロンがサラに決断をうながすシーンもあります。

  2. ジョン・コナーを「より安全な場所」へ移動させるため。これもタイムトラベル後にキャメロンにより述べられていますが、1999年からタイムトラベルして消息不明になれば、誰もジョン・コナーのことを知らなくなるので、安全だ、と語られています。実際、クロマティ以外、ジョン・コナーを標的にしたターミネーターはその後は登場しません。

  3. サラ・コナーの癌の克服、延命のため。サラコナーいわく、
    Cameron said when we jumped eight years through time, we jumped over my death.
    (時空を越えた時、死も超えたとキャメロンに言われた。)
    とシーズン2第20話で言っています。これらの意味については、こちらサラ・コナーの癌(ガン)克服物語(Hope of Isotope)にまとめてあります。

  4. 撮影上の理由のため。2007年の現代(撮影当時)に舞台を移行すれば、ロケ地をいちいち1999年風に変えなくてもよいから。携帯電話の使用という点だけでも、1999年と2007年ではかなり環境が違います。サラ・コナー・クロニクルズでは携帯電話の機能を駆使するシーンが多くあります。
    ※同じような理由で「ターミネーター・ジェニシス」も1984年から2017年にタイムトラベルします。

なぜタイムトラベル到着は夜が多いのか?

タイムトラベルが夜に到着する理由
ターミネーター・シリーズ全作品において、タイムトラベル到着シーンは、ほとんどが「夜」です。シュワちゃんターミネーター(T-800×2、T-850)も、T-1000も、T-Xも、カイル・リースも、グレースも、ほぼみんな夜に到着します。
(例外として、夕方頃に到着したウェルズ→詳細:未来からタイムトラベルで負傷兵が到着した路地と、建物の中庭に到着したRev-9がいますが、いずれも少し薄暗い場所でした。)

なぜ夜または暗い場所ばかりにタイムトラベルは到着するのかというと、

  1. 暗いほうがタイムトラベルの光の球体が映える
  2. 暗い方が裸のアソコ(前張りなど)を見えにくくしやすい

といった理由によるものと思われます。

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