スタローンとシュワちゃん競合時代の面影

ターミネーター 洋画

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スタローンとシュワルツェネッガー
シルベスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーが張り合っていた1980年代~1990年代。

それを象徴するような映画のポスターがこの2つ。1984年の「ターミネーター」と1986年の「コブラ」。

ポスター・デザインまで張り合う

見ての通り、パロディかと思えるくらい、デザイン構成がそっくりです。

共通点1

  • 銃を右手に持ち
  • その銃はレーザーサイト付
  • レーザー光線
  • 黒と赤の背景
  • サングラス
  • 胸をはだけ胸元アピール
  • 主演俳優の苗字+映画タイトルの構成
  • 映画の内容も1980年代に流行ったホラー調、ロサンゼルスを舞台に女性を守る物語

スタローンのほうが先に「ロッキー」シリーズ(1976年~)で知名度が上がっていたので、ポスターでの説明は少なめ。

一方、シュワルツェネッガーのほうは、1982年の「コナン・ザ・グレート」などのコナン・シリーズには出ていたものの、1984年の「ターミネーター」の時点では、まだほとんど無名ということで、ターミネーターのほうが、説明書きが長くなっている、という特徴があります。

共通点2(トリビア)

この「ターミネーター」と「コブラ」の両方の映画に出演していた俳優さんがいます。

「ターミネーター」のグリフィス天文台で、シュワちゃんT-800に服を奪われたパンクのチンピラ3人組の1人を演じたBrian Thompson(ブライアン・トンプソン)が、「コブラ」ではスタローンと対峙する主犯役を演じています。

女優の取り合い(競演合戦)

スタローンとシュワちゃんは、映画の内容だけでなく、共演する女優も競合していました。

ブリジット・ニールセン

シュワちゃんが映画「レッド・ソニア」(1985年)でブリジット・ニールセン(Brigitte Nielsen)と共演したかと思えば、すぐにスタローンが「ロッキー4」(1985年)にブリジット・ニールセンを抜擢し、「コブラ」(1986年)でもヒロインとして出演させ、私生活でも結婚(しかしすぐに離婚)。

シャロン・ストーン

シュワちゃんが「トータル・リコール」(1990年)でシャロン・ストーン(Sharon Stone)と共演すると、またもやスタローンが「スペシャリスト」(1994年)でシャロン・ストーンをヒロインにして共演したり・・・と、共演女優のダブりも多かった印象があります。

銃火器の競合

M60 E3 の半裸手巻き撃ち

上のレーザーサイトにも通じるものがありますが、アイコニックな銃火器もダブルものがあります。

アメリカにて1985年5月に公開された「ランボー2/怒りの脱出」で、スタローンがマシンガンM60 E3 を、半裸で弾を手に巻いて撃ちまくる独特のスタイルで使用したかと思えば、シュワちゃんも同年10月に米国公開された映画「コマンドー」で、同じように半裸で弾を手に巻いてM60 E3を撃ちまくる、という酷似シーンがありました。→参考:映像使いまわしでコスパ最強映画「コマンドー」

このマッチョが裸に弾を巻き付けて大きなマシンガンを撃ちまくるスタイルは、その後しばらくいろいろなアクション映画で踏襲される形になりました。

9mmにコンバートしたM1911を使う

あとこれはマニアックすぎる偶然の一致ですが、スタローンもシュワちゃんも、9mmにコンバートしたM1911を使うという共通点も見られました。

スタローンが1986年の「コブラ」にて、M1911A1の標的射撃競技仕様版 Colt Gold Cup National Match(コルト ゴールドカップ ナショナルマッチ)を、45口径ではなく、9mm口径にコンバートして使ったかと思えば、シュワちゃんも1991年の「ターミネーター2」で、Colt Series 70/Detonics 1911を掛け合わせて9mm口径にコンバートした「コルトニクス1911」を使用します。→参考:アスタラビスタ、ベイビーは不可能なターミネーター2(T2:コルトニクスの謎)

45口径をわざわざ9mm口径にコンバートした銃が映画の中で出てくるのはなかなか無く、珍しい偶然の一致と言えます。

筋肉俳優の競合他者

以上、1980年代から90年代にかけて、スタローンとシュワちゃんがいろいろな点で競合していた時代の追憶でした。

これは当時、2人が実際に仲が悪かったとかそういう意味ではなく(実際の当時の仲は、SNSがあったわけでもないので不明、本人たちのみぞ知る・・・といったところですが)、2人の映画がボディビル俳優の筋肉アクション映画ジャンルとして、思いっきり競合他者関係にあったのは事実です。

当時のマスコミは、2人をライバルとみなし、「どこそこのプレミアでニアミスした」「会話を交わした/交わさなかった」とか、「どこそこのジムでバッティングして挨拶をしていた/しなかった」とか、2人の距離感を面白おかしく伝えていたものでした。


# Sylvester Stallone, Arnold Schwarzenegger

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