中国発のウィルス感染症が世界に蔓延する2011年の映画『コンテイジョン』(Contagion)とそっくりな、新型コロナウィルス感染症が猛威を振るう現在の現実世界。
現実が映画を凌駕する日々
映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』(Terminator: Dark Fate)では、ターミネーター・Rev-9が、アフガニスタン帰還兵であることをネタにして、Rev-9: Sorry. Metal hip. Two tours in Afghanistan.
すまない。アフガニスタンに2回出征した際、負傷し、尻に金属プレートが入っている。
(金属探知機のゲートでブザーが鳴ったことに対して)
というセリフを吐き、大目に見てもらうというシーンがあります。
このシーンからもアフガニスタンで従軍することが、アメリカ人にとっていかに過酷であり、米軍がアフガニスタンから撤退する理由の1つがうかがえます。
そしてそのアフガニスタンでも今、映画の中の描写と変わらないシーンが展開しています。
例えば、撤退で離陸しようとする旅客機や米軍輸送機に群がる人々は、映画『ワールド・ウォーZ』(World War Z)のワンシーンそのものでした。 また、その米軍の輸送機の外側にしがみついた人々から、映画『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(原題:Mission: Impossible - Rogue Nation)の、トム・クルーズが軍の輸送機にしがみついて、
Open the door! (オープン・ザ・ドア!)と何度も叫ぶシーンを思い出した人も多かったようで、ニュース動画のコメント欄に、トム・クルーズや「ミッション・インポシブル」の文字が散見されました。 トム・クルーズは自ら輸送機にしがみつくアクションをこなしましたが、もちろん実際は、命綱を付け、目にも特殊なコンタクトレンズを入れるなどしてこの撮影に臨んだのですが、アフガニスタンの人々は、インドで列車の屋根に便乗するような感覚で、輸送機につかまってしまったのでしょう。
元祖「オープンザドア!」映画『ナイト&デイ』
そんな『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』の代名詞ともなったトム・クルーズのセリフ「Open the door! (オープン・ザ・ドア!)」ですが、実はトム・クルーズ、過去の映画でも、まったく同じセリフを同じようなシーンで吐いていたことがあります。それが2010年の映画『ナイト&デイ』(原題: Knight and Day)です。 この映画の中で、トム・クルーズが、キャメロン・ディアスが乗った車のフロント・ガラスにへばりつき、
Open the door! (オープン・ザ・ドア!)と何度も連呼するシーンがあり、それのまるでデジャブだったのが、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』の輸送機のシーンでした。
前作でも「オープン・オール!」
ちなみに『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』の前作である『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(Mission: Impossible – Ghost Protocol、2011年)でも、刑務所のシーンでトム・クルーズは、ベンジーに、Open all!
すべてのドアを開けろ!
とモニター越しに叫んでいます。
ベンジーはイーサン・ハントにとって、「ドア開け係」のようです。
トム・クルーズといえば、トム走り(トム・クルーズの全力疾走シーン)が有名で、主演作にそのシーンがあるかないか?がいつも見所になっていますが、「Open the door! (オープン・ザ・ドア!)」もまだまだ他の映画で叫んでいるかもしれません。
この『ナイト&デイ』は、アクション映画ではあるものの、『ミッション:インポッシブル』シリーズのイーサン・ハントと違って、トム・クルーズが終始スマイルなのが(にやけているのが)特徴で、これまた来日すると毎回、異常なほどハイテンションでファンサービスに明け暮れる「地のトム・クルーズ」に近いキャラクターが楽しめるのが魅力です。