ジョンがカイルに言った「来てくれたよ」の意味

ターミネーター

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カイル・リースのバーコード

映画『ターミネーター4』(Terminator Salvation / T4 / 2009年)にて、ジョン・コナーが、カイル・リースに言ったセリフ「来てくれたよ。」が印象に残った人が多いようです。

ほとんどの人はこのセリフの意味を理解し、ここで感動した人も多かったようですが、中には印象には残ったものの、意味がわからない人もいるようです。

その原因は、前作・・・特に「ターミネーター1」とT4とのつながり具合を理解できていないためです。

例えば、ネット上には以下のような質問があります。

Q.ターミネーター4の終盤、ジョンがカイルに「来てくれたよ」と言ってましたがどう言う意味ですか?

ベストアンサー: 未来のリーダーと認めたのでは、ないでしょうか
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1090706035

となっていますが、このベストアンサーは間違いです。

また、それ以外には、以下のような質問、

映画ターミネーター4について 吹き替えでの劇中のセリフでカイルがジョンに「俺も行く」と言った後「来てくれたよ」と言ってましたが英語版では何と言ってましたか?
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10248241545

というものもあったので、解説していきます。

「もう来てくれたよ。」の意味・背景

「もう来てくれたよ。」のシーン

このセリフが登場するのは、T4の終盤、スカイネットの基地内で、ジョン・コナーがカイル・リースを救出した後のエレベーターのシーンです。英語のセリフは以下の通りです。
JOHN: Run! Star, come on! Let's go! Get in. Come on! We gotta get to the transport.
ジョン・コナー:走れ!スター(女の子の名前)、来い!乗るんだ!(救助が来る)乗り場まで行くんだ。
(カイルとスターを乗せた後、ジョン・コナーは一人、エレベーターを降ります。)

KYLE: Where are you going?
カイル・リース:どこに行くんだ?

JOHN: I gotta end this.
ジョン・コナー:ここを終わらせる(破壊する)んだ。

KYLE: No, no. I'm not gonna leave you!
いや、残してはいけない/放ってはいけないよ(=俺も行く)!

JOHN: You didn't.
ジョン・コナー:もう来てくれたよ。

KYLE:Who are you?
カイル・リース:あんたの名前は?

JOHN:John Connor.
ジョン・コナーだ。

省略形・過去形の英語原文

以上の通り、「来てくれたよ。」の英文は、
You didn't.
となっています。直訳すると「あなたは しなかった。」と否定形で「ん?」となりますが、これは、前のカイル・リースのセリフ"I'm not gonna leave you! "を受けて、

You didn'tleave me).

"leave me" を略したセリフとなっています。

You didn't(leave me).・・・あなたは私を放ってはおかなかった(見捨てはしなかった)。

という意味で、You will not. という未来形ではなく、過去形で言っているのがミソで、明らかに過去の出来事について、ジョン・コナーは言及しています。

つまり、1984年にカイル・リースが、サラ・コナーを助けに来てくれたこと(結果、それから産まれるジョン・コナーも助けてくれたこと)という映画『ターミネーター1』の出来事について、ジョン・コナーは感謝の意を、父親カイル・リースに伝えたわけです。

この辺りを理解している人(特に男性、父親?)は、T4のこのシーンにグッと来た人が多いようで、ネット上では以下のように、このセリフに言及している人が多いです。
"来てくれた"に込められた父への思い
https://movies.yahoo.co.jp/movie/331380/review/1209/

未来を描いた待望の名作
...特に感動するシーンはジョンコナーがカイルに向かって「もう助けに来てくれた」と言うシーン。
https://www.amazon.co.jp/gp/aw/review/B0039QM80C/R3CVD4BCKYZKK4/ref=cm_cr_lh_d_rvw_1?ie=UTF8

カイル・リースの名前がリストにあった理由

その他、T4に関してよく見かける質問が、
カイル・リースの名前がスカイネットの暗殺リストに載っているのはなぜ?矛盾してますよね?
というものですが、T4において、「カイル・リースの名前がスカイネットの暗殺リストに載っている」ことはまったく矛盾していません。

T4はT1・T2の延長線上(同じ時間軸上)の出来事

なぜなら、T4はT1・T2の延長線上(同じ時間軸上)の出来事として描かれているからです。

T1、T2の出来事の発生によって、この時間軸では、カイル・リースという人物がジョン・コナーの父親になった・・・ということが知れ渡ってしまったので、T4においてスカイネットもカイル・リースをマークすることになったのです。カイル・リースという名前や起こした事件は、T1の警察署での取り調べ記録などにも残っていますので、その延長線上の未来のスカイネットも知ることができます。

ターミネーターは「パラレルワールド」

ではなぜ、T1において、最初からカイル・リースが未来でねらわれなかったのか?(なぜカイル・リースではなくサラ・コナーが狙われたのか?)というと、ターミネーターは「パラレルワールド」だからです。

パラレルワールド(並行世界)とは、過去~未来で同じことが何度も繰り返されるのではなく、前の時間軸とは変わっていく(違うものになる)という並行する別世界(別時間軸)という概念です。

T1が起きる前の時間軸と、T1が起きた後の時間軸(=T4の時間軸)は違うので、T1が起きる時点では、スカイネットもカイル・リースがジョン・コナーの父親だとは知らなかった(もしくはカイル・リースが父親ではなかった)からです。
→関連記事:カイル・リースと来た別の兵士(ターミネーター1脚本)

そのため、T4の映画の中でも、ジョン・コナーが「母親(サラ・コナー)が語っていた未来と何かが違う。」としきりに言い、カセットテープでサラ・コナーの音声を聴き直すシーンまでもあります。サラ・コナーが語っていた未来というのは「T1が起きる前のカイル・リースが語った未来」であり、T1が起きたことで、その未来も変わってしまったのです。つまり、パラレルワールド仕様ということになります。

さらにターミネーター映画にて、サラ・コナーがまず狙われたのには、サラ・コナー特有の「性質」が大きく関係します。
→詳細:ターミネーター2発祥の地T1【フォールズ・カフェ】

以上、T4に関してFAQを2つ、まとめてみました。



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