宿泊できるスタローン・コブラの部屋

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スタローン・コブラの部屋

下の写真は、映画『コブラ』(Cobra、1986年)にて、シルヴェスター・スタローン演じる主人公のマリオン・コブレッティ刑事が住んでいた建物。

スタローン・コブラの家
この建物の最上階(屋上)の角部屋(矢印部分)に“コブラ”ことマリオン・コブレッティ刑事は住んでいました。

帰宅早々、ピザを冷蔵庫から出し、暖めずにハサミで切ってそのまま食べたり、銃(Colt Gold Cup National Match 9㎜ Custom)のメンテナンスをするシーンで有名です。

そのアパートの所在地がこちら。

Cobra's Apartment

The Venice V Hotel

  • The Venice V Hotel(previous...The Waldorf Apartments)
  • 5 Westminster Ave Venice, CA 90291 U.S.A.
  • 座標:33.98864958264766, -118.47503319211226
  • https://venicevhotel.com/
  • スタローン(コブラ)の部屋:The Skylight Bungalow(スカイライトバンガロー)北側 + The Chaplin Suite(チャップリンスイート)海側
  • ルームツアー
    The Skylight Bungalow:https://tours.jupiterunmanned.com/tours/bHAECEuvf
    The Chaplin Suite:https://tours.jupiterunmanned.com/tours/NT-xpGCre

スタローン・コブラの部屋

ロサンゼルスのベニス・ビーチに面したこの建物は、かつては The Waldorf Apartments やThe Waldorf Hotel という名前でしたが、2021年に大規模改修され、現在は、The Venice V Hotel(ベニス・V・ホテル)として生まれ変わっています。

つまり、この部屋に宿泊することが可能です。

2部屋借りれば「コブラの部屋」完成

コブラことマリオン・コブレッティ刑事が住んでいた部屋は屋上(最上階)の、ビーチに面した北西の角部屋。

映画撮影時は1部屋でしたが、ホテル改修後の現在は2部屋に分離され、それぞれ「The Skylight Bungalow(スカイライトバンガロー)」と「The Chaplin Suite(チャップリンスイート)」という室名で別々に貸し出されています。

しかしドア1枚で隔てているだけなので、2部屋を貸し切って中でドアを開放することで、2部屋を接続させることも可能とのことです。

2部屋の見取り図(位置関係)

スタローン・コブラの部屋の見取り図
スタローンがピザを食べながらTVを観ていたのが「The Skylight Bungalow(スカイライトバンガロー)」。コブラの部屋はさらにその奥のビーチ側にも部屋(寝室)があり、そこは今は「The Chaplin Suite(チャップリンスイート)」としてセパレートされています。

この2部屋の位置関係(見取り図・分離具合)は上図のようになっています。赤い矢印の部分にドアがあり、そのドアを開閉することで1部屋/2部屋と調節することができます。

ホテルのサイトにも以下のような説明があります。
There’s no need to turn the lights on in The Skylight Bungalow, where Sylvester Stallone filmed Cobra. Flooded in natural light, we can’t think of a more perfect place to watch the sunrise and sunset through your skylight and soak in all Venice has to offer. Traveling with another couple or as a family needing extra space? Ask about the ability to connect The Skylight Bungalow with the Chaplin Penthouse for a spacious two-bed/two-bath bungalow.

シルベスター・スタローンがコブラを撮影したスカイライトバンガローでは、部屋のライトを点ける必要はありません。天窓から自然光が降り注ぎ、日の出と日の入りを眺め、ヴェニスが提供するすべてのものに浸るのにこれほど完璧な場所は考えられません。グループやご家族のご旅行で、もっと広いお部屋が必要ですか?スカイライトバンガローとチャップリンペントハウスをつなげて、広々とした2ベッド/2バスバンガローとしてご利用いただくことも可能なので、ホテルにお尋ねください。
https://venicevhotel.com/penthouses/

このホテルの屋上にあるペントハウスは、チャップリンなど映画スターの名前をそれぞれの部屋に付けています。

ちょうどコブラが冷蔵庫からビザを出し、銃のメンテナンスをしながらTVを観ていた部屋(スカイライトバンガロー)に当たる部分を紹介する動画がこちら。

上の動画の1:21~は、ちょうどコブラが自分の家に入る前に、新聞を丸いバーベキューグリル(蓋付きガーデングリル)の中につっこむシーンが撮影された場所です。

コブラは狭い中央通路の右奥のドアから部屋に入りましたが、今はリノベーションで2部屋に分離した関係で、映画の中の「丸いバーベキューグリル」の右側の壁に、現在では新たにドアが作られ、そこからこの部屋に出入りするように変更されています。

エントランスの今・昔

映画「コブラ」の未公開シーン(カットされたシーン)では、コブラがアパートのエントランスで、新聞を読みながら郵便受けをチェックした後、犬の散歩に出かけようとする住人女性とすれ違って犬を眺めた後、奥のエレベーターに乗るシーンがあります。
映画コブラ・スタローンのマンション
このエレベーターが、海外のエレベーター「あるある」で、手動で扉を開け閉めする、今にも故障しそうな、業務用エレベーターのような見た目でした。それが今ではリノベーションされて、上の写真(下)のように鏡張りのゴージャスなエントランスに生まれ変わっています。

但し、エレベーターと階段の位置など建物の基本構造は、1986年当時から今も変わっていません。

映画「コブラ」に関する見所・解説


同じボディビルダー系アクション映画でも、アメリカ民主党支持のシュワちゃん映画と違い、スタローンの場合、「銃には銃を」といういかにも共和党支持的趣向映画であるのが特徴です。「コブラ」のポスターの文言然り、エンディングにかかる曲"Voice of America’s Sons"にもそのあたりがよく表れています。

やたらペプシおし(プロダクト・プレイスメント)

  1. このコブラの部屋に入る前に、屋上の通路でスタローンの背後に、デデーンとペプシの大きなネオンが画面に映り込みます。
  2. コブラが部屋内で作業している時の、外から移した全景映像(夜)にもこのペプシのネオンをしっかりと映します(上写真)。
  3. コブラがナイト・スラッシャー(敵の一味)の襲撃を受けた際も、このペプシのネオンの前で格闘します。
  4. 映画冒頭のスーパーマーケット内では、ペプシのロゴ(冷蔵庫)の前で立ち止まって、さらにCoors のロゴがはっきり見えるようにCoors Beer(クアーズ)の缶ビールを飲みます。クアーズ・ビールのロゴは映画後半にも再登場します。

このようにあまりにも執拗にPepsi(ペプシ)などの企業ロゴ・製品が登場するので、「コブラ」公開当初から Product Placement(プロダクトプレイスメント)映画だと指摘(揶揄)されていました。

プロダクトプレイスメント(プロダクト・プレイスメント)は、広告手法の一つで映画やテレビドラマの劇中において、役者の小道具として、または背景として実在する企業名・商品名(商標)を表示させる手法のことを指す。
この広告費で製作費・・・(の)かなりの部分のコストを補ったと分析されていて、映画スタジオにとってのもう一つのリスクヘッジとしても注目されている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/プロダクトプレイスメント

要は商品宣伝をタイアップすることで、広告料で製作費を相殺してコストカットしよう、という手法です。

但し、度が過ぎたり、あまりにわざとらしいと観客は興ざめし、映画そのものの評価も下がる、というリスクも「プロダクトプレイスメント」にはあります。
→「プロダクトプレイスメント」の一例:ターミネーター3が腕時計だった理由

その他、ペプシの競合のコカ・コーラも登場するなど、映画「コブラ」には、すさまじい量の「プロダクトプレイスメント」が入り乱れて成り立っています。コカ・コーラよりペプシの登場頻度が高いのは、支払われた広告料に比例させた結果でしょうか・・・。
Cobra (1986) Movie Product Placement
https://productplacementblog.com/tag/cobra-1986/

All the product placement shamelessly crowbarred into Sylvester Stallone's 1986 Cobra movie
https://www.youtube.com/watch?v=vsJhPPBa2xE

コブラの手品(怪)

このコブラの部屋の中でのシーンでは、スタローンの手品が楽しめます。

  1. 冷蔵庫からビザを取り出し、腰に入れてある銃を抜き、ピザと銃を卓上に置きます。
  2. ピザをハサミで切って食べ、リモコンでTVをつけます。
    ※この時、なぜか卓上に置いたはずの銃が消えています
  3. そしてTVをみながらイスを引き寄せ、また腰から銃を引き抜き銃のメンテナンスに入ります。

つまり、腰から同じ銃を2回、引き抜いている(一度腰から引き抜いて卓上に置いた銃が消え、また腰から銃を引き抜いている)という怪奇現象(撮影ミス)が発生しています。

映画と音楽のコラボ(サウンドトラック)黄金期

このコブラが部屋に帰宅する際にBGMとしてかかっている曲は、Gloria Estefan(グロリア・エステファン)がボーカルのMiami Sound Machine(マイアミ・サウンド・マシーン)の「Suave(スワーブ)」という曲です。

「Suave(スワーブ)」とは「柔軟に、お手柔らかに、お気楽に」というニュアンスで、歌詞も「働きすぎ注意、無理しないで」という内容を、ノリノリのラテン・リズムで歌い上げており、仕事から帰宅しホッと一息つこうとするコブラ(スタローン)のこのシーンに合わせた曲となっています。

シルベスター・スタローンの映画は、「ロッキー3」くらいから、アーティストとのコラボに力を入れるようになり、オリジナル・サウンドトラックも非常によく、特に、

  • ロッキー4(1985)
  • コブラ(1986)
  • オーバー・ザ・トップ(1987)

あたりは「イケてる」曲が多数、収録されています。

当時は、「フラッシュダンス(1983)」や「ストリート・オブ・ファイヤー(1984)」「フットルース (1984)」「トップガン(1986)」など、映画と音楽(サウンドトラック)が一体となって爆発的ブームを巻き起こした80年代のサントラ黄金期で、その一角にこの「コブラ」のサントラもあります。(これも一種のプロダクト・プレイスメントと言えます。)

尚、グロリア・エステファンは、スタローン映画では、『スペシャリスト』(The Specialist、1994年)でも主題歌「ターン・ザ・ビート・アラウンド」を挿入しています。

87分の短さ

上映時間の短さも映画「コブラ」の見所の1つとなっています。90分(1時間半)を切る87分。

前年の映画「コマンドー」の90分をさらに切り、サクサク楽しめるノンストップ・アクション映画に仕上がっています。

この当時、スタローン映画とシュワちゃん映画は、上映時間でもデッドヒートを繰り広げていました。
→関連記事:スタローンとシュワちゃん競合時代の面影

上映時間の短さは、

  • テンポアップ(映画のテンポが良い)
  • 映画館が上映スケジュールを組みやすく、回転率も上げることができる

などのメリットがあります。

Cobra 1986 1h 27m
https://www.imdb.com/title/tt0090859/

Commando 1985 1h 30m
https://www.imdb.com/title/tt0088944/

その他ヴェニス近郊のコブラのロケ地

映画「コブラ」はロサンゼルスを中心としたカリフォルニア州内でロケが行われています。上述コブラのアパートがあるヴェニス・ビーチから比較的近いコブラの他のロケ地は以下のような所があります。

冒頭のスーパーマーケット

映画「コブラ」冒頭の、"The King Market"という名前のスーパーマーケットでの立て籠もりシーンが撮影されたのは、以下の場所です。


ここは今は99セントショップになっており、外観も少し変わっていますが、駐車場に対する店構えの基本構造などは、1986年当時のままです。

ここでは前述の通り、スタローンがペプシとクアーズビールの「プロダクト・プレイスメント」を行います。

小さな橋での車を浮かせるカーチェイス・シーン

通称「コブラ・カー」と呼ばれているコブラの愛車「50年型 マーキュリー」(Mercury Coupe 1950 / マーキュリークーペ 1950)の、重い車体を宙に浮かせるために選ばれたような、カーチェイスシーンのロケ地がこちら。


ここはLinnie Canal Park(リニー・カナル・パーク)というミニ運河になっている区画で、コブラのアパートからも徒歩で行ける距離にあります。「50年型 マーキュリー」が「これでもか!」というくらいボコボコに壊れていくのが、このカーチェイスシーンの見所の1つです。

さらにはこのカーチェイスシーンの最中、「50年型 マーキュリー」が敵方のマシンガンで撃たれ、後部に3発、穴が開くのですが、次のシーンではその穴が完全に消えている・・・という怪奇現象も楽しむことができます。

イングリットが襲われた病院

イングリット(ブリジット・ニールセン)が入院中、敵主犯のナイト・スラッシャー(ブライアン・トンプソン)に襲われたLos Angeles Central Hospital(ロサンゼルス中央病院)のロケ地はロサンゼルスのダウンタウンにあります。


ここは実際は病院ではなく、生命保険会社などが入ったオフィスビルです。

この病院のシーンでは、映画「コブラ」に登場した特徴的なアイテムの1つである、ナイト・スラッシャーのいかついナイフのクローズアップを堪能できます。

有名な道路下(ロウアー・グランド・アベニュー)

イングリット(ブリジット・ニールセン)がナイト・スラッシャーの犯行現場を目撃してしまったシーンが撮影されたのは、いろいろな映画のロケ地としてあまりに有名な、LAのダウンタウンにある"Lower Grand Avenue"でした。


ここは、
  • 「ターミネーター1」(1984)のカーチェイス・シーン
  • バットマン「ダークナイト ライジング」(2012)

など、なぜかいろいろな映画に好んで使われるロケ地となっています。

シュワちゃんにもスタローンにも「やられた」男

上述の通り、映画「コブラ」は映画「ターミネーター」とも被ったロケ地がありますが、俳優さんも被っています。

敵ボス・ナイト・スラッシャーを演じたブライアン・トンプソンは、「ターミネーター1」ではグリフィス天文台のコイン式望遠鏡の所にいたチンピラ役を演じていました。

つまり、ブライアン・トンプソンは『シュワちゃんにもスタローンにも「やられた」男』ということになります。しかもどちらも体を持ち上げ(吊り上げ)られて最期を迎えます

珍しいフィンランド製のヤティマティック(Jatimatic SMG)

このコブラという映画、ジェームズ・キャメロンなみに癖のある小道具(特に武器類)をそろえていることも見所の1つです。

  1. コブラの銃(Colt Gold Cup National Match 9㎜ Custom)
    わざわざ9ミリ口径にコンバートした上でコブラの絵入りグリップを使用。
  2. ナイトスラッシャーのナイフ
    針ネズミのような痛々しいナックルガード付きファイティングナイフ。

以外にも、日本でもガスガンが発売され人気を博し、いまだにご当時モノが高値で売買されている、

  • フィンランド製のヤティマティック・サブマシンガン(Jatimatic SMG)

が、このコブラという映画のアイコニックな存在となっています。映画のポスターもこのヤティマティックSMGを一押ししています。

NATO加盟申請で話題のフィンランド製というのも面白い点で、このヤティマティックSMGが登場する映画はあまりありません。

なぜこのマシンガンがチョイスされたのかと推察するに、当時、「ターミネーター1」に代表されるように、レーザーサイトが流行っていたので、それを取り入れたかったのかもしれません。
→関連記事:スタローンとシュワちゃん競合時代の面影

また、このヤティマティックSMGは9x19mm弾を使用するので、コブラがColt Gold Cup National Matchを9x19mmにカスタムしたのも、このヤティマティックSMGと弾の互換性を持たせるためだったのかもしれません。

その他、マリオン・コブレッティ刑事は、バックアップ用の銃として、ASP-9という小さな銃を持っている設定になっていたのですが、そのシーンはカットされたか脚本変更で、映画には登場しません。
Lt. Marion 'Cobra' Cobretti (Sylvester Stallone) is to said to also carry an ASP 9, most likely as a backup gun.
http://www.imfdb.org/wiki/Talk:Cobra_(1986)#ASP-9
このASP-9も、9x19mm弾を使用するので、コブラ刑事が所持する銃火器は9ミリ口径で統一されていることになります。

幻の「ビバリーヒルズ・コップ」スタローン版

映画「ビバリーヒルズ・コップ」は、当初、スタローン主演でいく予定でしたが、スタローンがシリアス路線の刑事モノを希望したところ、配給会社と折り合いがつかず降板。「ビバリーヒルズ・コップ」はエディ・マーフィー主演のコミカル路線で大ヒットしました。

一方、スタローンはスタローンで、この「ビバリーヒルズ・コップ」が忘れられず、企画をあたため続け、このシリアス路線の刑事モノである「コブラ」を作るに至りました。どちらもロサンゼルスを舞台にして、映画の構成も基本的には同じです。

よって、「ビバリーヒルズコップ」の幻のスタローン版が、この「コブラ」と言えます。

そのことを茶化して、「ビバリーヒルズコップ2」には、劇中、スタローンの「コブラ」のポスターが登場し、また、偶然か意図的にか、ブリジット・ニールセンも出演します。

まとめ:ピザ屋もあり

このコブラのアパート(現 ヴェニス V ホテル)の隣(ビーチ側)には、ピザ屋もあります。
スタローン・コブラのビーチの家
そこでピザを買って、
  • レイバンのサングラス(Ray-Ban 3030 Outdoorsman)
  • 側薬不要の摩擦マッチ
  • ウェスタン・アームズの“コルト・ナショナルマッチカスタム”
    https://www.wa-gunnet.co.jp/blog/?s=cobra

をそろえて、ホテルの該当する部屋に滞在して、BGMにマイアミ・サウンド・マシーンの「Suave(スワーブ)」を聴けば、コブラ(マリオン・コブレッティ/スタローン)ごっこを楽しむことができます。

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