血液型により、ジョン・コナーはサラ・コナーの実の子どもではないのではないか？というのをネットで見かけ、そのまま放置プレーのようになっていたので、気になって調べてみました。
結論から言うと、それらは「ジョンはサラの子であること」を完全に否定する材料にはなっていないのですが、一応、以下に「起承転結」でまとめてみました。
まず、問題となっているシーンは以下の通りです。
起：問題のシーン
「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」シーズン1第6話「ダンジョン&ドラゴン/ Dungeons&Dragons」にて、銃で撃たれたデレク・リース（カイル・リースでジョン・コナーの叔父にあたる）が、大量出血で輸血が必要になったシーン（指名手配&逃亡犯なので病院には行けない）。（キャメロン）
Sarah's O-negative, the universal donor.
（サラはO型RH－。使えるでしょ。）
（チャーリー/救急隊員）
It doesn't matter. He needs three units of his own type, AB-negative.
（彼に必要なのはAB型RH－が3単位以上だ。）
Bad news is, only one one half of 1 percent of the population are potential donors.・・・200 in one.
（同じ血液型は人口の0.5%しかいない。・・・200人に1人の確率だ。）
それで、ジョン・コナーは「自分の血液型を試してみて。」と進言し、試しみたところ見事に デレク・リースの血液型（AB型RH－）に一致したので、ジョンの血をデレクに輸血することで、デレクリースは一命をとりとめた・・・という流れ。
承：一部視聴者の反応
このシーンについて、少数ながらネット上では、サラがO型ならばAB型のジョンは生まれないはずである。
https://programer.at.webry.info/200903/article_14.html
や、同様に、
If Sarah's blood-type is O-negative, then it is impossible for her to have a son that is AB-negative. Assuming that Kyle was AB-negative like Derek, then John could only be A- or B-negative; not even O-negative.
https://www.imdb.com/title/tt1055794/goofs
といった意見が見かけられました。
両親のいずれかがO型であれば、AB型の子どもは生まれない。つまり、サラコナーがO型なら、ジョンコナーはAB型にはならないはず、だからジョンはサラの子どもではないのでは？という理論です。
転：例外もある
確かに、一般的にはその通りのようです。しかし、あくまでそれは「一般的な話」であり、現実には例外もあるようです。参考までに、こんな記述もあります。
ところが、ごくまれに例外が存在するのです。ＡＢ型の希なバリエーションとして有名なものにシスＡＢ型があります。これは一本の染色体にＡとＢの両方の遺伝子が載っており、もう一つの染色体にはどちらも載っていないというものです（実際にＡＢ型とＯ型の両親からＡＢ型の子供が産まれる事があることからわかった血液型です）。
このシスＡＢとＯ型の親の組み合わせからは、通常はあり得ないＯ型やＡＢ型の子供が誕生する可能性があります。
http://www.nms.co.jp/uso/uso47.html
血液型の遺伝の例外
まれに同じ染色体上にのったような状態のcisAB型（シスAB型）という人がいます。この場合、以下の図のように、AB型（cisAB型）とO型の親からAB型やO型の子が生まれたりします。
https://first-genetic-testing.com/constitution/blood.html#gsc.tab=0
血液型遺伝の掛け合わせ表
https://i.pinimg.com/originals/0d/d8/73/0dd873f5f5b21e5f23fa1bad6460abcc.png
だいたいどこの「血液型の組み合わせ一覧」みたいなものを覗いても、小さく「※例外事由を除く」とか書かれていたりしますので、例外は無視できないようです。
結：ジョンはサラの子
つまり、「父」カイル・リースがAB型、「母」サラ・コナーがO型であっても、ジョン・コナーがAB型である可能性は「ある」（まったく無いというわけではない）ということになります。そのため、これだけをもって、「ジョンはサラの子じゃない！」ということにはならないので、「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」においては、ジョン・コナーはサラ・コナーの実の子供、ということになります。
ちなみにキャメロンがサラ・コナーの血液型を知っていたのは、第1話のこのHi-Lo Market と応急処置のガレージシーンにて、サラの応急措置の際に自分のセンサーにて確認したものと思われます。
ただ、この血液型関係とは全く別に、ターミネーター全作品のタイムライン（時間軸）を考えると、少なくとも一度は「ジョン・コナーの父親はカイル・リース以外の誰かである」タイムラインが存在しなければならないのですが、これについては、こちらカイル･リースと来た別の兵士(ターミネーター1脚本)にて言及していきます。
# Terminator Sarah Connor Chronicles 106 Derek Kyle Reese John blood type family tree
