ターミネーターをバレットM82で倒した森林

サラコナークロニクルズ ロケ地

t f B! P L


未来で人類抵抗軍のキーとなる人物で、士官学校(Presidio Alto Military Academy/ プレシディオ・アルト・ミリタリー・アカデミー)に在籍するマーティン・ベデルを暗殺しにやってきたターミネーターを、森林でのバトルで返り討ちして、テルミットでエンドスケルトンを燃やした池。
(「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」シーズン2第5話「永久に別れを / Goodbye to All That 」)

こちらPresidio Alto Military Academy【軍士官学校】の通り、建物やグラウンド、射撃場のロケ地は、King Gillette Ranchでしたが、ターミネーターとのバトルは別の場所で撮影されていました。そのロケ地はこちら。

The Forrest Battlefield

Film Location

  • Warner Bros. Studios (Backlot) "Jungle Lagoon
  • 4000 Warner Blvd, Burbank, CA 91522 U.S.A.
    座標: 34°08'58.8"N 118°20'02.2"W
    34.149668, -118.333948
  • URL:https://studiooperations.warnerbros.com/jungle-lagoon/
  • Warner Bros. Studio Tour Hollywood(スタジオツアー)
    URL: https://www.wbstudiotour.com/ja/


デレク・リースの周辺にある木が、それぞれワーナーブラザーズ・スタジオの「ジャングル・ラグーン」内にある特徴的な木の形に一致します。

士官学校の建物を撮影した King Gillette Ranch のほうにも木はあることはあるのですが、このワーナーブラザーズ・スタジオの森林バックロットほど密集しておらず、何よりもワーナーブラザーズ・スタジオの「ジャングル」特有の「竹」が映像の中に確認できます。
どうやら撮影上、爆破や燃やしたりする必要がある場合は、なるべくスタジオ内で撮影をしようとしていたように全般的に見受けられます。


ターミネーターをバレットM82で仕留めて、池にはまったターミネーターを、テルミットで燃やした池。実はここ、サラコナーとアンディが散歩した池で登場した場所とまったく同じ位置です。サラとアンディが散歩の休憩で、ここのベンチに腰掛けてタークについて会話してました。

ここの入り江のようになっている所に長い板を通して橋代わりにしており、そこをジョン・コナーが通過し、ターミネーターをおびき寄せます。

池の中央のほうが丸く囲まれているのは、おそらく、撮影でターミネーターを燃やすシーンを撮るので、油などの汚れ成分が、池全体に広がってしまわないように配慮のため、敷居を作ってこの部分だけ独立させたものと思われます。

Jungle Lagoonエリアは、ワーナーブラザーズ・スタジオ・ツアーでもカートに乗って訪れることが多いので、ジャングルの中の建物だけでなく、「木」に注目してみるのもよいでしょう。意外と大きな木がたくさんあります。池もそんなに大きくはないので、また、撮影ポイントも決まっているので、意外と「どの木がどの映画のあのシーンに出てきたやつだ!」というのは分かります。

このラグーンは映画「ジュラシック・パーク」や「ラスト・サムライ」、「True Blood」などに使われたんですよ。

と、よくスタジオ・ツアーのガイドが説明しています。

このジャングル・ラグーンのシーンに関する見所・解説

バレットM82 初登場

上の写真で、デレク・リースが背負っている大型の銃のことですが、このシーズン2第5話では、映画を含めたターミネーター・全シリーズで初めて軍用対物狙撃銃であるバレットM82( Barrett M82A1)が登場します。


ジョン・コナーが自らおとりになって、ターミネーターT-888を動きが鈍くなる不安定な板の橋の上におびき寄せたところを、デレク・リースがバレットM82で狙撃して、ターミネーターを仕留めました。

このバレットM82はその後、映画「ターミネーター・ジェニシス」でも使われました。

ジェニシスの矛盾

「ターミネーター・ジェニシス」では1984年のシーンで、バレットM84A1が登場しましたが、以下のような矛盾が指摘されています。
Although the M82 is not anachronistic for 1984, the rifle seen in the film appears to be the much more common and improved A1 model, which was not introduced until 1986, two years after the events of the first film.
http://www.imfdb.org/wiki/Terminator_Genisys#Barrett_M82A1
「バレットM82自体は、1984年にもあったので時代錯誤ではないけれど、映画「ジェニシス」に登場したA1改良モデルは1986年まで導入されておらず、2年矛盾している。」とのことです。つまり、1986年まで存在し無いはずのバレットM82A1タイプが、なぜか1984年に登場し矛盾しているとのことです。

Raufoss Mk211 round(ラウフォスMK211弾)

デレク・リースがバレットM82でターミネーターを仕留めるのに使用する弾を、ジョン・コナーに説明するシーンがあります。

This Raufoss. Mk211 round.
Tungsten core, armor piercing, high explosive incendiary.
Hits with the force of 20mm cannon.
I saw your dad take down an H-K with one.
He liked it better than his plasma rifle.
こいつはラウフォスMK211弾。タングステンを炸薬(さくやく)で覆った徹甲炸裂焼夷弾。
破壊力は20ミリキャノン並み。
カイルはそれでハンターキラーを倒してた。あいつはプラズマライフルよりこれを好んでいた。

水の中なのになぜターミネーターはあんなに燃えたの?

なぜ池に落ちたターミネーターがあんなに激しく燃えたかというと、次の2つの理由からです。

  1. ジョン・コナーがテルミットを投げ込んだ
  2. この池が可燃性の液体を含んでいた

1のテルミットについては、ジョン・コナーが筒状の物体の導火線に火をつけて、池に投げ込むシーンがありますが、あの筒に入っていたものがテルミットです。テルミットについては、キャメロンがターミネーターをテルミットで燃やした小屋(納屋)にて語っています。

2の池の可燃性については、前フリとして、この池周辺一帯の地面から染み出している黒い粘着性の物体が登場しています。その黒い物質を踏んづけたジョンに、デレク・リースが次のように説明しています。

DEREK:It's tar. La Brea. It's everywhere.
(それはタールだ。ラ・ブレア。あちこちにある。)
JOHN: Stuff smells terrible. Smells like...Jet fuel.
(すごい臭い・・・まるで・・・ジェット燃料だ。)

ラ・ブレアとは、ロサンゼルス州にある、タール 乾留液の池のことで、wikipediaには以下のような説明があります。

ラ・ブレアでは、近くのソルトレイク油田から地下の断層を伝って地表に到達した石油の軽質分が蒸発し、一緒に出てきた水の作用で重質の天然アスファルトが生成されると共に、石油から分解されたメタンガスも湧き出している。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ラ・ブレア・タールピット
タール池についてわかりやすいのが映画「ボルケーノ」(1997年)。Los Angeles County Museum of Art(ロサンゼルス・カウンティ美術館)の敷地内にある池(座標:34°03'46.9"N 118°21'22.0"W)は、タールが噴出していいて映画「ボルケーノ」ではそこが最初の噴火口になりました。その池の隣にはその池の関連施設として The La Brea Tar Pits and Museum(ラ・ブレア・ター・ピッツ & 博物館)があります。ちなみにその池のすぐ近くには Pavilion for Japanese Art(日本美術館)もあります。

なぜキャメロンは何もしなかったの?

デレクとジョンがターミネーターを倒したあと、一瞬、林の中にいるキャメロンが「ミステリアスな感じ」で映ります。なぜ、キャメロンが何もしなかったのか?というと、単純に出番がなかっただけです。

「キャメロンをそっちに向かわせた。」とサラ・コナーが電話でデレクに伝えていたように、キャメロンも現場にかけつけたのですが、すでにデレクとジョンでターミネーターを片付けてしまった・・・一応、バックアップでいざというときは出て行ったと思われますが、木の陰で見守るキャメロンのシーンを挿入しておかないと、視聴者も「あれ、キャメロンが向かったはずなのにどうなったの?」ということになるので、チラッと挿入したものと思われます。

また、キャメロンは「本当は敵なのか味方なのか?」という演出を(特にシーズン2では)ずっと続けているので、その一環もあったのかと思われます。

「オズの魔法使い」とターミネーター

このPresidio Alto Military Academyの森林でのバトル・シーンは、サラコナーの家に保護した幼い方のマーティン・ベデルに「オズの魔法使い」の本を読み聞かせるのに被せて、ジョンとデレクがT-888を退治する様子を描いています。T-888を魔女に仕立て上げた感じです。

(劇中に登場したのと同じ表紙デザインのもの)

キャメロンがサラ・コナーに向かって、

It was John's favorite.(オズの魔法使いはジョンのお気に入りの本だった。)

とボソッと言うシーンが印象的でした。

偽名 Baum の由来

シーズン2でのコナー一家の偽名が Baum になっているのも、この「オズの魔法使い」の作者 Frank Baum にちなんだものです。

シーズン1第2話「汝自身を知れ(Gnothi Seauton)」などでは、サラコナーはキャメロンのことを「ブリキ君(Tin Man/ティンマン)」や「Tin Miss(ブリキちゃん)」と呼んでいます。これは「オズの魔法使い」に登場する心がないブリキ男に、(人を簡単に殺してしまう)心がないキャメロンを引っかけたものです。

このサラコナーのイヤミに対して、キャメロンは、

I know what the Tin Man is. He needed a heart. The Wonderful Wizard Of Oz written by L. Frank Baum in nineteen hundred, first published ・・・(中略)・・・You read it to him over and over again, in Spanish. He never told you, but it was one of his favorite things that you did. He used to talk about it a lot.
(ブリキ男は知ってる。彼はハートが必要だった。フランク・バウム作のオズの魔法使い・・・あなた/サラはジョンに何度もスペイン語で読んであげていた。ジョンはあなたに言ったことはないけど、あなたがジョンにしてあげたことでジョンが好きだったことの1つ。彼はよくそのことを話していた。)

という言葉で言い返し、サラを黙らせています。

ターミネーターであるキャメロンのブリキの心に魂を入れていく過程を描くのと併せて、「オズの魔法使い」は「未来のジョン」と「現代のサラ」をつなぎ留める道具にもなっていました。

# Terminator Sarah Connor Chronicles 205

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