HMMWV(ハンヴィー)と地雷原とマグワイア射撃場

サラコナークロニクルズ ロケ地

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ターミネーターの骨格(エンドスケルトン)の原材料であるコルタンとともに閉じ込めらたジョン・コナー・・・が乗ったトラックを追跡するサラ・コナーとキャメロン。
(「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」シーズン1第4話「ヘヴィメタル / Heavy Metal」)

サラコナーらはコルタン着のLA港とキャメロン製造工場Depot 37の倉庫にあった軍用車HMMWVに乗って追いかけますが、そのHMMWVでの追跡シーンのロケ地は以下の場所です。

ちなみにこのシーンがこの場所で撮影されたことを解明しているネット上の情報は当サイト以外にありません。

サラ・コナーがHMMWV(ハンヴィー)で通った道路

HMMWVハンヴィー・ターミネーター

Film Location


なぜこのロケ地が分かったかというと、それは「HMMWV」が登場しているからです。

「HMMWV」とは「High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle = 高機動多用途装輪車両/ 高機動装甲車」で特殊車両です。

「HMMWV」が出ている、ということは、どこかから撮影用に借りてきている可能性があります。

そこで「HMMWV」を貸し出しているスタジオや会社がないか探してみたところ、Blue Cloud Movie Ranch(ブルー・クラウド・ムービー・ランチ/ブルークラウド映画村)というところに、撮影用に貸し出している戦車などの軍用車両があることが分かりました。

そこで、そのBlue Cloud Movie Ranch周辺の道路をチェックしたところ、この場所が分かったわけです。

上の「HMMWV」のシーンでおもしろいのが、ただ一本道を進んでいく・・・というだけのシーンなのですが、なぜか同じ道を往復することで、道を進んでいくことが表現されています。(つまりUターンしているので進んでいない(来た道を戻っている)、ということです。)撮影の効率化を図ってのことか(手抜き?)、理由は不明です。

映画『激突』のロケ地の近く

尚、この道路のすぐ近くには、映画「激突」で怪物トラックが最期を迎えた断崖絶壁Mystery Mesa(ミステリー・メサ)があります。あおり運転をしまくっていた怪物トラックとのチェイスは、この辺りから東方の山間にかけての道路で撮影されていました。
→詳細:あおり運転を50年前に描いた名作映画「激突」

地雷原(Mine Field)

上の「HMMWV」が道路を走るシーンの後、サラ・コナーとキャメロンは、ターミネーターT-888・Carter(カーター)に雇われていた男から、トラックの行先を聞き出した後、その男をアメリカ軍のMcGuire Gunnery Range(マグワイア射撃場)の近くの「Mine Field(地雷原)」に降ろして「解放」します。

その「Mine Field(地雷原)」のロケ地はこちら。
ターミネーターの地雷原

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ヒントが「山の形」「影(方角)」「高台」「HMMWV」ぐらいしかない荒野だったので探し出すのに苦労しましたが、山の形が完全に一致します。Googleの3Dビューが、実際の山の形まで正確に再現していることが確認できます。

少し高台になっているこの荒野の左手奥に下ったところに、映画『13日の金曜日 PART3』(Friday the 13th Part III / 1982年)でジェイソンが暴れた納屋があります。『13日の金曜日 PART3』といえば、『ターミネーター1』のこのターミネーター2発祥の地T1【フォールズ・カフェ】でもロケ地が被っていました。

実はこのロケ地の300mほど先が、シーズン2第8話のサラコナーが車から飛び降りた荒野で、さらにその先にはメキシコな教会での「銃撃戦」のシーンが撮影されたVeluzat Motion Picture Ranchがあります。このVeluzat Motion Picture Ranchとその北部にあるDiamond V 50's Townのセットも、Blue Cloud Movie RanchのRene Veluzatさんが所有する同系列の映画村のようで、かなり広大なことがわかります。

マグワイア射撃場(McGuire Gunnery Range)

ジョン・コナーとコルタンが乗ったトラックが到着したのが、McGuire Gunnery Range(マグワイア射撃場)です。この敷地内にあるDepot 37(37番倉庫)にターミネーターの原材料となるコルタンが「審判の日」まで貯蔵され、その後、ここでキャメロン他ターミネーターのエンドスケルトンが作られることになります。

その「マグワイア射撃場」のロケ地はこちら。
マグワイア射撃場ターミネーター

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Blue Cloud Movie Ranch(ブルー・クラウド・ムービー・ランチ/ブルークラウド映画村)にはBasecamp/Archeological Outpost(軍の前哨基地などのセット)セクションがあって、「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」の「マグワイア射撃場」として使われたゲートのフェンスや同じボックスが確認できることから、このシーンはBlue Cloud Movie Ranch で撮影されていることがわかります。

Blue Cloud Movie Ranch(ブルー・クラウド・ムービー・ランチ)とは

日本でいうところの映画村で、撮影用の家屋のセットが組まれていたり、資材の貸出などをやっています。アメリカ各地にこのようなMovie Ranch(映画村)はたくさんあり、ランチごとに得意分野を持っています。例えば先日の映画「RUST」撮影時の銃の事故現場と背景のBonanza Creek Ranch(ボナンザ・クリーク・ランチ)は、西部劇専用のランチ(セット)でした。

この「ブルー・クラウド・ムービー・ランチ」は、専ら軍関係に強く、一番の売りは、アフガニスタンの街や洞窟のセットがランチ中央に組まれている点で、数々のアフガン戦争系の映画やドラマが、ここで撮影されてきました。

例えば、映画『アイアンマン』(Iron Man/2008年)のアフガニスタンのバトル・シーンは、この「ブルー・クラウド・ムービー・ランチ」で撮影されています。

その他、ハリウッド版の映画『GODZILLA (ゴジラ)』に登場した戦車や、映画『ダンテズ・ピーク』(Dante's Peak)で使われたバスなどは、この「ブルー・クラウド・ムービー・ランチ」から貸し出されたものです。

戦車や軍用車以外にも、飛行機やヘリコプターなども貸し出しているようです。

また、映画の撮影に使われていない時は、この界隈の地形をいかしたトレイル・ラン(障害物競争)大会が開かれたり、アフガンのセットをフルに使ってのサバゲー大会(エアソフトガンの撃ち合い)などにも貸し出されているようです。

尚、この「ブルー・クラウド・ムービー・ランチ」の名物オーナーだったRene Veluzatが、今年(2021年)の3月21日に亡くなられたそうです。
On March 21, at the age of 80, Santa Clarita actor and stuntman Rene Veluzat, known for his ownership of Blue Cloud Movie Ranch and Diamond V Movie Ranch, passed away.
https://www.hometownstation.com/santa-clarita-news/community-news/rene-veluzat-former-blue-cloud-movie-ranch-owner-dies-at-80-372224

動画で見る限り、とてもきさくな感じの人で、複数の「ムービー・ランチ」を所有しており、ハリウッド映画やドラマに相当、貢献されてきた立役者と言えるでしょう。

「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」では、クロマティが最期を迎えたメキシコな教会での「銃撃戦」のロケ地がVeluzat Motion Picture Ranchで、そちらでもお世話になったようです。

Depot 37(キャメロンの製造工場)がある場所

前述のように、ドラマの設定上は、このマグワイア射撃場内にあるDepot37(37番倉庫)でコルタンが貯蔵され、「審判の日」以降にターミネーターのエンドスケルトンが大量に作られることになっていました。キャメロンも「ここで作られた。」と言っています。

但し、Depot37のロケ地は、こちらのコルタン着のLA港とキャメロン製造工場Depot 37の通り、ロサンゼルス港の倉庫が使われており、このシーズン1第4話は、海←→山の中、と両極端にロケ地が展開していることがわかります。もちろん、実際は海は海、山は山でそれぞれまとめ撮りをしているわけですが、シーンの接続感を出すのに、役者は大変だったのではないか?と感じさせられます。

以上、映画やドラマに使われた車1台から、ロケ地が分かることもある、という一例でした。

#Terminator Sarah Connor Chronicles 104

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