DAKARA Systems【ダカラ・システムズ】の入り口

サラコナークロニクルズ ロケ地

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会社のロゴが「3つの点」であることから、サラ・コナーに目を付けられた会社「DAKARA Systems(ダカラ・システムズ)」が入居している(ことになっている)ビル。
(「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」シーズン2第10話「3つの点 / Strange Things Happen at the One Two Point」)

このビルのロケ地はこちら。

DAKARA Systems Building

Film Location

サラ・コナーとデレク・リースがこのビルの正面に車を停めて、ボーイに停車管理代としてチップを多めに渡して建物に入っていく際に、ビル入口の「617」という地番がそのまま表示されていました。

このJames Oviatt Building(通称:オヴィアットビルディング)は、1928年に建立され、もうすぐ築100年にもなろうとする、アールデコ様式の高層ビルで入口からゴージャスな雰囲気が漂っています。このオヴィアットビルは、アメリカの「国家歴史登録財」に登録されており、また、「ロサンゼルス歴史文化モニュメント」にも指定されています。
最上部に時計が設置されており、約100年前の当時は、このビルがこの辺り一帯のランドマークであったことがうかがえますが、今ではすっかりさらに高いビル群に囲まれて、時計は見えにくくなっています。

このビルの中には、有名な Cicada Restaurant が入っており、サラ・コナー・クロニクルズでもこのレストランが後で登場します。

このDAKARA Systemsに関する見所・解説

オフィス内部は別の場所

そんな歴史的な Oviatt Building に入居していることになっている日系IT企業 DAKARA Systems(ダカラ・システムズ)ですが、オフィス内部はこのビルではない、別の場所で撮影されており、オフィス内部のシーンは、まったく「築100年の歴史的建造物」感がないベンチャー企業用のレンタルオフィスのような所でした。

日系の親子、
  • Alex AKAGI(アレックス・アカギ)・・・Eric Steinberg(エリック・ステインバーグ/韓国系アメリカ人俳優)
  • Xander AKAGI(ザンダー・アカギ)・・・Eddie Shin(エディ・シン/韓国系アメリカ人俳優)
の2人で営む小さなIT企業ですが、この DAKARA Systems が開発しているA.I.「エマ」に、アメリカ空軍などが興味を持っている、という設定になっています。

サラコナーらが捜している「ターク」はチェスをするA.I.ですが、この「エマ」は碁をするA.I.という違いがあります。なぜ将棋やチェスではなく「碁」なのかというと、製作者的にはおそらく碁石と「3つの点」を結び付けたかったものと思われます。実際、サラが3つの碁石を手のひらに乗せて「3つの点」を表すシーンが挿入されています。

日系ということですが、演じている俳優さんたちは、韓国系と中国系のお二人です。

ちなみに、このザンダーの母親(アレックスの妻)は「1984年に交通事故で亡くなった。」とのことで、1984年といえば「ターミネーター1」の時代ですが、ターミネーターT-800がどこかで起こした交通事故に巻き込まれて亡くなったのかどうか?は不明です。

サラの偽名「Gale」の由来

サラとデレクがDAKARA Systemsのオフィスに侵入し、パソコンからハードディスクを盗みだすも、そのデータが使えないことがわかり、今度は(ジョンコナーが考えたシナリオで)サラ・コナーは、Sarah Gale(サラ・ゲイル)という偽名を使って、金持ち投資家として、DAKARA Systemsへの接近を試みます。

その Gale(ゲイル)という苗字は、「オズの魔法使い」の主人公、Dorothy Gale(ドロシー・ゲイル)に由来しています。

サラやジョン・コナーらは、現在、サラ・バウム、ジョン・バウム(Baum)という偽名で暮らしていますが、この バウム(Baum)というのは、「オズの魔法使い」の作者、L. Frank Baum(L・フランク・バウム)に由来しているもので、今回も「オズの魔法使い」由来を引き継いでいます。
→関連記事:ジョン・コナーが通ったカンポ・デ・カフエンガ高校の「ジョンとキャメロンの偽名Baumの由来」

キャメロンの「髪」へのこだわり

アレックス・アカギとサラコナーがオフィスで1980年代の音楽の話をしている際、キャメロンが髪型に関して変な相づちをうって、場が一瞬、フリーズするシーンがあります。
It's the hardest thing to get right.....Hair.
(それは一番難しいことね....髪型のことよ。)
このセリフですが、シーズン2第4話で、軍艦の中でアリソン・ヤングに対してキャメロンが発したセリフのデジャブ―のようになっています。
Your hair, it's so pretty. We work very hard on the hair... to get it right.
(あなたの髪・・・とてもかわいい。そのような髪にするのはとても難しい。)
どうやらキャメロンは、「同調」を示す際には、データから髪型トークを持ち出す傾向があるようです。

サラコナーの面白い自虐的なセリフ

アレックス・アカギを殴る際に、サラ・コナーがおもしろいセリフを吐いています。
I spent a couple years in a nuthouse. You wannna know why? Men like you. Time was, I'd have blown this building sky-high. So don't lie to me.
精神科病棟にいたことがあるの。なんでかわかる?あんたみたいなやつをビルごと吹っ飛ばしたからよ。だから嘘つかないで。
これは「ターミネーター2」で、マイルズ・ダイソンとともにサイバーダイン社を爆破したことを、自虐的にネタにしているものです。

英題 Strange Things Happen at the One Two Point の意味

このシーズン2題10話の英語のタイトルは "Strange Things Happen at the One Two Point"で、意味は劇中、キャメロンがサラコナーに向かって説明していますが、
  • Strange Things Happen at the One Two Point・・・2の1に妙手あり(にのいちにみょうしゅあり)
という囲碁の格言のことで、「定石がいつも当てはまるとは限らない」という意味とのこと。
転じて、サラは「3つの点」がすべてスカイネットにつながっているはずと考えているが、その「定石」がいつも当てはまるとは限らない、というような意味合いでサラとキャメロンの会話では使われています。

また、Strange Things Happen at the One Two Pointをそのまま直訳すると、「奇妙な出来事が1-2ポイント(3点)で起きている」となり、それを「3つの点」に引っかけて、この英語の原題が付けられたのではないかと思われます。

3つの点「だから」「なぜなら」違い

DAKARA Systemsのロゴはこんな感じ
でした。カタカナのフォントが微妙なのは御愛嬌というか、むしろカタカナ表示にもチャレンジしたことを評価したいとは思いますが、問題はロゴの「3点の向き」です。

DAKARA SystemsのDAKARAという社名から3点のロゴが決まったのか、3点のロゴから DAKARA という社名にしたのかはわかりませんが、いずれにしても少し間違っているにように思われます。数学でよく使われる記号は、

∴ ←ゆえに、したがって=だから(DAKARA)
∵ ←なぜなら

なので、3点が三角形か、逆三角形か?の違いがあり、DAKARAのロゴである逆三角形(∵)の3点だと「なぜなら」になり、「だから/ゆえに」(∴)にはなりません。撮影上(設定上)のミスかもしれません。
結局、この DAKARA Systemsの「3つの点」は「ただのロゴ」で、サラコナーの強迫観念による勘違いに過ぎず、「それゆえ」この DAKARA Systems のエピソードに関しては、サラ・コナー・クロニクルズの全話の中ではカットしてもまったく支障がないエピソードでした(DAKARA Systemsはサラ・コナーの勘違いで変なとばっちりを受けた、ということです)。

「ターミネーター1」由来?

思うにこのダカラ・システムズ社の下りは、映画「ターミネーター1」の未公開シーンをモチーフにしたか、それと同じ発想なのかと思われます。

映画「ターミネーター1」のエンディングの未公開シーンでは、ターミネーターT-800が工場にて破壊された翌朝、その工場(サイバーサイン社)の社員たちが、T-800のチップなどの破片を拾い上げて、こんな会話を繰り広げます。
STAFF(部下):What is it?(何ですか、それ?)
MANAGER:Microcomputer chassis. But I've never seen stuff like this anywhere.
(マイクロコンピュータの基盤っぽい。でもこんなの見たことない。)
STAFF:Weird. Jap stuff, maybe?(奇妙だな。日本製かな?)

「チップといえば日本」みたいなところがあり、それで日系ダカラ・システムズが登場したものと思われますが、これが今なら、中国や韓国企業に成り代わっている可能性があり、悲しいところです。

いずれにしても、そのサラの勘違いのおかげで、まがいなりにも「日本」が関係することがターミネーターに登場してくれたことになり、しかもサマー・グローやレナ・へディが少し日本語を話すシーンがあるため、日本人にとっては、外せないエピソードとなっています。そのせいか、地上波フジテレビで放送されたときも放送枠の都合上、全31話のうち全体のストーリーの流れとは関係が薄い3話がカットされたにもかかわらず、この DAKARA Systems のシーズン2第10話はカットされず放送されました。

# Japan and Japanese in Terminator Sarah Connor Chronicles three dots it's just a logo 

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