C-130と手榴弾33秒の手品を楽しむ映画ダイ・ハード2

洋画

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先日、フィリピンでC-130輸送機が墜落しました。
フィリピン南部のスルー州ホロ島で4日昼ごろ、フィリピン空軍のC-130輸送機が墜落した。(2021年7月5日)
https://www.youtube.com/watch?v=93ezaxOUmhQ
C-130輸送機といえば、空港が舞台となった映画「ダイ・ハード2」です。 荒唐無稽な重火器描写が売りのダイハード・シリーズでは、銃火器だけでなく、F-35BやC-130輸送機などの軍用機も登場し、例に漏れず破天荒な描写を「楽しむべき」作りとなっています。

手榴弾爆発まで33秒ゆとりで楽しむ

そんな「ダイ・ハード2」の名シーンが、C-130輸送機のコックピットに閉じ込められた主人公ジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)が脱出するシーン。

コックピットに閉じ込められたジョン・マクレーンに、敵方がどんどん手りゅう弾を投げ込みます。

最終的にはジョン・マクレーンは手りゅう弾爆発直前(ほぼ同時)に、コックピットの緊急脱出シートを使って飛び出し、難を逃れるのですが、その手りゅう弾爆発までにかかる時間が33秒もあるという、かなりゆとりのゆったり仕様となっているのが見所です。

通常、手りゅう弾はピンとレバーを抜いてから3,4秒、長くても5-7程度以内には爆発するようになっています。なぜならすぐ爆発しないと、投げつけた相手が逃げてしまう/または投げ返されてしまうからです。

しかし「ダイ・ハード2」のこのシーンでは、なぜか敵方も、手榴弾はそんなにすぐには爆発しない前提で、ゆったりと動いて車に乗って逃げていきます。ふつうなら手榴弾を投げた瞬間、「伏せろ!」となるはずですが。

1つの見せ場(溜め)に適切な時間は30秒超の法則

この「ダイ・ハード2」と似ているシーンが、映画「レオン」にあります。
→詳細:映画「レオン(Leon)」最期の現場と35秒の謎
ジャン・レノ演じるレオンが最期、手りゅう弾のピンを引き抜いてから爆発まで、35秒間、見事な「溜め」が用意されています。

これらからわかることは、映画などで1つの見せ場(溜め)に適切な時間は、30秒超ほどであるということです。人が固唾をのんで集中を維持できる丁度良い時間は30秒ちょっと、ということなのかもしれません。

線香花火も30秒超

ちなみに、夏の風物詩でもある線香花火が燃え尽きるのも、ちょうど30秒超ぐらいです。
線香花火をつけてみる。燃え尽きるまでの時間は最長44秒。最短は20秒で、平均31.3秒だった。 https://style.nikkei.com/article/DGXKZO19869730Q7A810C1W11301/
線香花火の平均燃焼時間は40秒。 https://www.ntv.co.jp/dash/contents/garage/yamaguchi/01/index.html

線香花火が名残や余韻も含めて、一番楽しめる適切な時間は30秒超、というノウハウが長年の経験で蓄積されて作られているものと思われます。

映画作りやYoutube動画撮影に勤しんでいる人は、1つの見せ場を30秒程度で作り、それを複数組み合わせていけば、再生回数が伸びる動画が作れるのかもしれません。

オチ:C-130輸送機には緊急脱出装置(射出座席 )はない

この「ダイ・ハード2」のシーンの最大の見所(オチ)は、溜めを作るまで爆発しないこの手りゅう弾でなく、ジョン・マクレーンが脱出に使った緊急脱出装置(射出座席 )は、本当はC-130輸送機には装備されてない、という点です。 緊急脱出装置(射出座席 )は、主に戦闘機など小型の軍用機に装備されていますが、C-130輸送機など大型機には通常、装備されていません。ジャンボ旅客機のコックピットに緊急脱出装置を装備できないのと同じことです。

グロック17を世界に広めた映画

以上から、ダイハード・シリーズはリアルを楽しむべき映画ではなく、ファンタジー(夢物語)を堪能するアクション映画であることがわかります。

特に「ダイ・ハード2」は、映画史上に残る迷(名)セリフ「X線に映らない銃・グロック7」なるものも登場し、グロック(Glock)の世界的普及に大貢献した映画としても知られています。その銃火器の破天荒な描写は、ダイハード・シリーズの中でもぶっ飛んでいます。

ダイハード1と2は、予告編でも「第九」が流されているように、年末クリスマス・シーズンを舞台にした「カウントダウン・ムービー」として有名です。手榴弾爆発まで33秒、カウントダウンしながら観てみるのもおススメです。

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