ブルーサンダーのヘリポートはターミネーターのサイバーダイン社

ターミネーター ロケ地 洋画

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ブルーサンダーとカシオAA-85

40周年を迎えた、1983年のヘリコプターアクション映画『ブルーサンダー』(Blue Thunder)

何気にカシオ(Casio)の腕時計「AA-85」が準主役級に頻繁に登場する映画でもあります。

日本ではいまだにその『ブルーサンダー』のメイン・テーマ曲が、地上波の「衝撃映像集」や「カメラがとらえた決定的瞬間」「警察24時」的なTV番組のBGMとして使われ続けており、「映画を知らなくてもテーマ曲は耳にしたことがある」という人も多いはずです。


そんなブルーサンダーですが、
  • 1983年の映画
  • また、ロサンゼルスが舞台
ということもあり、同時期1984年の映画『ターミネーター』と、ロケ地が被っている部分は多いです。

『ブルーサンダー』がLAの空中でヘリ・チェイスを繰り広げていたところを、『ターミネーター』ではLAの地上でカーチェイスを繰り広げていた、という感じです。

例えば以下のような象徴的なロケ地が被っています。

ヘリポート(ブルーサンダー)はサイバーダイン社(ターミネーター)

ブルーサンダーとターミネーターの共通点

現実世界でも「ロサンゼルス市警察航空隊」のヘリポート

映画『ブルーサンダー』では、主人公フランク・マーフィー(ロイ・シャイダー)は L.A. Metropolitan Police Department air support division(ロサンゼルス市警察航空隊)に所属し、ヘリコプター・パイロットとして、上図の茶色のレンガと白の四角形が印象的な建物に勤務し、何度もヘリを離発着させていました。

この建物、映画同様、現在も現役のロサンゼルス市警察航空隊のヘリポートとして使われています。映画の際は、屋上のヘリ収納庫の前に、丸い管制塔とオフィスが付け足しで建設され、大きくせり出していましたが、通常はその建物は存在しないようです。

ターミネーターではサイバーダイン社の工場

実はこの建物、映画『ターミネーター1』の最後のほうのバトルで、サラ・コナーを追いかけるターミネーターT-800が運転するタンクローリーが大爆発した場所です(上図)。

ちなみにその爆破シーンは、タンクローリーとその背後の建物はミニチュアです。ミニチュアを爆破させた映像を、サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)の背後に合成で被せたものです。

ミニチュア撮影を担当したのは、こちらターミネーターが泳げず沈んだ巨大プールはT1,T2特撮工房で言及した、「Fantasy II Film Effects(ファンタジー2・フィルム・エフェクツ)」という会社で、このシーンのミニチュアはメイキング映像でも確認できます。

その他、未来の戦争シーン含め、ターミネーター1と2は、ミニチュアを随所に取り入れたSF映画でした。

そのタンクローリー爆破の後、サラ・コナーとカイル・リースは、この茶色の建物内に逃げ込みます。
ターミネーター・サイバーダイン社の入口

そしてこの建物が実はサイバーダイン社の工場で、ターミネーターT-800の飛び散った破片を拾った社員によって技術革新が進んでしまい、スカイネットの開発が促進されてしまう・・・というオチがターミネーター1と2でした。

『ブルーサンダー』の見所・解説

ベトナム帰還兵

ブルーサンダーの主人公フランク・マーフィー(ロイ・シャイダー)は、ベトナム帰還兵という設定で、ベトナムでのヘリ操縦中の出来事がトラウマとなり、PTSDによる悪夢・幻覚に終始うなされていました。

この1980年代というのは、ベトナム戦争の評価が盛んにおこなわれるようになった時代で、ハリウッド映画の中にもベトナム戦争がらみのネタが随所に盛り込まれていました。

例えば、前述『ターミネーター1』(1984)も、カイル・リース(マイケル・ビーン)のキャラクター設定には、ベトナム帰還兵の要素が盛り込まれており、その要素は『エイリアン2』(1986)『ターミネーター2』(1991)にも続いています。
→詳細:T2サラも愛用のカイル・リースのコートの怪

日本のお茶の間でもお馴染みの映像

『ブルーサンダー』の主人公フランク・マーフィー(ロイ・シャイダー)が所属する「ロサンゼルス市警察航空隊って何なの?」という疑問は、映画を観れば一目瞭然ではありますが、この組織は日本でもかなりおなじみです。

アメリカからのニュース動画などで、警察が犯人を追いかけてカーチェイスし、車を乗り捨てた犯人を住宅街に追い詰めて逮捕するシーンなどがよく流されますが、あの映像を上空ヘリから撮影しているのが、この主人公フランク・マーフィー(ロイ・シャイダー)が所属する「市警察航空隊」のお仕事の1つです。

上空から犯人を追いかけて、夜間はライトで照射して、犯人の居場所を地上の警官に知らせ、地上の警官のバックアップをする・・・などが基本のお仕事で、この映画『ブルーサンダー』の冒頭のほうでも、そのお仕事紹介がてら、描かれていました。

1980年代ムービーならではのメチャクチャさ

1980年代の映画特有の、破天荒な描写も見所の1つです。

例えば、人々が生活している(誰も避難していない)ロサンゼルスのダウンタウンのど真ん中で、F-16戦闘機がミサイルをオフィスビルに撃ち込んだり、ブルーサンダーがふつうのマンションらしき建物に、ガトリング砲を撃ちまくったり・・・と、現在の映画では倫理上、またはポリコレ上、なかなか見られない描写がてんこ盛りで、今となっては貴重な映像表現のオンパレードです。

また、撮影当時は現代のようなCG技術は発達してしなかったので、ロサンゼルス上空を実際にヘリを飛ばして、ヘリチェイスなどの撮影をおこなったのも、見所の1つです。ヘリの窓から見える外の景色映像は、一部合成映像が使われているものの、ほとんどの映像が、実際にヘリを飛ばして撮影されており、現代のVFX映画と違って、リアル感があります。

カシオ(Casio)AA-85

1980年代から現在に至るまで、ハリウッド映画とカシオの腕時計は、切っても切れないような関係が続いており、カシオの腕時計は映画に華を添える貴重な小道具として、数々の映画に登場します。特にカシオは「個性的で"映える"」せいか、アクション映画との相性が良いようです。

この映画『ブルーサンダー』では、デュアル画面が売りの カシオAA-85 が何度も登場します。
カシオ 腕時計 AA-85
  • CASIO AA-85
  • モデュール No. 103
  • JAPAN D(日本製)
  • STAINLESS STEEL BACK(ケース表面はプラに銀メッキ)

映画の冒頭から、主人公フランク・マーフィー(ロイ・シャイダー)が、上記のロサンゼルス市警察航空隊のヘリポート内で、出動前に、腕にはめたカシオ AA-85 のカウントダウン機能(60秒減算タイマー)を使って、自分の「時間感覚試し」をおこなって遊んでいます。

また、同じくカシオ AA-85 のカウントダウン機能(60秒減算タイマー)を使って、三角コーンをすり抜けながら駐車場を出ていくタイムを競うのを日々のルーティンにしていたり、「時計見せてよ」という子供にこのカシオ AA-85を渡して見せてあげたり・・・と、何度もカシオ AA-85が登場する不思議な映画となっています。

実際には、このカシオ AA-85 には「60秒減算タイマー」機能はないのですが、あたかもそのような機能があるかのように操作を工夫して「見せて」(←撮影時は左下ボタンを押さえ続けている、という小細工がおこなわれて)います。

カシオ AA-85は「2WAY デジタル(デジアナ クオーツ)」が売り文句で、 同じ液晶画面にてデジタルとアナログを全面切り換えで表示できる「デュアル画面表示」が特徴です。そのため、とても繊細で故障(液晶漏れ)しやすく、現在ではかなりレアで、相応のビンテージ価格(高値)が付いて、ネットオークションなどでたまに売られています。

カシオはここ数年、
  • 「F-100」を復刻した「A100」
  • 「52QS-14」を復刻した「A1100」
  • 「CA-50」を復刻した「CA-500W」
など、ビンテージ物を次々と復刻しているので、このブルーサンダーのAA-85もいつか復刻される日が来るかもしれません。

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