黒歴史化したターミネーター3を別の見方で楽しむ方法

ターミネーター

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映画『コマンドー』の名言集の1つ、

When I promised to kill you last? I lied.
お前を最後に消すと言ったな。あれは嘘だ。
→詳細:「あれは嘘だ」で「放してやった」場所(コマンドー)

のオマージュのような"I lied."(あれは嘘だ。)のセリフがある『ターミネーター3(原題:Terminator 3: Rise of the Machines)』(以下,T3)。

完全黒歴史化してしまったT3ですが、ゴミ化させるだけではもったいないので、違った見方で楽しむ方法を記しておきます。

T-850は実はスカイネットが送った悪役だった

その楽しむ方法とは、シュワちゃん演じるT-850は、実はスカイネットが送った悪役だったのでは?というもの。

嘘をつくT-850

T3の劇中では一応、(T-850の自己申告で)「未来のケイト・ブリュースターが送った」ということになっていますが、劇中でも、

I lied. (嘘をついた/あれは嘘だ。)

とあるように、T-850は都合よく臨機応変に嘘をつきます。ケイト・ブリュースターに対してさえも。

よって、T-850が述べたことには嘘が含まれている可能性は否めません。

そもそも本当にケイト・ブリュースターがT-850を送るのであれば、自分(ケイト)の父親が殺されるのを防ぐために、もっと余裕があるさらに前の時間にT-850を送るはずです。

また、劇中、

It is your destiny. Judgment Day is inevitable.
これは君の運命だ。審判の日は避けられない。
(T-850のセリフ)

ともT-850は述べています。審判の日があたかも既定路線であるかのようなこのセリフは、とてもケイト・ブリュースターによって再プログラムされたマシーンが発するような内容ではありません。

よって、T-850が述べた「ケイト・ブリュースターがT-850を送った(人類側がリプログラムしてT-850を送った)」というのは信憑性が低い、ということになります。

T3では未来の保持が重要

T3の未来では、すでにジョン・コナーはT-850によって抹殺されているとのこと。つまり、すでに未来はスカイネットにとっては好ましい状況になっており、T3の未来を維持することがスカイネットにとって最重要。

T3の未来を維持するには、T3のポンコツ・ジョンコナーがケイトに出会い、かつ生き延びてくれないと困る。そして間違ってもジョンコナーに「審判の日」を邪魔してもらっては困る。そこでその状態を実現するためにスカイネットが送ったのがT-850とT-X。

ジョン・コナーがケイトとの関係を維持した状態で「審判の日」を迎え、未来に突入すれば、スカイネットが望んでいた未来となる。ケイトと一緒になることで、ジョン・コナーに弱点ができるのか、ケイトとマッチングさせて未来へ続けさせれば、もはや未来においてジョン・コナーは脅威ではない。

そこでT-850はジョンコナーには「審判の日を止めるのはもう間に合わない」と説明して、ひたすらシェルターへ誘導しようとする。

T-Xは「おとり」、バトルは「茶番」

T-Xとのバトルは、ジョンやケイトの注意をそらせ、信じ込ませるための、あくまで「茶番」。
T-Xは、ジョンとケイトをシェルターに確実に移動させるための「おとり」に過ぎない。

そしてT-850はジョン・コナーとケイト・ブリュースターが「審判の日」発生を邪魔しないよう、巧みに時間稼ぎをしながら避難施設へエスコートして、核戦争発生という既成事実を作り出します。

スカイネットが送ったから「ケイト・コナー」になっていることを知らなかった

T3ではT-850を送ったのは、未来の「キャサリン(ケイト)・ブリュースター」である、と言っています。
T-850: It was Katherine Brewster who reprogrammed me and sent me back through the time displacement field.

T-850: 「私を再プログラムし、タイムマシーンで私を送ったのは、キャサリン・ブリュースターだ。」

未来(T4)では「ケイト・コナー」になっているのですが、このT-850はスカイネットが送ったために、そうした人類側の内情・・・「キャサリン(ケイト)・ブリュースター」が「ケイト・コナー」になっていることを知らなかったのかもしれません。
→関連記事:ケイト・ブリュースターではないT4はT3の続編でもない事実

そもそもT-850もT-Xも必要なし

そもそもなのですが、T3の設定では、現代においては軍のコンピューターが勝手に暴走して審判の日が起きるわけなので、いちいちT-Xが現代に来て何かする必要もないのです。

未来においてジョン・コナーの抹殺も成功しているので、現代でジョン・コナーを"Primary Target"としてT-Xがねらう必要もありません。

人類側がT-850を現代に送ったタイミングもいまいち不明です。T-850を捕獲してリプログラムして送るなら、その未来でジョンが抹殺される直前であるべきでしょう。
もしくは、「審判の日」を十分に止められる時間的余裕がある、T3よりもずっと前の日時に送るべきでしょう。

「審判の日」はいずれにしても発生しているので、スカイネットにとって、ケイト・ブリュースターはいてもいなくてもどっちでも良し。

ということで、そもそもターミネーター3は、その映画自体、存在意義があるのか?というと「無い」。壮大なる茶番映画だった、ということになりますが、いずれにしてもドンチャン騒ぎのコメディ・アクション・セルフパロディなポップコーン映画としては楽しめるようになっています。

その他のT3のおもしろい見方

上記以外にも、『ターミネーター3』は、冒頭でバイクの転倒事故を起こしたジョン・コナーが、脳震とうを起こしている間に見たすべて夢だった・・・との見方もあります。言われてみるとT3は最後のシーンまで夢っぽい画面に見えます。

同様に、『ターミネーター・ニューフェイト』もすべて、南米グアテマラのビーチで、ボーっとジョン・コナーを見つめるサラ・コナーがうたた寝に落ちた際に見たすべて夢だった・・・との説もあります。T2を見てもわかるように、サラ・コナーは超リアルな悪夢を見る傾向があるようです。

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