「あれは嘘だ」で「放してやった」場所(コマンドー)

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コマンドー放してやった

映画『コマンドー』(Commando、1985年)といえば、5分に1回程度以上の割合で名言が登場する「名言のデパート」みたいな映画ですが、その数ある名言の中に、

I lied.
あれは嘘だ。
I let him go.
放してやった。

があります。

その「あれは嘘だ。」で「放してやった。」名シーンが撮影されたロケ地はこちら。

コマンドーで「放してやった」場所

映画コマンドーのロケ地

ユニバーサルやワーナーブラザーズ、ディズニーなど各映画スタジオが密集しているバーバンクの裏山に位置しているため、ハリウッド映画のお馴染みのロケ地となっている、グリフィス・パークがこのシーンのロケ地となっていました。

映画の中では上から見下ろすように角度をつけて撮影しているので、かなりの崖のように見えますが、実際の現場は意外となだらかな斜面となっています。

ちなみにこのシーン、メイトリックスがサリーを抱きかかえた際、サリーの左足首から上にロープが伸びているのがチラっと見え、別の力で吊り上げていることが確認できます。サリーの左足首が終始、上に上がっているのはそのためです。


ここは道路脇の、ちょっとした駐車場兼見晴らし台スペースになっているので、ドライブがてら立ち寄って休憩するにはちょうどよい場所です。

「あれは嘘だ。」で「放してやった。」シーンの前のカーチェイスも、このグリフィス・パーク内の道路で撮影されており、カーチェイス・シーンの背後には、グリフィス・パークの特徴的な街灯が映り込んでいます。
コマンドーとバックトゥザフューチャー
実はこの特徴的な街灯は、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(Back to the Future、1985年)のデロリアンの背後にも映り込んでいます。
→関連記事:タイムトラベル発着の名所グリフィスパーク

映画やドラマの中で、この形状の街灯と森のような場所がワンセットに映っている場合、そのロケ地はグリフィス・パークである可能性が高いです。

1980年代の低予算映画の鏡

上のグリフィス・パークの例に漏れず、映画『コマンドー』は、飛行機で11時間かかる中南米の「バル・ベルデ共和国」を舞台にしたり、と設定上は「国際的」なのですが、実際はすべてカリフォルニア州内、それもロサンゼルス近郊だけで撮影されており、TVドラマよりお金を掛けていないのではないかと思えるくらいの低予算であることが、ロケ地の小ぢんまり感からもうかがえます。

しかもロケ地のみならず、映画の中で同じシーンをそのまま何回も使いまわしたり、映像を反転させて使いまわしたり、と尺稼ぎの水増し技法が取られています。
→詳細:映像使いまわしでコスパ最強映画「コマンドー」

映像使いまわしは、1985年の映画『ランボー2/怒りの脱出』でもおこなわれており(→詳細:「ランボー2怒りの脱出」の一瞬の迷シーン)、「なんでもあり感」がハンパありませんが、1980年代は「グレムリン」「ターミネーター」など、低予算ながらも枠にとらわれない、良質で生きが良い映画がたくさん作られた時代でもあり、「コマンドー」もそんな低予算映画の代表格と言えます。

コマンドーとターミネーターの互換性

そんな1980年代の映画「コマンドー」と「ターミネーター」にはちょっとした親和性というか、互換性のようなものがあります。

名言1:問答無用の"Wrong."

映画「ターミネーター」では、アラモ鉄砲店にて「(銃に弾を込めたら)だめだよ。」と言う店主に対して、シュワちゃんT-800は、

Wrong.「いいんだ。」
という言葉とともに、問答無用に銃で撃ちます。

一方、映画「コマンドー」では、前半の山小屋のシーンにて、敵ボスからのメッセージをあれこれ伝えて「Right?(条件が分かったか?)」と言う敵方の使者に対して、

Wrong.「いいや。」
という言葉とともに、問答無用に銃で撃ちます。

ここでの決め言葉" Wrong. "というのは、You are wrong.(お前が言っていることは間違っている)というニュアンスの言葉です。

コマンドーでもこのセリフを溜めて発していることから、「ターミネーター1」の同セリフへのオマージュであるとみられます。

名言2:"I'll be back."

コマンドーでは、ジョン・メイトリックス大佐(シュワちゃん)が、空港にて、
I'll be back, Bennett!
と、ターミネーターでの名セリフ"I'll be back."も発することから、前述の"Wrong."と併せて、ターミネーター・ネタが意識して盛り込まれているのもお楽しみどころの1つです。
→詳細:I'll be back.(また来る)ターミネーター名言集

名言3:「あれは嘘だ。」はT3でも再登場

逆に、「コマンドー」で使われた名言を、ターミネーター・シリーズに転用した例もあります。

上述の「放してやった。」のシーンの、「あれは嘘だ。」とまったく同じセリフが、映画「ターミネーター3」にて、シュワちゃんT-850が発します。

ケイト・ブリュースターをトラックの荷台に閉じ込める際、ジョン・コナーの居場所を教えたら「放してやる」という流れで、

I lied.
あれは嘘だ。

と、「コマンドー」と同じような状況で、同じセリフをギャグ的に使います。
「ターミネーター3」のこのシーンは、「コマンドー」をよく知っている人は2倍楽しめる、お笑いシーンとなっています。

シュワちゃんお馴染みのグリフィス・パーク

さらに、グリフィス・パークといえば、シュワちゃんお馴染みのロケ地でもあります。

ターミネーター1(1984)

『ターミネーター』(The Terminator、1984年)では、シュワちゃんターミネーターT-800が、タイムトラベルで降り立った地点が、このグリフィス・パークにあるグリフィス天文台です。

その地点は約40年経とうとしている現在も、当時とほとんど変わっていません。
→詳細:タイムトラベル発着の名所グリフィスパーク

ターミネーター3(2003)

映画『ターミネーター3』(Terminator 3: Rise of the Machines、T3、2003年)では、墓地での銃撃戦のあと、霊柩車でのT-Xのチェイス&バトルのシーンが、このグリフィス・パークで撮影されていました。
ターミネーター3のロケ地

以上、シュワちゃん映画に何かと所縁がある、ロサンゼルスのグリフィス・パークでした。

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