ターミネーター全作品の、アメリカの映画評論サイト「Rotten Tomatoes(ロッテントマト)」における高評価順に、ランキングとしてまとめました。
参考:https://www.rottentomatoes.com/search?search=terminator
ロッテントマトは必ずしも全てがあてになる、というわけではありませんが、1つの参考としては楽しめます。
1位:【100%】ターミネーター1
ターミネーター全作品の中における第1位は『ターミネーター』(The Terminator / T1 / 1984年)でした。T1があっての後続作品なので、T1が1位なのは大いに納得ですが、ただ100%というのは「ない」数字なので、これは評論家の「思い出補正」もかなり加味されていると見受けられます。
ロッテントマトは1999年に始まったものなので、T1公開の1980年代当時の評価であれば、また違った評価になっていることでしょう。
ターミネーター作品で唯一、ロッテントマトでのジャンルが「Mystery&thriller(ミステリー&スリラー)」と表記されていることからもわかるように、T1は当時は「13日の金曜日」など一連のホラー映画ブームに乗って作られた、ただのホラー映画(B級SFホラー)の扱いでした。
実際、ジェームズ・キャメロン監督のその前作は大失敗に終わったホラー映画『殺人魚フライングキラー』で、そこからの再起をかけて、「ターミネーターの権利」を1ドルで売る代わりに監督する権利を買ったのがT1でした。
当時を知る者としては、確かにT1はそこそこヒットし、話題にもなりましたが、世間はそこまでの高評価ではありませんでした。ポスターを見てもわかるように、説明書きだらけで、説明しないと分からないような映画でした。それが熟したワインのように、後からさらに評価が上がったパターンです。歴史的価値(「思い出補正」とも言う)も付与された結果の現在の評価であることは間違いないでしょう。
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2位:【93%】ターミネーター2
第2位は『ターミネーター2』(Terminator 2: Judgment Day / T2 / 1991年)でした。これは順当な数字ではないでしょうか。T1のロッテントマトでのジャンルがMystery&thriller(ミステリー&スリラー)になっているのに対し、T2は単純にAction(アクション)となっていますが、実際はファンタジー要素もかなり強いと言えます。
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3位:【85%】ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ
意外かもしれませんが、ターミネーター全作品の中において、第3位に着けているのが実は『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』(Terminator: The Sarah Connor Chronicles / TSCC / 2008-2009年)です。玄人受けする作品で、「深さ」を追求したい人にウケる内容となっています。
- ターミネーター全作品の中でジョン・コナーもサラ・コナーも生き続けている唯一の作品
- 第三極サイボーグレジスタンスによるシンギュラリティ2.0のオリジナリティあふれる斜め上ゆく内容
- シュワちゃんに一切頼らないキャスト完全一新の潔さ
- 「ジェニシス」や「ニューフェイト」のように、とにかくジェームズ・キャメロン名の前面出しに頼らない潔さ
などが特徴として挙げられます。
さらに面白いのが、実はシーズン1よりシーズン2のほうが評価が高い、という点です。 「サラコナークロニクルズはシーズン2になってグダグダになった。」と見誤る人もいるようですが、実はシーズン2のほうがダントツにおもしろいのがTSCCで、A.I.やシンギュラリティという事象が身の回りで一般的になっていくに従って、TSCCも後になるほど評価が高くなっていくパターンと考えられます。
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4位:【70%】ターミネーター・ダークフェイト
第4位は『ターミネーター: ニュー・フェイト』(Terminator: Dark Fate / 2019年)でした。このあたりがロッテントマトの評価の信憑性に疑問が投げかけられるところで、大赤字で大コケ爆死した実情に反して、ロッテントマトの評価との間に不可思議なギャップが生じています。これは、- 映画館での観客の年齢層(10~20歳台も多い)に対し、ロッテントマトの投稿者の年齢層は高い・・・だから懐古趣味的なところやリンダ・ハミルトンへの評価なども違ってくる
- 観客と批評家でのポリコレ評価の違い
このあたりはこちらロッテントマトがあてにならない映画の具体例にまとめてあります。
全般的にどの映画レビューサイトでも、ターミネーター・ニューフェイトの評価は、内容に対してではなく、ほとんどがリンダ・ハミルトンが単に出演していることへのご祝儀評価が多数を占めており、逆に言えば、リンダ・ハミルトンが出演していなければ、後述の最下位作品と底辺を競っていたことは想像に難くありません。
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5位:【69%】ターミネーター3
第5位は『ターミネーター3』(Terminator 3: Rise of the Machines / T3 / 2003年)でした。ジャンルはアクションとなっていますが、正確にはT3はコメディ・アクションと言ったほうがいいほど、(内容の深刻さの割には)お気楽なギャグ&コメディ調の仕上がりとなっていました。TOMATOMETER(トマトメーター)は「ニューフェイト」とドングリの背比べとなっているのがうなずけるほど、T3とニューフェイトには酷似点が多数あります。例えば、
- 敵方ターミネーターが液体金属をエンドスケルトンにまとったターミネーターであること、
- 最後は動力源を敵に突き刺してシュワちゃんがおいしいところを全部持っていくところ、
- T3ではサラコナーが死に、ニューフェイトではジョン・コナーが死んだだけ、
- どちらの作品もT1とT2を全否定、結局T1とT2は無駄だった・・・という主旨の作品である、
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6位:【33%】ターミネーター4・サルベーション
作品がちゃんと作られている割には評価が低く、第6位なのが『ターミネーター4』(Terminator Salvation /サルベーション / T4 / 2009年)です。T4の特徴としては、
- ターミネーター作品で唯一タイムトラベルがなく、ターミネーターっぽくない(戦争映画)
- ターミネーター作品で唯一、ずっと未来が舞台
- 一人の標的を終始追いかけてくる同一個体の刺客がいない(のでターミネーターっぽくない)
- 俳優の若い頃の顔をCGで再現する映画の先駆け(T-800シュワちゃん顔の再現)
- 登場するロボット(サイボーグ)の種類がターミネーター史上、最多
といった点が挙げられます。
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7位:【27%】ターミネーター・ジェニシス
第7位(最下位)は『ターミネーター: 新起動/ジェニシス』(Terminator Genisys / 2015年)でした。ここまで低いと評価はあってないようなもののように感じますが、映画公開当時は、ジェームズ・キャメロンを前面出しにした大宣伝が目立ち、とにかくジェームズ・キャメロン!という感じでした。→詳細:「ジェニシスこそターミネーター3だ」ジェームズ・キャメロン語録
この映画の最大の売りは、CG(VFX)による若いシュワちゃん顔の再現度・・・若いT-800 VS 老T-800 のシーンなのですが、逆にいうとそれしか見所がなく、最初の20分間で見所が尽きてしまうため、海外では「20 minutes movie(20分間映画)」と揶揄されています。
また、エンディングに中国人歌手を登用するなど、ターミネーター映画の中国化(中国媚び)が始まったのも、このジェニシスからでした。
→詳細:ターミネーター映画大失敗の致命的な原因
そのため中国ではその中国人歌手の部分だけは評価されましたが、全般的に海外での成績も散々なもので、結果として、ジェニシス発の新三部作計画は頓挫し、黒歴史化されることになりました。
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【まとめ】 ターミネーター全作品の、ロッテントマトにおける評価を表にまとめると上図のようになります。
- 批評家の評価だとニューフェイトとT3がドングリの背比べ、
- 観客の評価だとT3、T4、ジェニシスが団子状態のドングリの背比べ、
- T1、T2、TSCCは上位で安定評価、批評家も観客もほぼ同等な評価をしている
ということが分かります。
ロッテントマトの日本語版はあるの?
最後に「ロッテントマト」で検索すると、「ロッテントマト 日本語」という検索推奨キーワードが並列されるのですが、これはロッテントマトを日本語で読みたい、という需要が一定数あることを示唆しています。残念ながら、ロッテントマトに日本語版(日本語対応サイト)はありませんが、Googleが提供するwebブラウザのChromeに付いている日本語への翻訳機能を使えば、下図のように、各レビューも含めたロッテントマトを日本語表示で閲覧することはできます。 但し、これはGoogleの自動翻訳なので、文章としてはおかしな所は多々ありますが、単語を追っていけば、書いてあることはかなり日本語で理解できますので、英語ができない方は、Chrome(クローム)の自動翻訳機能を使えばロッテントマトを楽しめるかもしれません。