未来でのスカイネットに協力して働くGrays(グレー・・・人間だけどマシーンのために働く人間の裏切り者。白でもない黒でもない中間色の灰色・・・人間でもない機械でもない、の意味)であるチャールズ・フィッシャーをジェシーが現代で偶然見かけ、拉致してコンテナの中に監禁した倉庫。
(「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」シーズン2第9話「フィッシャー / Complications」)
そのコンテナがあった倉庫のロケ地はこちら。
フィッシャーを監禁した倉庫
Film Location
- Warner Bros. Studios "Building 41"Transportation
URL: https://studiooperations.warnerbros.com/transportation/
- 4000 Warner Blvd, Burbank, CA 91522 U.S.A.
- 座標: 34°08'47.1"N 118°20'25.7"W
34.146411, -118.340465
- Warner Bros. Studio Tour Hollywood(スタジオツアー)
URL: https://www.wbstudiotour.com/ja/
この倉庫も「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」では何度も登場した、ワーナーブラザーズ・スタジオ(バーバンク)の41番のビル・Transportation(交通輸送・車両)セクションの作業場兼倉庫に、コンテナを複数搬入して使われていました。
窓の形状とデザイン、その配置が特徴的なので、画面に映るとすぐこの倉庫であることが分かります。
ふだんは、撮影に使うための車両の改造やメンテナンスがおこなわれている倉庫です。
頻出のロケ地
ここは、これまでサラ・コナー・クロニクルズでは、- ジョン・コナーのリーダー資質が見えた自動車整備場
- エリソンがクロマティの体を引き渡した倉庫前
- 人類の救世主シドニー生誕の倉庫
- サラ・コナーが発信機を埋め込まれた会社の倉庫
- サバンナ・ウィーバーを救出後かくまった倉庫
のロケ地としても使われており、かなりおなじみの場所です。
スタジオ・ツアーで倉庫に入ることができる
この41番ビルの建物は、北半分がビジター用の展示スペースとなっており、ワーナーブラザーズ・スタジオツアーに参加すれば、撮影に実際に使われたバットマンのバットモービルやバイク(バットポット)などを見学することができます。 また、それ以外にも、スパイアクション・コメディのTVドラマ『CHUCK/チャック』に登場した、NERD HERDと書かれたTOYOTA YARIS(トヨタのヤリス)車も展示されていたことがありました。ちなみに、その見学の際には、この建物の南半分が実は「映画やドラマのロケ地としてよく使われている」という案内は、なぜかありません。
WBスタジオの西端に位置しているため、この建物の外観だけなら、ワーナーブラザーズ・スタジオに入らなくても、スタジオの外の一般道(West Olive Ave)から最上図のように門塀越しに見ることができます。
このフィッシャーのシーンの見所・解説
「時間」(時間軸変位の複雑性)がテーマ
このシーズン2第9話は邦題は「フィッシャー」となっていますが、英語の原題は「 Complications 」であり、そのタイトルの通り、変位した2つの時間軸(パラレルワールド)が交錯するという、かなり「複雑」な構成になっています。- 最初、デレク・リースは「タークがスカイネットになった未来」にて、Hoo-roo(フール―/さよなら)の言葉とともにジェシーと基地で別れ、その後デレクはタイムトラベルの任務に着任。ジェシーは潜水艦の任務でパースへ。その帰りにコナーの箱を運ぶ任務へ。
- 過去(現在)ではサラ・コナーがターク1号を燃やすが、アンディ・グードはターク2号を開発。
- 過去(現在)に飛んだデレクは、タークを作ったアンディ・グードを暗殺。しかしターク2号はゼイラ社が入手しジョン・ヘンリーになる
- しかし「ダニー・ダイソンが作った?AIがスカイネットになる未来」となる時間軸に切り替わり、その未来からフィッシャーとジェシーが現代にやって来る。
つまり、デレク・リースがやってきた元の未来①と、ジェシーがやってきた未来②に若干のタイムラグがあり、その間に、未来に変位(誤差)=パラレルワールドが生じてしまった・・・という、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいな「時間の変位」がもたらす「複雑性」が、このシーズン2第9話のテーマとなっています。
未来を変えてしまったサラ・コナー(ターミネーター・ニューフェイトの元ネタ)
上述のデレク・リースとジェシーの時間軸(記憶)のズレの原因は、このターク開発者アンディ・グードの家にて、サラ・コナーがターク1号を燃やしてしまったからです。サラコナーが「ターク1号を燃やしたこと」は、ターミネーター2におけるサラコナーが「サイバーダイン社を爆破したこと」と同等です。
この「スカイネットの元を退治したら、別のスカイネット(みたいなもの)が出来て違う時間軸になった」という時間軸の変位の仕方は、「ターミネーター・ニューフェイト」と同じです。
つまり、「サラ・コナー・クロニクルズ」のこの一連の因果関係は、「ターミネーター・ニューフェイト」の元ネタ、と言えます。
「サラ・コナー・クロニクルズ」には、ジョン・コナー以外にもスカイネットのターゲットとなる重要人物が存在し、その人を守る・・・という「ターミネーター・ニューフェイト」の元ネタのようなネタがたくさん存在します。
例えば、命の恩人の幼い頃を見に行く・・・という「ニューフェイト」のエンディングのネタも、すでに「サラ・コナー・クロニクルズ」において、このデレクとカイル・リースが野球をしていた公園のシーンにて映像化されており、放送当時、好評だったシーンでもあります。
「ターミネーター・ニューフェイト」が「サラ・コナー・クロニクルズ」をコピペしたような映画であることが分かります。
こうしたオリジナリティの無さも、「ターミネーター・ニューフェイト」が大コケした原因なのでしょう。
老若どちらのフィッシャーを消せばよかったのか?
この倉庫のシーンでは、老フィッシャーと若いフィッシャーのどちらを消せばよかったのか?とデレクとジェシーは選択を迫られます。また視聴者も考えさせられるものがありますが、結論としては、どちらのフィッシャーを消しても「時すでに遅し」で、この新たな時間軸での未来はそれほど変わらないことがうかがえます。なぜなら老フィッシャーがすでに軍事コンピューターへアクセスしてバックドアを仕掛けてしまったからです。
若いフィッシャーを消せば、未来においてフィッシャーは消えるので、デレク・リースが未来でフィッシャーに拷問される、ということはなくなりますが、スカイネットはすでに存在することにはなるので、それほど大きく未来は変わらないことが推測できます。
では老フィッシャーを消したら、劇中であったように、若いフィッシャーが牢獄の中で人間の行動原理を学び、牢獄の中にいたおかげで「審判の日」を無事に生き延びることができ、老フィッシャーが語っていたグレーのフィッシャーが誕生する未来が再来することになります。
しかし、一方で、ターク2号がジョン・ヘンリーになったので、そのことがどのようにこの未来を変えていくのか/変えないのか?は想像にて楽しむところとなるのでしょう。
とても難解で複雑ですが、それゆえ、このシーズン2第9話の原題は「Complications(複雑性)」になっているわけです。
# Terminator Sarah Connor Chronicles 209 Charles Fischer