映画『ターミネーター2』(Terminator 2: Judgment Day、T2、1991年)に登場したジョン・コナー(エドワード・ファーロング)は、以下のような、黒地に白文字のTシャツを着ていました。
はたしてこのTシャツは、現在、手に入るのでしょうか?
T2でジョン・コナーが着ていたTシャツ
結論から書くと、同じデザインのTシャツは現在でも購入することができます。Public Enemy Tシャツ
Public Enemy と大きく印字されたこの黒Tシャツは、アマゾン(↑)などネット通販で購入することができます。
Public Enemy の意味
Public Enemy(パブリック・エナミー)とは、公共の敵、社会の敵、公開捜査中の凶悪犯、お尋ね者・・・といった意味です。同名のラップ・グループやジョニー・デップ&クリスチャン・ベール主演の映画『パブリック・エネミーズ』(Public Enemies、2009年)などもあります。
T2のジョン・コナーの場合、ターミネーターにねらわれている「お尋ね者」というシャレの他にも、このTシャツには以下のような解釈ができます。
ジョン・コナーの複雑な心理を表した衣装
なぜT2でジョン・コナーの衣装がこれになっていたか?というと、それは、ジョン・コナーというキャラクターの背景と外見に統一性を持たせるためです。ジョン・コナーと言えば、1984年の『ターミネーター1』での事象をふまえて1985年2月28日に、避難先の中南米で生まれます。そしてそのまま幼少期を母親サラ・コナーのもとで中南米を転々としながら、「未来で救世主になる」という母親に言われ続け、未来に備えて銃火器の基礎的な訓練なども受けて育ちます。
しかし、そんな母親の教えとは裏腹に、アメリカにもどってみると、母親は逮捕、べスカデロ警察病院に収監されてしまい、「未来で救世主になる」世界とはまったくかけ離れた現実社会とのギャップに、ジョン・コナーはベトナム戦争帰還兵と同じようなギャップ・トラウマを抱え苦しむことになります。
そして幼少期から数々の犯罪に手を染めることになります。
詳細
の通り、ジョン・コナーは、10歳までにすでに、
- 1991年、6歳の時に TRESPASS(不法侵入)で逮捕、
- 1992年、7歳の時に SHOPLIFT(万引き/窃盗)で逮捕、
- 1992年、7歳の時に DIST. PEACE(治安妨害/迷惑防止条例違反)でも逮捕、
- 1993年、8歳の時に VANDALISM(破壊行為)で逮捕
といった犯罪履歴が警察のデータに記録されています。
T2では、ジョン・コナーは、迷彩柄のミリタリー調長袖シャツの下に、このPublic Enemy Tシャツを着ています。
- 迷彩柄のミリタリー長袖シャツは「未来で救世主になる」という世界線をうっすらと信じている、
- Public Enemyシャツは「(そんなことはない)自分は社会のお尋ね者だ」とのグレた屈折した思い、自虐性
といった、ジョン・コナーの、揺れ動く半々の複雑な心理状態を反映した衣装となっているのです。
そんな「審判の日など何も起こらない平和な世界線」を生きたジョン・コナーを地で行ったようなその後のエドワード・ファーロングの人生ですが、ある意味、エドワード・ファーロングは「芯からジョン・コナーだった」とも言えるのではないでしょうか。
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