映画やTVドラマの中での出来事は、画面の中に留まらず、日々、現実世界でも起きていたりするものです。
そんなフィクションと現実がシンクロするような出来事として、「原発を巡る攻防」というのも最近、現実世界で起きています。
原子力発電所をめぐる戦い
「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」シーズン2第2話「原子力発電所 / Automatic for the People」では、原子力発電所をめぐる戦いが描かれていました。未来において、人類抵抗軍の電力供給源となっているセラノ岬原子力発電所を、スカイネットが攻撃するお話です。
M141 SMAW-D
そこでスカイネットの飛行物体HK(ハンターキラー)に対して、人類抵抗軍が使っていたのが、M141 SMAW-D・・・M141掩蔽壕破壊弾(Bunker Defeat Munition、BDM、スモウ-D)です。M141 SMAW-Dは、現在、ウクライナにて、FGM-148 Javelin(ジャベリン)などと並んでロシア軍の戦車などに対して効果を発揮している重火器です。
The M141 Bunker Defeat Munition [SMAW-D] In Ukraine
https://www.youtube.com/watch?v=3DPFCwcC5_8
このM141 SMAW-Dで人類抵抗軍はハンターキラーを撃ち落とします。
こうした人類抵抗軍の激しい抵抗に遭った結果、未来での「Avila Beach(アビラ・ビーチ)の戦い」で、このセラノ岬原子力発電所を攻略できなかったスカイネットは、次の手段として、過去へ刺客を送って、原発で事故を起こし、原発を稼働停止へ追い込もうとします。
→詳細:セラノ岬原子力発電所
まずは原発が狙われるのも、ウクライナと「ターミネーター・サラコナー・クロニクルズ」で共通しています。
キャメロンの武器庫にもロケット・ランチャー
この手の炸薬兵器(ロケットランチャー系)は、サラ・コナー・クロニクルズでは未来だけでなく、現代でも登場していました。メキシコな教会での「銃撃戦」が展開したシーズン2第8話「銃撃戦 / Mr. Ferguson is Ill Today」では、こちらのデレク・リースとキャメロンの武器庫内に ロケット・ランチャーの筒のようなものが置かれていました。 この映像だけでは定かではありませんが、現在、ウクライナで活躍しているFGM-148 ジャベリンを入れる搬送用の筒(円筒のケース)にも似ています。
TVドラマなので、映画に比べると、一見、派手さがないように見えますが、なにげにサラ・コナー・クロニクルズには、ヘビーな重火器がちょいちょい登場していました。 https://ja.wikipedia.org/wiki/M141_BDM
まるでスカイネットなロシア
「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」では、原子力発電所をめぐる攻防の他にも、スカイネットの細菌兵器による攻撃も描かれていました。→詳細:ウィルス兵器から人類を救った少女の物語
核攻撃の威嚇などを合わせると、ロシアがやっていることは、スカイネットがやっていることと同じで、ロシアはまさにスカイネットのように見えてしまいます。
規律なき自我に目覚め暴走を始めたA.I.と、「裸の王様」となり暴走を始めた独裁者・・・という構成も似ています。
ロシア軍の末端の兵士が暗号化されていない通信を使ってしまい、ウクライナ側が傍受したりしていますが、「サラ・コナー・クロニクルズ」でもスカイネットの末端で働かされている人間たちの暗号化されていない通信を、A.I.ジョン・ヘンリーが傍受したりしていました。
ターミネーター・シリーズで描かれていた未来は主に2027年~2029年です。現在はその2020年代にすでに入ってしまいました。
FGM-148 ジャベリンが活躍する映画
ロケット弾とミサイルの違いはありますが、前述のサラ・コナー・クロニクルズのM141 SMAW-Dとともにウクライナでの対ロシア戦で活躍しているのがFGM-148 ジャベリン。戦車相手に威力を発揮したことから、国を守る「聖ジャベリン」(St. Javelin)と呼ばれ、また、ウクライナが「1日に500基」の支援を要請したことでも有名になりました。
そのFGM-148 Javelin(ジャベリン)がどんな武器なのか?というと、これもまた映画で確認することができます。 その映画が、トム・クルーズ主演の『宇宙戦争』(War of the Worlds、2005年)です。
この映画ではM141 SMAW-Dとともに、FGM-148 Javelinも登場し、特に後半で、宇宙人が乗るtripod(トライポッド)を米軍がジャベリンで破壊します。
アメリカがウクライナにジャベリン対戦車ミサイルを供与したことで有名ですがここで宇宙戦争によるジャベリンの勇姿をご覧下さい pic.twitter.com/ZnU9xzwuKb
— (アルパカ) (@endroll_777) February 27, 2022
スカイネットやらターミネーターやら、宇宙人やら、完全にフィクションの創作物かと思いきや、映画の中のような出来事は現実世界で起きてしまっていることが、重火器を通じても分かります。