Come with me(一緒に来い)ターミネーター名言集

ターミネーター

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死にたくなければついて来い

ターミネーター・シリーズの名言集の1つに、

Come with me if you want to live.
(Come with me if you wanna live.)
生きたければ/死にたくなければついてこい。

があります。

日常生活ではあまり使う機会がなさそうな言葉・・・と思いきや、今、ウクライナの人々がまさに必要としている「救いの手を差し伸べる」意味の言葉となっています。

そんな"Come with me if you want to live."ですが、ターミネーター・シリーズの中では、実は"I'll be back."よりも使用頻度が高い(多く使われている)名セリフであることに気づいている人はどのくらいいるでしょうか。

Come with me if you want to live.
(死にたくなければついてこい)
登場の有無
T1 T2 T3 TSCC T4 T5 T6
×
  • 〇・・・そのままの文字列でその名言が登場する。
  • △・・・ほぼ同じ文字列がオリジナルを意識して登場する。
  • ×・・・その文字列では登場しない、もしくはオリジナルと似てはいるが異なる。

以下、作品ごとに "Come with me if you want to live."の登場シーンを解説していきます。

ターミネーター1

映画『ターミネーター』(The Terminator、T1、1984年)にて、カイル・リースがサラ・コナーに初めて掛けた言葉が、この"Come with me if you want to live."(生きたければ ついて来い/死にたくなければついてこい)でした。

クラブ・Tech Noir(テクノワール)で、ショットガン(イサカ37)でT-800シュワちゃんを吹き飛ばした後、カイル・リース(マイケル・ビーン)がこの言葉を発し、サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)を連れ出します。

ターミネーター2

映画『ターミネーター2』(Terminator 2: Judgment Day、T2、1991年)にて、シュワちゃんT-800がサラ・コナーに初めて掛けた言葉が、この"Come with me if you want to live."(生きたければ ついて来い/死にたくなければついてこい)でした。

このペスカデロ警察病院にて、サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)が逃走中に拘束されそうになった時に、T-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)がこのセリフを発し、「救いの手」を差し伸べます。

この時の様子は、「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」でも、シルバーマン博士によって語られています(後述)。

ターミネーター3

映画『ターミネーター3』(Terminator 3: Rise of the Machines、T3、2003年)には、この"Come with me if you wanna live."というセリフそのものは登場しません。

しかし、似たセリフは登場します。

墓地でT-Xの襲撃を交わした際、ジョン・コナーがケイト・ブリュースターに向かって、霊柩車の車内から、

Get in! Do you wanna live? Come on!"
乗るんだ!生きたいか?なら来い!

と叫ぶシーンがそれに該当します。これは"Come with me if you wanna live."に近い内容を、同じ文脈で使っていますが、「本人が助ける」という主体性が薄く、少し弱めです。

T3ではジョンコナー自身がケイトを救うご身分ではないため、「自分が積極的に救う」ニュアンスから離れた控えめな表現になっています。このように、セリフまわしにも「T3のジョンコナーの不甲斐なさ(残念なジョンコナー)」を印象付けてしまう要素があります。

ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ

TV版ターミネーターの『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』(Terminator: The Sarah Connor Chronicles、TSCC、2008~2009年)では、この"Come with me if you want to live."(生きたければ ついて来い/死にたくなければついてこい)のセリフは2回、登場しています。

1回目の"Come with me・・・"

1回目は、シーズン1第1話の このジョン・コナーとキャメロンが出会ったレッド・バレー高校にて、ジョン・コナーが危機一髪の瞬間、キャメロンがT-888クロマティを車で突き飛ばして、この"Come with me if you wanna live."の名言を吐き、ジョン・コナーを車に乗り込ませます。

そしてTSCCのこのシーンは「ターミネーター・ジェニシス」に完コピされることになります。(後述)

2回目の"Come with me・・・"

2回目は、シーズン1第7話「神の手 / The Demon Hand」にて、シルバーマン博士が 上述T2べスカデロ警察病院での当時の出来事をふり返るシーンにて、

And then the first one, the big one, I'll never forget, he reached out his hand and he said,
"Come with me if you want to live."
It was like God reaching out to man like the Sistine Chapel.
The hand of God.

そこへ忘れもしない。1人目の男が手を差し伸べてこう言った。
「死にたくなければ一緒に来い」 と。
システィーナ礼拝堂の劇画のように手を伸ばしていた。
神の手だ。

と、この名言と当時の描写が、T-1000の美しさとともに詩的に語られていました。
→詳細:シルバーマン博士の山小屋

ターミネーター4

映画『ターミネーター4』(Terminator Salvation、T4、2009年)では、カイル・リースの初セリフが、この"Come with me if you want to live."(生きたければ ついて来い/死にたくなければついてこい)でした。

T-600のミニガンによる銃撃の最中、カイル・リース(アントン・イェルチン)が、マーカス・ライト(サム・ワーシントン)に初めて掛けた言葉がこのセリフで、マーカス・ライトを助けます。
→関連記事:ターミネーター出演者の故人を悼む

ターミネーター5(ジェニシス)

映画『ターミネーター: 新起動/ジェニシス』(Terminator Genisys、T5、2015年)にて、サラ・コナーがカイル・リースに初めて掛けた言葉が、この"Come with me if you want to live."(生きたければ ついて来い/死にたくなければついてこい)でした。

サラ・コナー(エミリア・クラーク)が、カイル・リース(ジェイ・コートニー)を襲撃したT-1000を車で突き飛ばしてから、このセリフを吐いて、カイル・リースを車に乗り込ませます。

つまり、T1とジェニシスでは、この名言の掛け手と受け手が真逆の構成になっているところが面白いところです。
この辺りからも、ジェニシスはT1の続編であることを意識して作られていることがうかがえます。
→詳細:【解説】ターミネーター・ジェニシスの時間軸と疑問解決

さらには、
  1. 危機一髪のところに颯爽と登場して車で敵方を突き飛ばし、
  2. "Come with me if you want to live."のセリフを吐いて車に乗せて救う、
という一連の流れは、上述の「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」の完全なるパクリと言えます。
→関連記事:サラクロに酷似点が多すぎるターミネーター・ジェニシス

ターミネーター6(ニューフェイト)

映画『ターミネーター: ニュー・フェイト』(Terminator: Dark Fate、T6、2019年)では、"Come with me if you want to live."とまったく同じセリフは登場しませんが、似たセリフが同じ文脈で登場します。

自動車工場でダニーがRev-9に襲われそうになった時、助けに入ったグレースが、

You come with me or you're dead in the next 30 seconds. Come on!
私と一緒に来ないと30秒で死ぬから。来て!

とダニーに向かって叫び、ダニーを連れていきます。

おそらく「死が迫っていること」を もっと具体的に伝える必要性から、このセリフに変わってしまったのか、はたまたティム・ミラー監督のひねくれ具合が影響してしまったのかはわかりませんが、「正統な続編」をうたうならば、素直に"Come with me if you want to live."でも良かった気はします。

まとめ

ターミネーターの「シリーズを通じて」の名言集といえば、


などの5つが有名ですが、"Come with me if you want to live."は"I'll be back."よりもシリーズの中で登場頻度が多い名セリフとなっています。そして"I'll be back."や"Come with me if you want to live."よりもさらにたくさんシリーズで登場している名言もあります。

ターミネーターの名言集は、"I'll be back."を除き、戦いの時や不穏な時、良からぬことが起きそうな時に使うようなセリフばかりです。

こうした名言を使えるような現実世界に今、なってしまっていることはとても恐ろしいことではないでしょうか。

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