ウィルス兵器から人類を救った少女の物語

サラコナークロニクルズ ロケ地

t f B! P L


現実世界では、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)が人々を苦しめていますが、ターミネーター・シリーズにおいても、スカイネットがウィルス兵器を作って人間を攻撃したエピソードがあります。それが「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」シーズン2第12話「フィールズ一家 / Alpine Fields」。

核爆弾だとスカイネットも必要な電力やネット環境などのインフラを破壊してしまうので、はたして優秀なA.I.が人類抹殺に核爆弾を選択するのか?細菌兵器などのほうが効率的なのではないか?とかねがね疑問に思っていたのですが、ようやく「サラ・コナー・クロニクルズ」で取り上げられました。

スカイネットのウィルス兵器

スカイネットがバラまいたウィルスは、セリフから読み解くと、

Could be four hours till the symptoms hit, 20 before the bug kills you.
(発症まで4時間、そして20時間で死に至る)

Those gas masks, they won't help.You're already infected.
(そのガスマスクは役に立たない。もう感染してるわ。)

It starts with a dry mouth.
And then the sweats.
Then the fever and shaking starts.
And then your lungs fill up with fluid, and then you die.
(初めは喉が渇く。次に発汗。次に熱と震え。そして肺に水がたまって死ぬ。)

とのことで、新型コロナウィルスとは比較にならないくらい強烈なウィルスだったようです。

そのウィルスに対して、奇跡的に抗体を持っていた少女の誕生と救出に関する物語。ある意味、その少女「シドニー」はジョン・コナーよりも救世主とも言えます。

フィールズ一家の山小屋(The Fields' cabin in Alpine)

このシーズン2第12話の主戦場となるのが、フィールズ一家の山小屋。そのロケ地は以下の通り。

Film Location

  • Warner Bros. Studios (Backlot)"Jungle Lagoon" AREA
  • 4000 Warner Blvd, Burbank, CA 91522 U.S.A.
  • 座標: 34°09'00.1"N 118°20'03.8"W
    34.150028, -118.334389
  • Warner Bros. Studio Tour Hollywood(スタジオツアー)
    URL: https://www.wbstudiotour.com/ja/

物語のキーとなるフィールズ一家が訪れていた山小屋も、ワーナーブラザーズ・スタジオ内のバックロット「ジャングル・ラグーン」エリア内にある家屋とその周辺で撮影されていました。
実はこの家屋、「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」シーズン1第7話で登場したシルバーマン博士が隠居生活を送っていた山小屋と同じロケ地です。


それがバレないようにするためか、この「フィールズ一家」では家屋の外側の全体像がはっきりと映っているシーンはありません。しかし、上図のように断片的に映っている情報から、この家屋とその周辺で撮影されていることがわかります。


建物の内側の作りも一致します。サラコナーが工具類を取りに行った外の納屋の位置も一致します。


ただ1点、不思議なのは、劇中にドアがあったところにドアが見当たりません。


よくよく調べてみたら、劇中ドアがあった箇所に「切れ目」があることが外から見るとわかるので、必要な時にドアを付けたり壁に戻したりしているのでしょう。
その右側の三角屋根のところもドアになったり窓になったりしているので、ワーナーブラザーズ・スタジオのスタッフにとっては、壁をドアにしたり、それをまた埋めて壁にもどしたりするのは日常茶飯事の朝飯前なのでしょう。

尚、このバックロット(セット家屋)は、サラ・コナー・クロニクルズでは、


のロケ地としても使われています。

森(山)の中の車の衝突シーンやチェイスシーンも、この「ジャングル・ラグーン」全域を存分に使っていました。
→詳細:ターミネーター同士がバトルした森林

このバックロット「ジャングル・ラグーン」エリアは、その名前の通り、ジャングルなど密林に覆われたセットになっていて、森に囲まれた家屋や池のシーンを撮影するのによく使われています。
→関連記事:サラコナーとアンディが散歩した池
→関連記事:ターミネーターをバレットM82で倒した森林
→関連記事:ジョン・コナー【幼少期】がサバイバル訓練したジャングル

スタジオ・ツアーでもこの家屋のところにカートで連れていってくれることが多いです。

この「フィールズ一家 / Alpine Fields」の見所

ジェシーと潜水艦登場

原子力潜水艦(USS Jimmy Carter)の乗組員としてジェシーが初登場します(後のデレク・リースの恋人)。ターミネーター作品に潜水艦の設定が登場するのもこれが初で、人類抵抗軍の活動域に広がりが出てきました。そのUSS Jimmy Carterは、シーズン2第18話で詳しく登場します。
また、その後「ターミネーター4(サルベーション)」でも潜水艦は登場することになります。

ジェシーの英語がオーストラリア訛りなのは、演じたステファニー・ジェイコブセン(Stephanie Jacobsen)のバックグラウンド(香港生まれ、オーストラリア移住、シドニー大学卒業)をそのまま活かしたもの。

人類の救世主となった女の子の名前がシドニーになったのも、オーストラリアとアメリカを潜水艦で行き来しているジェシーに由来しています。

その人類の救世主シドニーを演じたHaley Hudson(ヘイリー・ハドソン)も、出番は少ないながらも印象的でした。

人間への皮肉

Have a little faith, mate. She'll be apples.
(信じれば実りあり。)
など、オージーイングリッシュとオーストラリア・ネタ満載のジェシーですが、製作者はスカイネットが人類を核戦争や細菌兵器で抹殺しようとしていることを、「オーストラリアが外来種のウサギを罠や毒を使って駆除しようとした」というジェシーのセリフで皮肉っています。

このシーズン2第12話はいろいろ複雑ですが、一つ一つのセリフが重く意味深です。

大汗をかき大量の水を欲しながらその話をするジェシーを見て、デレク・リースは、自分たちがすでにウィルスに感染し、時間がないことを悟ります。

ジョン・コナーが登場しない唯一のエピソード

実はこのシーズン2第12話「フィールズ一家 / Alpine Fields」、ジョン・コナー(トーマス・デッカー)が登場しません。サラの電話の通話先として一瞬、出る程度で姿・声はまったく登場しません。

サラ・コナー・クロニクルズ全31話の中で、ジョン・コナーが唯一出演していない「貴重な」エピソードとなっています。

出がらしの『ターミネーター:ニュー・フェイト』

このようにジョン・コナー以外にも未来でのキーパーソンが存在し、そのキーパーソンを守るためにバトルを繰り広げる・・・というネタは、「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」でも散々、やってきたネタです。

にもかかわらず、『ターミネーター:ニュー・フェイト』でも同じようなネタをやってしまい、「ニューフェイトは既視感しかない」と感じた観客も多くいました。ジェームズ・キャメロンは「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」をほとんど観ていない、とのことで、ジェームズ・キャメロンが「これは新鮮だ!」と思ったネタは、すでに世間ではまったく新鮮ではなかった・・・というギャップが生じたこと、つまりニューフェイト製作に中途半端にかかわってしまったジェームズ・キャメロンとニューフェイトの監督ティム・ミラーの勉強不足が、『ターミネーター:ニュー・フェイト』が大コケし、大失敗に終わった理由の1つと考えられます。

#Terminator Sarah Connor Chronicles 212

QooQ