ブレイク直前のブルース・ウィリスを拝めるマイアミ・バイス

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ブルースウィリス・マイアミバイス出演

失語症の発症にて2022年に俳優業引退、その後、2023年に「前頭側頭型認知症」発症との発表があったブルース・ウィリス。
ブルース・ウィリスは、
  • 1980年から俳優業をスタートさせ、
  • 1985年から始まったTVドラマ『こちらブルームーン探偵社』(MOONLIGHTING)にてブレイク。
  • その後、1988年の映画『ダイ・ハード』(Die Hard)の大成功にて、不動の地位を確立しました。

そんなブルース・ウィリスですが、ブレイクする前の1980年~1984年の約4年間は、エキストラやチョイ役、出演してもクレジットされないような役の下積み時代を過ごしていました。

『マイアミ・バイス』ブレイク前の初々しいブルース・ウィリス

その下積み時代の後期に出演したのが、1984年の『特捜刑事マイアミ・バイス』です。

それまでの役と比較しでも、ちゃんとしたセリフもあり、一番長い尺の、それなりの役柄を演じています。日本で初めてブルース・ウィリスを目にしたのは、このマイアミ・バイスだった、という人が多いのではないでしょうか。
特捜刑事マイアミ・バイス』(Miami Vice、1984~1989年までアメリカで放映され大ヒットした刑事ドラマで、「かっこつけた2人組の刑事がアクションを繰り広げる形式」は、日本におけるTVドラマ『あぶない刑事』などにも多大な影響を与えました。

ヤン・ハマー作曲のマイアミ・バイスのテーマ曲も大ヒットしました。インストゥルメンタルなのに全米チャート1位を記録。ドラマとサントラ、映画とサントラの連動した大ヒットの先駆け的存在の1つが、マイアミバイスでした。

シーズン1・エピソード7

ブルース・ウィリスが出演したのは、『マイアミ・バイス』の比較的初期のほうで、1984年のシーズン1・エピソード7『No Exit「出口なし ~地対空ミサイル強奪!武器密輸ルートを追え~』でした。

あらすじはネタバレになるので避けますが、ブルース・ウィリスは金持ちの悪役を演じます。そして最後は因果応報どんでん返しを迎えることになります。

『特捜刑事マイアミ・バイス』は、まだ無名の俳優の登竜門で、「マイアミ・バイスに出演すれば売れるようになる」というジンクスもあったようで、当時まだあまり知られていなかった、今となってはそうそうたる以下のような面々が出演しています。

  • ブルース・ウィリス(Bruce Willis)
  • ジュリア・ロバーツ(Julia Roberts)
  • ビル・パクストン(Bill Paxton)
  • ベニチオ・デル・トロ(Benicio del Toro)
  • リーアム・ニーソン(Liam Neeson)
  • ローレンス・フィッシュバーン(Laurence Fishburne)
  • ヘレナ・ボナム=カーター(Helena Bonham Carter)
  • マイケル・マドセン(Michael Madsen)
  • ヴィング・レイムス(Ving Rhames)
  • ジョン・レグイザモ(John Leguizamo)
  • クリス・ロック(Chris Rock)
  • ジミー・スミッツ(Jimmy Smits)
  • スティーヴ・ブシェミ(Steve Buscemi)
  • クリス・クーパー(Chris Cooper)
  • キーラ・セジウィック(Kyra Sedgwick)
  • ヴィゴ・モーテンセン(Viggo Mortensen)
  • マイケル・リチャーズ(Michael Richards)
  • スタンリー・トゥッチ(Stanley Tucci)
  • ジョン・マイケル・ヒギンズ(John Michael Higgins)
  • リチャード・ジェンキンス(Richard Jenkins)
  • ジョン・タトゥーロ(John Turturro)
  • エド・オニール(Ed O'Neill)
  • オリヴァー・プラット(Oliver Platt)
  • ロナルド・リー・アーメイ(Ronald Lee Ermey)

その他、ミュージシャンも常連で、グレン・フライ、マイルス・デイヴィス、ジェームス・ブラウン、フィル・コリンズ、ジーン・シモンズ他、多数がゲスト出演しています。

ブルース・ウィリスの功績・トリビア

グロックを世界に広めた功績

ブルース・ウィリスの功績といえば、よくエミー賞やゴールデングローブ賞を受賞したことが挙げられます。

しかし、世界的にみて、彼の隠れた大きな功績は、欧州オーストリアの銃器メーカー・グロック社の自動拳銃、グロックを世界に知らしめたことでしょう。

 映画『ダイ・ハード2』(Die Hard 2: Die Harder、1990年)でのジョン・マクレーン刑事(ブルース・ウィリス)以下のセリフ・・・

"Luggage? That punk pulled a Glock 7 on me. You know what that is? It's a porcelain gun made in Germany. It doesn't show up on your airport X-ray machines here and it costs more than what you make in a month!"

荷物(泥棒)?奴らはグロック7で撃ってきたんだぞ!それが何かわかってんのか?ドイツ製の磁器でできた銃だぞ。空港のX線検査で探知できない、お前の1ヶ月のサラリーよりも高い銃だぞ!

の「X線検査で探知できない銃グロック7」という迷セリフにて、(「そんな銃は存在しない、事実とは異なる描写だ!」というマジレスも巻き込んで)認知度が低かったグロック社の銃を、一躍世界に知らしめたのでした。

その後、ハリウッド映画の、警察や法執行機関が所持している銃は、ほとんどがグロックに爆発的に入れ替わっていきました。

実際、グロックは現実世界でもアメリカ他、世界各地の警察や法執行機関などで使われています。

ちなみに、この「X線検査で探知できない銃グロック7」という迷セリフは、ブルース・ウィリスの言い間違いか?というとそうではありません。

念のため、ダイハード2の脚本をのぞいてみました。
グロック・セブンのセリフ
※ダイハード2の脚本 (23/116ページ)
https://www.dailyscript.com/scripts/Die_Hard_2.pdf

すると脚本からして「グロック7・ドイツ製・X線検査機で探知できない」になっていました。脚本と劇中のマクレーン刑事の発言はほぼ一致します。

ブルース・ウィリスはマクレーン刑事同様、マジメに職務を全うしていたことが分かります。

脚本と、実際に映画の中でのセリフを聞き比べていくと、ブルース・ウィリスという人は、根は真面目で繊細かつ優しい人なんだなぁ、ということがうかがえます。

グロック17をメディアに初登場させたのはマイアミバイス

そのグロックをハリウッド作品に初登場させたのは、実はマイアミ・バイスです。

1987年1月23日に放送されたマイアミバイス・シーズン3エピソード14にて、キューバの兵士が使っていたグロック17を、ソニー・クロケット(ドン・ジョンソン)が奪って使用したのが、グロック17の初登場シーンとなりました。

グロックを世界に大宣伝して広めたのはブルース・ウィリスですが、その駆け出しブルース・ウィリスとグロックを初期段階で登場させたのがマイアミバイス。不思議な巡りあわせがあります。

ベレッタM92人気を押し上げた功績

もちろん、グロック17に限らず、ジョン・マクレーン刑事の愛銃といえば、Beretta 92FS(ベレッタM92FS)で、ブルース・ウィリスはベレッタ人気を押し上げた立役者、という功績もあります。

左利きのブルース・ウィリスが、左構えで撃つ姿は独特で、他のアクションスターとは一味違った印象を与えていました。

ブルース・ウィリス、スタローン、シュワルツェネッガーに撃たれた唯一の男

ブルース・ウィリス関連のオマケのネタとして、アイコニックなアクション映画俳優の3名・・・ブルース・ウィリス、シルベスター・スタローン、アーノルド・シュワルツェネッガーは、『エクスペンダブルス2』で共演を果たしましたが、実はこの3名から撃たれ消された男(俳優)がただ1人、存在しています。

それがロバート・パトリックです。

ロバート・パトリックは、
  • 1990年の『ダイ・ハード2』では、空港内での待ち伏せしていたテロリストの一員として登場。ジョン・マクレーン刑事(ブルース・ウィリス)に撃たれてしまいます。
  • 1991年『ターミネーター2』では、液体金属ターミネーターT-1000として登場。T-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)に撃たれ、溶鉱炉に落ちていきます。
  • 1997年『コップランド』(Cop Land)では、警官の1人として登場。フレディ保安官(シルベスター・スタローン)に撃たれてしまいます。

アクション・スターの大御所3人からやられたロバート・パトリックは、唯一無比の存在です。
→関連記事:液体金属T-1000は温かい白い息を吐く【ターミネーター2】

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