コルタン着のLA港とキャメロン製造工場Depot 37

サラコナークロニクルズ ロケ地

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ターミネーターの体の骨格(エンドスケルトン)の原材料となる物質「コルタン」が、大量に輸入されるという情報をつかんだキャメロンとジョン、サラ・コナーらが向かったのが、ロサンゼルス港。
(「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」シーズン1第4話「ヘヴィメタル / Heavy Metal」)

ロケ地は Port of Los Angeles(ロサンゼルス港)そのままで、 Terminal Island(ターミナル・アイランド)のBerth 240 が使われていました。

The Port of Los Angeles - Berth 240

Berth 240 は第二次世界大戦中に造船所としてかなり重要な役割を果たし、現役を引退した現在も歴史的建造物として建物は残されています。その中の、主に3つの建物(造船工場)が撮影に使われていました。

1.Shipyard factory:Film location

まず東側の1の建物が撮影に使われていました。上図の特徴的な窓の形が一致します。
ここで、サラコナーらは、本来のコルタン運搬用の正規スタッフが襲われ、人員が入れ替わり、トラックも奪われたことを発見。サラコナーらはその「TETSUO」と書かれた赤いトラックを追いかけます。

2.Shipyard factory:Film location

次に、上図2の建物内にて、コルタンが(軍用トラックを装った)別のトラックに移し替えられるシーンが撮影されていました。


ここで新たなターミネーターT-888・Carter(カーター)が登場します。このカーターの任務は、ターミネーターのエンドスケルトンを製造するための原材料となるコルタンを、世界中からかき集め、スカイネットが管理する貯蔵庫に保管し、来たるべく審判の日まで倉庫の番をする、というもの。その過程で「人間を金で雇う」という「人間との共同作業」もやっていました。

この倉庫(工場跡地)で、ジョン・コナーがトラックに閉じ込められ、乗ったまま運ばれていってしまいます。

3.Depot 37:Film location

2の建物の後、ロサンゼルス北部にあるとされる、軍のマグワイア射撃場( McGuire Gunnery Range)Depot 37 (37番倉庫)という格納庫に向かったことになっていますが、その Depot 37 の実際のロケ地は、2の建物のすぐ隣(北側)にある3の造船工場の建物で、ここでまとめ撮りされていたのでした。

この3の建物の中の、巨大なコンクリートの壁と扉で囲われた格納庫 Depot 37 にて、コルタンが長期保管されることになっていたということになります。

FALLOUT SHELTER (核シェルター)
BLAST DOORS STAND CLEAR (防爆扉)
WHEN ALARM SOUNDS (警報音が鳴ったらドアから離れること)

この Depot 37 は、審判の日以降はターミネーター(エンドスケルトン)生産工場に変わり、キャメロン(TOK715)は自分が「ここで作られた」と述べています(後述)。

実はこのDepot 37の倉庫は、映画「ダイハード4」でのクライマックス・シーンが撮影された場所でもあります(後述)。

LA港や Depot 37 のシーンに関する見所

「ダイハード4.0」が撮影された倉庫

実はこのDepot37の倉庫ですが、サラ・コナー・クロニクルズの直前の作品、映画『ダイ・ハード4.0』(Die Hard 4.0 / Live Free or Die Hard /2007年)にて、クライマックスが撮影された場所でもあります。

ブルース・ウィリス演じるマクレーン刑事が、"yippee-ki-yay(イピカイエー/くそったれ。)"といって、自分の肩を貫通させる形で敵方ボスを撃ち抜くシーンが撮影された場所です。

『ダイ・ハード4.0』では、このロサンゼルス港全景が画面に映し出されていました。

任務を達成したターミネーターはどうなるのか

ネット上で「暗殺を終えた(任務を終えた)ターミネーターはその後どうするのか?」という質問をよく見かけますが、その答えを「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」で見つけることができます。

このコルタン確保・保持の任務に就いたターミネーター・カーターは、コルタンを貯蔵庫に格納後(つまり自分の任務完了後)、自ら貯蔵庫に入り、立ったままスリープ状態に入り、微動だにしなくなります。

キャメロンいわく、

Standby. He completed his mission. He powered down to standby mode until he's moved or triggered awake.
(待機モードよ。任務を達成すると電源を落として待機モードに入る。動かされるか何かきっかけがあるまで。)

これは任務完了後、自分が動き回ることで、不必要に未来を変えてしまうことを防ぐためです。
シーズン2第11話「ピコ・タワー / Self Made Man」のエピソードにも、建物の壁の中に隠れて何十年も待機状態に入っていたマイロン・スタークというターミネーターが登場します。

ターミネーターの待機モードからの起動は15秒

キャメロンいわく、

Fifteen seconds. That's the reboot time.

とのことで、このターミネーターのスリープ状態(待機モード)から起動するまでに要する時間は15秒を要するようです。

ちなみに感電するなどして再起動する場合は120秒かかるそうです。→詳細:クロマティが感電したサラ・コナーの家

キャメロン(TOK715)が製造された工場"DEPOT 37"

このコルタン保管庫のDepot 37が審判の日を機にターミネーター生産工場になっていきます。キャメロンいわく、

This is it. This is where the factory will be. Where I'll be made. Me and many others. Right there. It's inside.
(ここが工場になるところ。私や他の多くのターミネーターが作られた場所。あそこ。その中よ。)

「作られた」というのが、キャメロンのエンドスケルトンだけが作られたという意味か、外皮まで作られたのか、までは不明ですが、後にデレク・リースが捕虜となった地下室でのくだり(→未来のスカイネットの捕虜収容所?)があることから、おそらくこのDepot 37では、キャメロンのエンドスケルトンだけが作られ、外皮は別の場所で後で作られたものと思われます。

謎の「TETSUO Corporation」


コルタンの輸入会社として「TETSUO Corporation」という日本の会社(貿易商社?)らしきものが登場します。トラックやコルタンを入れた木箱に「TETSUO Corporation」と印字されていました。
この「TETSUO」が「鉄王」なのか、「鉄雄」なのか「鉄男」なのか、はたまた別の字なのかはわかりませんが、トラックの赤い色から、日本のアニメ映画(漫画)の『AKIRA』の登場人物「鉄雄」か、塚本晋也監督の映画『鉄男』に由来しているのではないかと思われます。→参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/鉄男

未だ鉄になっていなかった鉄雄か、自分の体が次第に鉄化していく鉄男に、このエピソードのタイトルでもある「ヘヴィメタル(Heavy Metal)」こと、ターミネーターとコルタンを引っかけてあるように感じられます。


この「TETSUO」が印字された、「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」で実際に使われたコルタンの木箱の製作に関わったと思われる人のブログもあります。
→Terminator: The Sarah Connor Chronicles - Crate for show
http://brau3d.blogspot.com/2010/09/crate.html

日本人漁村記念碑

ちなみに、本編とは全く関係ありませんが、このロケ地のすぐ隣りには、Terminal Island Japanese Fishing Village Memorial というところがあり、日本人の像や鳥居などの記念碑が置かれています。

Japanese Memorial Terminal Island
https://sanpedro.com/san-pedro-area-points-interest/japanese-memorial-terminal-island/

1941年に日系移民1世と2世の3000人ほどが、この地に「ふるさと」という小さな漁村を作って生活していたそうです。その後、第二次世界大戦下、Executive Order 9066(大統領令9066号)で、その日系移民の人々は収容され、この地は軍の用地になりましたが、2002年にその日系の生存者らが当時を偲んで記念碑を作ったそうです。

※スターウォーズに出てくる"Execute Order 66"(オーダー66)というのは、もしかしてこの"Executive Order 9066"から来ているのかな、と思いました。
「時代劇」の「時代」から来ている「ジェダイ」の騎士を一気に始末するという「オーダー66」と、「サムライ」の国の日本人を一気に収容する、という内容も、かかっているように感じます。
→関連記事:「スター・ウォーズ」の中の日本語と日本文化

スペースX(ロケット発射基地)

このロケ地の北側に隣接する広大な敷地に、イーロン・マスク氏のスペースX(SpaceX)社が、火星へのロケット発射施設を建設予定とのこと。

SpaceX just got approval to build Mars spaceships in Los Angeles from the city's mayor
SpaceX, founded by Elon Musk, applied for permission to build a 200,000-square-foot factory at the site, called Berth 240.
https://www.businessinsider.com/spacex-mars-rocket-facility-approved-la-mayor-2018-4

# Terminator Sarah Connor Chronicles 104

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