未来のスカイネット捕虜収容所(?)

サラコナークロニクルズ ロケ地

t f B! P L
未来でデレク・リースが鎖で拘束され、謎の地下室へ連れていかれていた場所。
(「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」シーズン1第6話「ダンジョン&ドラゴン/ Dungeons&Dragons」)

ここはおそらく「スカイネットの捕虜収容所」ということになるのかもしれませんが、いろいろな見方ができるため、実際には何の施設なのか、正確なところはベールに包まれています。

その謎の施設の外観として使われていた建物は、ロサンゼルスに実在しています。

Future Prison (exterior)

Film Location(外観のベースとなった建物)

この建物はThe Wesley Beckett Residenceまたは通称The Beckett Mansion(House)と呼ばれており、Dr. Wesley Wilbur Beckettが建てたお屋敷が、今では映画やドラマ、ミュージックビデオの撮影などに貸し出されています。

「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」でこの屋敷が使われたのは外観だけで、デレク・リースが拘束されていた屋敷の内部は別の場所で撮影されていました。
その内部が撮影されたロケ地はこちら。

Future Prison (inside / interior)

Film Location(建物内部のロケ地)

  • Warner Bros. Studios (Backlot) "Midwest Residential Street" near Stage 48
  • 4000 Warner Blvd, Burbank, CA 91522 U.S.A.
  • https://studiooperations.warnerbros.com/midwest-business-residential-st/
  • 座標: 34°08'52.7"N 118°20'10.3"W
    34.147967, -118.336197

  • Warner Bros. Studio Tour Hollywood(スタジオツアー)
    https://www.wbstudiotour.com/ja/
上の捕虜収容所(?)の内部は、ワーナーブラザーズ・スタジオのバックロットが使われていました。実はこの建物、ターミネーターが涙を流した更生保護施設として使われた建物と同じです。
  • 捕虜収容所で作業するT-600(シーズン1第6話)
  • 更生保護施設にチェックインするキャメロンとジョディ(シーズン2第4話)
のそれぞれの背後の窓、ドア、柱などが一致し、同じロケ地であることがわかります。
  • ハンターキラーが空輸する姿が見える捕虜収容所の出入口(シーズン1第6話)
  • ジョンがキャメロンを心配してかけこんだ更生保護施設の出入口(シーズン2第4話)
や、
  • デレクらが鎖につながれていた場所(シーズン1第6話)
  • キャメロンがfoosballで遊んでいた場所(シーズン2第4話)
も一致します。

しかし、残念ながら、ワーナーブラザーズ・スタジオ内のこの建物は、すでに取り壊されて現在は存在していません。

この謎の施設に関する見所・解説

スカイネットの捕虜収容所・・・ではない?

表面をさらっただけだと、この建物は「スカイネットの捕虜収容所」と解するのがふつうです。

ただ、単純にそうとは片づけられない事実(例:斧が置かれて「間接的に」解放された等)もあり、この建物は捕虜収容所ではなく、別の特殊な建物だったのではないか?(例えば、サイボーグ・レジスタンスの秘密施設)と見ることもできます。以下、説明していきます。

キャメロンの外見が作られた場所

デレク・リースが「捕虜収容所(?)」から解放されたあと、ヒューマンレジスタンスの基地で、キャメロンの外見を見て、一瞬で「メタル!」と識別して銃を撃とうとします。これは、デレク・リースは「キャメロンの外見をしたターミネーター」に前に会ったことがあるということを意味しています。
つまり、デレク・リースが上の建物の地下で見たのはキャメロンだった、ということになります。

そのことを補足するものとして、デレクが地下に下りた時、ショパンの「夜想曲第20番(The Nocturne No. 20 in C-sharp minor)」が流れていたと事実(ヒント)も挙げられます。→参考:キャメロンが通ったバレエ・スクール

地下で何が行われていたのか?

地下では主に次の2点が行われていたようです。

  1. キャメロン・フィリップス(アリソン・ヤング)の外見が作られていた
  2. ジョン・コナーの居場所をつきとめるための尋問(拷問)

1.キャメロン・フィリップス(アリソン・ヤング)の外見が作られていた


正確にはキャメロン・フィリップス改めアリソン・ヤングの外見づくりとキャラクター形成(キャラクターのコピー)が行われていました。
ちなみにキャメロンのエンドスケルトンは「Depot 37で作られた。」とキャメロン自身が言っています。

デレク・リースは地下に連れて行かれ、戻った後ヘロヘロになっていました。しかし、外傷はありません。何が行われていたかというと、大量の血を抜かれたために、貧血状態でヘロヘロになっていたわけです。
なぜ大量の血が必要だったのか?地下で何が行われていたのか?というと、
地下では(クロマティがやっていたのと同じような)こんなこと↑が行われていたということです。人間から集められた大量の血液を使って、キャメロンなどの外見(外皮)が作られていたことが推察できます。

そしてアリソン・ヤング(のちのキャメロン)の「キャラクター形成」として、ショパンがかけられていたわけです(→ショパンは音楽教師でもあるアリソン・ヤングの母親クレアがよく聞いていた曲)。

このシーズン1第6話は血液が1つのテーマになっています。→参考:ジョンはサラの子じゃない!問題の答え

現代ではジョンがデレクに輸血し、未来ではデレクの血が抜かれる、という出来事が相対的に両輪となって描かれています。

2.ジョン・コナーの居場所をつきとめるための尋問(拷問)


また、キャメロン・フィリップス(アリソン・ヤング)の外見の形成とともに、ジョン・コナーの居場所の聞き出し(尋問/拷問)も行われていたふしが、後のキャメロンとデレク・リースとの会話などからもうかがえます。

地下室でアリソン・ヤングの外見と中身を「インストール」しているキャメロンは、アリソン・ヤングからブレスレット(基地への通行証)を入手し、また、アリソン・ヤングの母親がよくショパンを聴いていたことを聞き出したことから、「ショパンとはなんぞや?」とこの地下室でずっとショパンを聴いています。そのため、デレクが地下に連れて行かれたシーンでも、「ショパン:ピアノ曲ノクターン夜想曲第20番嬰ハ短調」がずっと流れています。

そしてキャメロンはデレクに対しても、アリソン・ヤングに話したことと同じメッセージ、
CAMERON:I'm not your enemy. I admire John Connor. His determination. His spirit. His fearlessness・・・Because some of us don't want that.Some of us want peace.
・・・をデレク・リースにも伝え、ジョン・コナーの居場所を教えてもらおうとするが、もちろん、デレク・リースは信じません。よってシーズン1第6話の錯乱したデレクのこのセリフにつながっていきます。
DEREK REESE:She's a machine. She's a liar. She's a liar・・・ Everything she says is a lie!・・・
「そいつはマシーンだ。うそつきだ。そいつの言うことは全部嘘だ!」
仕方がないので(未来で)キャメロンは自白剤をデレクに投与します。シーズン1第6話のこのシーンは、未来と現在で起きていることをそのままオーバーラップさせる形で、キャメロンとデレク間で起きたことが描写されているため、キャメロンがデレクに何か注射を打ったことがわかります。

上に続くデレクのセリフ及びそれに対するチャーリーとキャメロンの会話からも、未来でのキャメロンとデレクの関係性がはっきりわかります。
DEREK:DON'T! You get that bitch away from me! Now! No! No! Get that bitch away from me! Get away from me! Now!
CHARLEY:You want him to die?
CAMERON:If I wanted him to die・・
デレク:「やめろ!何しやがんだ。ちくしょう、そいつをオレに近づけさせるな!」
チャーリー:「彼に死んでほしいのか?」
キャメロン:「もし彼に死んでほしいなら(とっくの昔にやってる)。」
キャメロンは未来でも現代でもデレク・リースを殺す意図がないことはわかります。
そして結果的に(未来では)デレクはこの地下室でジョン・コナーがいる基地の場所を吐いてしまった・・・ことは以下のシーンで確認できます。
CAMERON: You know the location of the safe house. John's location. If they tortured you・・・
「あなたはジョンの居場所を知っているから。もしヤツらが拷問したら(あなたは居場所を吐いてしまうだろう)・・・」
DEREK: That would never happen.「それはないな。」
CAMERON:It has before (happened).「前にもあった(あんた前に吐いた)でしょ。」
(シーズン2第20話)
さらにシーズン1第7話でもデレク・リースは「体験者は語る」調にしみじみと以下の通り語っています。
DEREK:Look John・・・what can happen to a person inside four walls・・・screws with your head.Makes you do things you never thought you'd do.
「なぁ、ジョン、人間は長い間閉じ込められてるとおかしくなって思いもしない行動にでるもんなんだ。」
デレク・リースからジョン・コナーがいる基地の場所を聞き出したキャメロンは、この「謎の建物」を後にし、ブレスレットをはめてジョンコナーの元へ向かいます・・・が、去り際に こそっと斧をデレク・リースらの脇に置いていった(シーズン1第6話)のはキャメロンだったのかもしれません。

斧の謎

とても不思議なことに、ある朝、鎖でつながれたデレク・リースらの前に「斧」が置かれ、ターミネーターの見張り(T-600)がいなくなっていました。「間接的に」解放されたことになります。
このことからこの施設に関して、以下のようなことが考えられます。

  1. 何か情勢が変化した
    デレク・リースとジェシーがやってきた未来が少し違っていたように、デレクらが過去で何かするたびに未来が少しずつ変わっていっています。そのため、デレクがこの収容所に拘束されている間に、スカイネットを取り巻く環境が変わっていったことが考えられます。例えば、最初はスカイネットの収容所だったものが、サイボーグレジスタンスが登場するようになり、サイボーグレジスタンスの指示でデレク・リースら人間たちは解放された・・・など。
  2. 最初からサイボーグレジスタンスの施設だった
    もしくはこちらのほうが可能性は高いですが、この謎の施設は、最初からサイボーグ・レジスタンスの施設だった可能性もあります。サイボーグ・レジスタンスはヒューマンレジスタンスのジョン・コナーに特使を派遣するべく、ジョンの仲間であるアリソン・ヤングの外見を選んだ。そしてアリソン・ヤングの外見(=キャメロン・フィリップス)を生成し、ジョン・コナーの元へ送った結果、ジョンとサイボーグ・レジスタンスは提携するようになり、スカイネットを倒すに至った。アリソン・ヤングの外見ができた時点で、もう血はいらないので、かつジョンコナーの居場所も聞き出したので、デレク・リースらを解放した。
  3. 実はジョン・ヘンリーだった可能性もあり?
    上の2をさらに深堀りして、仮に過去と未来の「ループ設定」を導入してみると、実はこの施設にいたのは、最終話で未来に飛んだ(キャメロンのチップが組み込まれた)ジョン・ヘンリーだった可能性もあります。そのジョン・ヘンリーが、この施設で外見やパーツをアリソン・ヤングに作り変えて、ヒューマンレジスタンスのジョン・コナーの元へ向かった・・・という想像も加えて楽しむことができるかもしれません。
    →関連記事:最終話からループで伏線回収【ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ】

    いずれにしても最終話で「ジョン・コナー(人類)の未来はジョン・ヘンリーにかかっている。」というキャサリン・ウィーバーのセリフが思い出されます。


この施設にまつわるエピソードは、Sci-fi小説的にかなりミステリアスに描かれており、いろいろな見方ができるようになっているのがサラ・コナー・クロニクルズの面白いところです。

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