誤って1920年にタイムトラベルしてしまったターミネーターT-888ことマイロン・スタークが、不動産王に話しかけていた映画館の前。
(「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」シーズン2第11話「ピコ・タワー / Self Made Man」)
このエピソードの面白い点の1つが、「ターミネーター・ニューフェイト」のシュワちゃんT-800(カール)以前に、長年、人間社会に溶け込んでビジネスをも営んでいたターミネーターが描かれていた点です。
その映画館のロケ地はこちら。
The Sheik Premiere - Steven J. Ross Theatre
Film Location
- Warner Bros. Studios "Brownstone Street"(Steven J. Ross Theatre)
- 4000 Warner Blvd, Burbank, CA 91522 U.S.A.
- https://studiooperations.warnerbros.com/ashley-blvd-brownstone-st/
- 座標: 34°08'59.0"N 118°20'18.7"W
34.149718, -118.338528
- Warner Bros. Studio Tour Hollywood(スタジオツアー)
URL: https://www.wbstudiotour.com/ja/
劇場入口の背後にある建物に印字されている「1135」という地番も一致します。
ここはワーナーブラザーズ・スタジオのバックロットの中でも一丁目一番地に該当するような場所なので、ワーナーブラザーズ・スタジオ・ツアーに参加しても必ず通るような所にあります。
劇場はハリボテではなく、実際に劇場機能を兼ね備えており、内部は【チェス大会】タークvs.日本のシーンでも見ることができます。
また映画やドラマの撮影以外にも、実際にここでプレミヤが開かれることもあり、劇場前にはレッドカーペットが敷かれ、劇場脇の"Ashley Blvd / Brownstone St"にはオープン・レストランが設けられ、この辺り一色が華やかなイベント会場になることもあります。その劇場の裏(奥)にあるカフェ・スペースはライリーとジョン・コナーが待ち合わせたオープンカフェのロケ地として使われていました。
この映画館のシーンの見所・解説
マイロン・スタークはなぜピコタワーを作ったのか?
この劇場のシーンでは、何が描かれていたのかというと、マイロン・スタークが不動産王Rupert Chandler(ルパート・チャンドラー)に、「(ピコ・タワーの建設予定地だった)土地を売ってくれ」と頼み、断られるシーンが描かれていました。全体的な流れを「おさらい」すると、
- 本来2010年12/31にタイムトラベルしてくる予定だったマイロン・スタークが、誤って1920年12/31に到着してしまった(→ターミネーターが到着した1920年の酒場)。マイロン・スタークの目的は、2010年12/31にピコタワーで、カリフォルニア州知事を暗殺する任務だった。
- その1920年12/31タイムトラベル到着時に発生した火災で、偶然その場のパーティーに居合わせていたWill Chandler(ウィル・チャンドラー)という人物が死んでしまった。ウィル・チャンドラーは建築家で、のちにピコ・タワーを建てる人物で、なおかつ不動産王ルパート・チャンドラーの息子でもあった。
- ウィル・チャンドラーが死んでしまったので、ピコ・タワーを作る人がいなくなった。つまり、マイロン・スタークが暗殺を実行する現場が無くなってしまった。
- それではまずいので、マイロン・スタークは、本来あるべきピコ・タワーという既成事実(未来の暗殺現場)作りに奔走するようになる。ピコ・タワーを作るには大金が必要である。
- そのため、マイロン・スタークは銀行強盗を働き、大金を集めた。
→詳細:ターミネーターがトンプソンで強盗したラ・ブレア銀行 - マイロン・スタークは、ピコタワーが作られるべき土地の所有者である不動産王ルパート・チャンドラーに、この劇場で「その土地を売ってくれ、2倍の金を出すから」と頼んだ。
- しかし、ルパート・チャンドラーは、息子ウィルが死んだことに傷心で、息子がピコタワーを作ろうとした意志を尊重して、ピコタワーができるべきその場所に、息子のメモリアル・パークを作りたいと考え、土地を売らなかった。
- そこでマイロン・スタークはルパート・チャンドラーのまず側近らを消し、かつマイロン・スターク自身の不動産業を拡大させて、商売敵であるルパート・チャンドラーの経営を圧迫させ、破滅させた。
- その後、目的の土地を購入し、そこにピコ・タワーを自ら建設して、「2010年12/31に、ピコタワーでカリフォルニア州知事を暗殺する」というプログラムを実行できるように既成事実を作り、1925年頃から2008年頃まで壁の中で時が来るまで待機していた。
「ターミネーター・ニューフェイト」のT-800カール以前に、長年、人間社会に溶け込んでビジネスも営んでいたターミネーターが描かれていたことになります。
なぜ壁の中でじっと待機していたのか?というと、必要以上に自分が動き回ることで、余計にタイムラインが狂ってしまうことを防ぐため、です。
カリフォルニア州知事を暗殺するのであれば、何も「2010年12/31、ピコタワー」に固執しなくても、それ以前にいくらでもどこでも暗殺するチャンスがあるのではないか?という感じですが、そこは「2010年12/31、ピコタワー」とプログラムされてしまったターミネーターの悲しいサガなのか、プログラムされたこと以外の選択肢は選べなかった・・・ということなのでしょう。
公開されていた映画は「シーク」(The Sheik)
この劇場のシーンで、看板には、Now Premiering "The Sheik" starring Rudolph Valentinoという文字が確認できます。
これは実際に存在するサイレント(無声)映画「シーク」のことです。
『シーク』(英語: The Sheik)は、1921年にパラマウント映画が公開したルドルフ・ヴァレンティノ主演のアメリカ映画・サイレント映画・ロマンス=アクション映画である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/シーク_(映画)
主演のルドルフ・ヴァレンティノ(に似た俳優さん)も劇場におり、マイロン・スタークがルドルフ・ヴァレンティノに握手しながら、映画の中のフィクションのストーリーにもかかわらず、「彼女に銃を渡すのは危険だった。」などと現実とフィクションを錯誤したようなツッコミを入れる「お笑いシーン」が挿入されていました。
お約束の"We'll see."を楽しむ
マイロン・スタークが、取材に対して、We'll see.(いずれわかるだろう)と答える場面があります。
この"We'll see."というのは、「サラ・コナー・クロニクルズ」においてはT-888がよく使うフレーズで、ターミネーターにおける"I'll be back."のように、一種の「お約束」ネタとなっています。
マイロン・スターク以外にも、クロマティが何度もこの"We'll see."を使い、ジョン・ヘンリーとキャサリン・ウィーバーが同時に"We'll see."と言う場面もあります。
3回登場する劇場
この劇場がロケ地として「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」に登場するのは今回が2回目となります。全31話では、- 1回目:【チェス大会】タークvs.日本の会場として
- 2回目:今回のマイロン・スタークがシークを観た映画館として
- 3回目:サバンナを引き渡した後サラ・コナーが逮捕された映画館として
ちなみにこの劇場の横はチェス王者 ディミートリが最期を迎えた部屋のロケ地が、また、この劇場の裏(奥)にあるカフェ・スペースはライリーとジョン・コナーが待ち合わせたオープンカフェのロケ地として使われていました。
# Terminator Sarah Connor Chronicles 211 Movie theater