先日、アメリカ・ニューヨークの地下鉄で銃乱射事件が起きました。
- 【速報】NY地下鉄の駅で男が発砲 少なくとも5人撃たれる(2022/04/12)
https://www.youtube.com/watch?v=__Cp6P8wPUE - 【速報】ニューヨーク地下鉄の駅で銃撃 13人ケガ
https://www.youtube.com/watch?v=6jW0TMc3CzA - NY地下鉄で発砲事件 29人けが 犯人は逃走中(2022年4月13日)
https://www.youtube.com/watch?v=zUm00jTDiNo
地下鉄での発砲といえば、アカデミー賞を2つ獲得した映画『ジョーカー』(Joker、2019年)が頭に浮かんだ人も多いのではないでしょうか。「ジョーカー」における地下鉄での発砲は、突発的・正当防衛的な要素もありますので、今回の現実世界での事件とは、根本的に異なります。
その映画「ジョーカー」に感化されて、日本でも電車で事件を起こした人がいますが、映画『ジョーカー』に感化されて事件を起こしたところで、ジョーカーのようにはうまくいかないということは、この映画をよく観ればわかります。
そのことがよくわかるシーン・・・「ジョーカー8発の手品」を解説していきます。
映画ジョーカー「8発の手品」
ニューヨークをモチーフに創造された架空の都市ゴッサム・シティの地下鉄に乗っていた際、酔った証券マン3人に襲われたジョーカーは、携帯していた銃を発砲し、3人を始末します。S&W Pre-M36(プリM36)
このジョーカーが持っていた銃はSmith & Wesson Pre-Model 36 "Chief's Special" - .38 Special(スミス & ウェッソン プリ・モデル36「チーフスペシャル」・・・通称「プリM36」)で、装弾数5発の回転式拳銃です。 上の画像のものは「プリM36」そのものではありませんが、おおよそ同じM36シリーズです。装弾数5発なのに8連発の手品
ジョーカーはこのM36で、- まず最初の一人の頭を撃ち抜きます(1発)
- 次に二人目の脇腹と心臓を撃ち抜きます(2発)
- 続いて逃げる三人目の右足を撃ち抜きます(1発)
- 降車後、その三人目の腰あたりをまず撃ち(1発)
- 最後にその三人目の背中に3発、発砲します(3発)
つまり、装弾数5発のS&W M36を、弾をリロード(再装填)なしに連続して8発、撃っており、現実ではありえない話なのです。 これが現実だったら、最初の5発撃った時点で弾は尽きるので、3人目はなんとか逃げ延びれたかもしれない・・・ということになり、現実とフィクションに齟齬が生じている・・・現実は映画のようには そうそううまくはいかない、ということです。
こうした装弾数に関係なく無限に撃てる夢の銃は、ハリウッド映画に「あるある」の必須アイテムで、似ているものに、S&W M36が謎の大活躍する映画ダイ・ハード3があります。
その他、
- 弾が減らないシュワちゃんのM60E3マシンガン
→詳細:映像使いまわしでコスパ最強映画「コマンドー」 - まるでマシンガンなT2のT-1000のブローニングハイパワー
→詳細:ペスカデロ警察病院の怪【ターミネーター2】
すごすぎる命中率100%
さらにいうと、ジョーカーが放った8発は、すべて身体のどこかに命中しており、命中率100%の、現実ではなかなかありえないお話となっています。最初の3発は至近距離なので、命中するのは分かります。しかし次の2発が、少し離れた距離、それも自身が動きながら、動く相手を、銃身が短い銃を片手での射撃なので、現実だったら、それなりの経験者でもない人物がすべて命中させてしまう、というのは、なかなか「無い」お話です。
現実世界では、アメリカで警官と犯人が至近距離で撃ち合って、どちらも弾が当たっていない、ということも多々、発生しています。
つまり、ジョーカーに感化されて何かやったとしても、現実世界では失敗するだろう、ということが、この映画をよく観ていれば学習できるはずです。
ジョーカーで有名な階段のダンスシーンのタバコ・マジック
ちなみにジョーカーで検索していくと、「ジョーカー 階段 ダンス ダンスシーン 場所 どこ」といった検索キーワードが並列されます。ジョーカーの階段のダンスシーンについて検索している人が多い、つまり階段のシーンが有名であることが分かります。ジョーカーがダンスした階段の場所(ロケ地)
- 1161 Shakespeare Ave, Bronx, NY 10452 U.S.A.
- 座標:40.83583255802801, -73.92371317980648
- ストリートビューはこちら
- https://en.wikipedia.org/wiki/Joker_Stairs
ジョーカーがタバコをくわえながらダンスしていた階段のピンポイントなロケ地は、上の座標の場所です。
この階段はいろいろな呼び名があるらしく、Google Mapでも、
- Shakespeare Steps
- Guason Stairs
- Joker Stairs
など3つの呼称が表示されます。
尚、そのGoogle Mapの、このジョーカーの階段についてのコメントを読んでみると、
(Google による翻訳)「ジョーカーステアーズ」を見るのはクールでしたが、カメラを上げて写真を撮るとすぐに、地元の人が怒鳴り、ジェスチャーをしました。それは理解できませんでしたが、まったく歓迎しませんでした。月曜日の午後1時で、数人しかいませんでした。歓迎も安全も感じませんでした。
といったものがあり、現地に行って写真を撮ったりする行為を、近隣住民はとても迷惑と感じていることがうかがえます。
「ジョーカーが好きだから」とこの階段のロケ地に赴き写真を撮っていたら、不快に感じた地元人にいきなり発砲される・・・というのも、アメリカではありえます。ファストフード店だけでも以下のような短絡的な発砲事件が起きているのがアメリカです。
→詳細:猛暑イライラ狂気爆発の名作映画「フォーリング・ダウン」
タバコが神出鬼没なダンスシーン
そんな有名な階段でのダンスシーンですが、不思議な現象が起きています。ジョーカーがダンスしながら、途中でタバコをポイ捨てします。
しかし、その後、突然タバコがまた出現し口にくわえてダンスしている、という手品が発生しているのです。
さらに次の瞬間には、くわえていたタバコは消えています。そして、刑事に追われ、ジョーカーは逃げていきます。
まとめ
以上のように、ざっと見ただけでも、ジョーカーには現実にはありえない魔法の数々が散りばめられており、ジョーカー・マジック、ハリウッド・マジックの塊映画といます。つまり、ジョーカーに感化されて何かやったとしても、現実世界ではうまくいかないので、ジョーカーへの憧れは、現実世界には持ち込まないほうが無難であることが、この映画の「学び」でもあります。