ジョン・コナーが海に飛び込んだサンタモニカ・ピア

サラコナークロニクルズ ロケ地

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ターミネーターのサンタモニカピア

このマウストラップの鉄塔爆破で破壊された廃屋の1件で、クロマティに通信を傍受され、サラコナー(の声)に扮したクロマティにだまされて呼び出されたジョン・コナー。
ライリーがドレスを試着していた洋服店を後にして、ジョンが向かった先はサンタモニカ・ピアでした。
(「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」シーズン2第3話「マウストラップ / The Mousetrap」)

ロケ地はサンタモニカ・ピアそのままです。

Santa Monica Pier(サンタモニカ・ピア)

Film Location



発砲後、ジョン・コナーを追いかけて海に飛び込むターミネーター・クロマティ。

桟橋としては「世界一有名な桟橋」とも言われており、観光客や地元の人々でごった返す桟橋での撮影は、さぞや大変だったろうと思われます。
実際、劇中のサンタモニカ・ピアも人混みでごった返しており、むしろその人混みを利用してのチェイスが桟橋の上で展開されていました。

このサンタモニカ・ピアのシーンに関する見所・解説

ジョン・コナーをかすめていた銃弾(紙一重)

とても細かい演出ですが、クロマティから逃れて桟橋から海に飛び込む際、ジョン・コナーは背後から数発、クロマティから発砲されます。

その際、弾が頭をかすめてコートに穴が開き、コートの破片(切れ端)が飛び散る、芸が細かい演出がなされていました。


おそらくCGで作った穴かと思われますが、ジョン・コナーが紙一重だったことがわかります。

ちなみにこの飛び込んだ後の海中のシーンは、サンタモニカ・ピアではなく、別の場所にある撮影用のプールで撮影されています。

ターミネーターは「泳げない」の検証

かねてからターミネーター(T-800系)は重すぎて泳げない、と言われていましたが、このサンタモニカ・ピアのシーンでは、それを検証することできました。

ジョン・コナーを追って海に飛び込んだターミネーター・クロマティですが、海中でジョン・コナーをつかむものの、つかんだコートの裾を握ったまま、ズルズルと海中に沈んでいきます。ジョンはうまくそのコートだけ水中で脱ぐことができ、海面へ浮かんでいき、クロマティとの距離が上下に開いていく・・・海底に沈んでいく時のクロマティの赤く光る目が印象的でした。

その後、海面に浮かんだジョン・コナーが桟橋を見上げると、ちょうどキャメロンが駆けつけたところで、ジョンはキャメロンにヘルプを求めます。

John Connor: Could've helped!
(助けてくれ!)
Cameron Phillips: I don't swim.
(私は泳がないの/泳げないの。)
John Connor: Yeah, I just figured that out!
(ああ、そうみたいだな!←クロマティが泳げなかったのを見て。)

ここはお笑いシーンでもあるのですが、キャメロンも「ほら言わんこっちゃない、自業自得」的な対応をします(キャメロンの尾行を撒いてジョンが勝手な行動をしたため)。

このシーン、日本語の吹替えでは「私、泳げないの。」になっていましたが、英語でのセリフはちょっとニュアンスが違い、「I don't swim.」と言っています。「I can't swim.」(「私は泳げない。」)とは言っておらず、can'tではなくdon't、つまり「自らの意思で泳がない。」(=「泳げるが、選択肢として今は泳がない。」)という意味も引っ掛けられているわけです。

重いT-888型ターミネーター:クロマティのほうは泳げず、海底に沈んでいってしまいましたが、小型かつ新型ターミネーターのキャメロンのほうは、もしかしたら泳げたりするのかもしれません。このシーンではキャメロンは、誇らしげに「I don't swim.」と言い切っていることからも、can't ではなくdon't であること(あえて泳がない/助けない)のニュアンスも汲み取る必要があります。

サラ・コナー・クロニクルズ製作陣は、至るところに視聴者に考えさせるような、どちらとも取れるような「謎」(例:「キャメロンは食べ物を食べれるのか/食べれないのか!?」や「キャメロンの目は青なの?赤なの?」「型番TOK715って?」などなど)をあえて残し、視聴者に楽しんでもらおうとしていることは、DVD/BD末尾の製作者の解説にもある通りです。

「ターミネーター2」へのオマージュ

サラ・コナー・クロニクルズを観ていると、キャメロンは活躍しない(アクションシーンがない)時は、ギャグ・キャラ担当にまわることが多いように感じられます。

ジョン・コナーを探してサンタモニカ・ピアに到着したキャメロンは、銀色のメタリックに身を固めたストリートパフォーマーを見つめ、一瞬「!?」とするシーンが挿入されており、これは「ターミネーター2」へのオマージュと思われます。


サンタモニカでターミネーターと言えば、T-800とT-1000の最初のバトルが繰り広げられた「サンタモニカ・プレイス」がターミネーターの「聖地の1つ」となっていますが、そのサンタモニカでの撮影ということで、T2へのオマージュが挿入されたのでしょう。

おそらくこのシーズン2第3話のキャメロンが怪力を見せた屋上駐車場「サンタモニカ・プレイス」のモールとその駐車場という設定、そしてこのジョンとライリーが待ち合わせたプロムナードはサンタモニカの「Third Street Promenade(サード ストリート プロムナード)」という設定で撮影されたものと思われます。

海中シーンはT1,T2の特撮工房の巨大プールで撮影

ちなみにクロマティとジョン・コナーは、実際はこのサンタモニカ・ピアでは海に飛び降りてはいません。

サンタモニカ・ピアの柵を超えた瞬間以降、海中シーンは、特撮用の巨大プールで撮影されていました。

その巨大プールは、「ターミネーター1」と「2」の撮影でも大きな役割を果たした、ミニチュア特撮に定評があるスタジオ「Fantasy II Film Effects(ファンタジー2・フィルム・エフェクツ)」でした。
このスタジオは、「ターミネーター2」のミニチュアSFXでアカデミー視覚効果賞を受賞しています。その詳細はこちら↓

共通点が多い映画「セルラー」

このサンタモニカ・ピアは、ロサンゼルスを代表する観光地の1つなので、映画やドラマにも頻繁に登場します。
古いところでは、ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、ロバート・ショウら名優が勢ぞろいした映画「スティング」(The Sting)などがありますが、「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」と共通点がとても多いのが、2004年の映画「セルラー」(Cellular)です。

「サラ・コナー・クロニクルズ」と「セルラー」の主な共通点は以下の通り。

  • キム・ベイシンガーが監禁された家が、シーズン2のサラコナーの家
  • サンタモニカ・ピアでの攻防
  • 「サラ・コナー・クロニクルズ」でターミネーター・ヴィック・チェンバレンを演じたMatt McColm(マット・マコーム)が、「セルラー」ではジェイソン・ステイサムらの悪役一味の一員(Deason役)として出演
  • その他、ロサンゼルス全般がロケ地、携帯電話による攻防が多い、など

この映画「セルラー」では、キム・ベイシンガーらの他にも、ブレイク直前のクリス・エバンスやジェイソン・ステイサムらを観れるのも楽しみの1つです。特にジェイソン・ステイサムは「悪役」です。

「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」では、このサンタモニカ・ピアの後、サラ・コナーがジョンと待ち合わせた路地裏ミシェル・ディクソンが運ばれた病院のシーンへ続きます。

# Terminator Sarah Connor Chronicles 203

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