(「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」シーズン1第6話「ダンジョン&ドラゴン/ Dungeons&Dragons」)
しかし、ある日突然、床の鎖につながれたデレク・リースらの傍らに斧が置かれており、事実上、デレク・リースらは解放される、という不思議な描写があります。
デレク・リースらはその斧で自分らの鎖を切断し、自由の身となり、ヒューマンレジスタンスの基地に戻ります。
一体、誰がなぜ斧を置いたのか?
・・・は謎につつまれていますが、他の類似のシーンなどから、
- 斧を置いたのはキャメロン・フィリップス(TOK715)だった、
- もしくはキャメロン・フィリップスの指示でT-600が置いたのではないか?
斧を置き、人類を解放したのはキャメロンと思われる理由
【理由1】地下にいたのはキャメロン
まず、この「未来のスカイネット捕虜収容所(?)」と思しき施設の地下にいたのは、キャメロン(の外見をしたターミネーターのエンドスケルトン)であることは間違いありません。その理由としては、- デレク・リースが解放後、キャメロンの外見を見て、すぐに「メタルだ!」と叫んで銃で撃とうとした。
- 地下室ではショパンの「夜想曲第20番(The Nocturne No. 20 in C-sharp minor)」がかかっていた。→この件の詳細はキャメロンが通ったバレエ・スクール参照。
- このキャメロンがデレクを救出したLA港倉庫のシーンにて、キャメロンがデレクリースが「前にもジョンの居場所を吐いたことがある」と言っている
などの状況から、キャメロン(の外見をしたモノ)がこの地下室にいたことがわかります。
【理由2】似たようなシーンあり
シーズン1第9話で、サラ・コナーの家(シーズン1)の前の車内にて、キャメロンがカルロスの一味であるチョラに向かって別れ際に、Do I need kill you now?と迷ったあげく、チョラに武器(銃)を渡して去るシーンがあります。
(あなたを殺すべき?)
キャメロンとしては、ジョン・コナーらの居場所や詳細を知っている人間は、このキャメロンがターミネーターしたボウリング場のシーンのように、瞬時にターミネートしてしまうのが常なのですが、チョラにはせず、逆に護身用にと自分の武器を渡して別れます。
このシーンが、上の「斧が置かれたシーン」に似ています。
キャメロンは実は最初からサイボーグレジスタンスの使者だった?
キャメロンを作るための秘密施設
つまり、デレク・リースが捕らわれていた「未来のスカイネット捕虜収容所(?)」と思われた施設は、人類を解放したことから、実はスカイネットの施設ではなく、キャメロン・フィリップス(TOK715)の外見を作るための「サイボーグレジスタンス」の秘密施設であった可能性があります。また、キャメロンは一応「ジョン・コナーが未来でリプログラムした」というようなことになっていますが、それはあくまでキャメロンが現代で語った自己申告(方便)であり、実際は、サイボーグレジスタンス側が、人類側(ジョンコナー)へ送った使者だった・・・と見ることもできます。
なぜ使者としてキャメロンの外見が選ばれたのか?といえば、それはアリソン・ヤングにジョン・コナーが親しみ(または愛情)を抱いていたためと考えられます。(尚、アリソン・ヤングは実際は死んでいない可能性があります。→詳細:ジョディとキャメロンが侵入した家)
キャメロンの使者としてのミッション
キャメロンはサイボーグレジスタンスの使者として、人類抵抗軍側(ジョンコナー)の元へ行き、- ターミネーターを捕獲し、リプログラムする方法を伝授
- タイムマシーンの製造方法を伝授
したことで、人類抵抗軍側はスカイネットとの戦いを形勢逆転させるに至った・・・と見ることができます。未来では、キャメロンがタイムマシーンに網膜認証でアクセスするシーンがあります。つまり、キャメロンはタイムマシーンに深く関わっていたことがうかがえます。
TOK715=マタイ7章15節?
サマー・グローが演じたキャメロン・フィリップスは、当初の番組宣伝ポスターの右上に、チラッと「TOK715」と書かれていたために、ターミネーターとしての型番がTOK715である、との情報が独り歩きを始めました。実際のところの型番やTOK715が何を意味しているのか?は作品本編では明らかになっておらず、そもそもTOK715というのは公式なのか?も明らかになっていません(DVD付録の製作者コメントやコミコンなどでの製作者の発言を聴くと、むしろ製作者は明らかにせず、視聴者に楽しんでもらおう、という姿勢です)。
しかし、715という数字に関しては、サラ・コナー・クロニクルズの作品内で興味を引く言及がありました。
シーズン1第7話にて、シルバーマン博士が自身の山小屋にて、
Matthew 7:15, the full verse is:と「マタイによる福音書」の第7章15節を引用するシーンがあります。
Beware of false prophets which come to you in sheep's clothing but inwardly, they are ravening wolves.
マタイ7章15節 偽預言者に用心せよ。羊の皮をかぶっているが中身はオオカミだ
TOK715というのは、実は「秘密のミッションを持った使者」ということを表しているのかもしれません。
さらなる詳細はこちら→TOK715とは(意味・由来)
そのため、キャメロンは最後の最後までミステリアスな存在として描かれています。
映画「ターミネーター2」のT-800と違って、キャメロン・フィリップスは、何でもかんでもジョン・コナーの言うことを聞くようにはプログラムされていません。例えばジョン・コナーが飛び降りしようとした女子高生を救おうとした際や、病室から消えた「ライリーを探せ。」と言った際などもことごとく拒絶しています。
キャメロンはむしろ独立して自分の判断で動いている部分のほうが多いのが「サラ・コナー・クロニクルズ」での味噌になっています。
サイボーグレジスタンス側の動機
なぜサイボーグレジスタンス側が、そこまで人類にやってあげたのか?というと、それはキャサリン・ウィーバーやジョン・ヘンリーが語っていたように、マシーン側の「生存」がかかっていたためです。スカイネット傘下にいたマシーンたちも、このまま暴走を続けるスカイネットの下にいてもマシーンにとっても未来(生存)はない、と判断し(計算ではじき出し)、かといって、人類側の傘下に入っても人間は完璧ではない・・・しかしスカイネットの敵の敵は味方・・・ということで、人類側に加担しつつ、キャサリン・ウィーバーが過去(現代)に飛び、サイボーグレジスタンスの中核となるA.I.ジョン・ヘンリーを作り、再び未来にもどって人類と対スカイネット戦を共闘するようになった・・・と見ることもできます。
→関連記事:「仲間にならないか」の意味
尚、サイボーグレジスタンスのリーダーは不明ですが、キャサリン・ウィーバーなのかもしれませんし、キャサリン・ウィーバーが分離させていたウツボも関係あるかもしれませんが、以下のような見方もあります。
→最終話からループで伏線回収【ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ】
以上のように、「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」は、いろいろな見方をして楽しめるようになっています。
# Terminator Sarah Connor Chronicles 106