(「ターミネーター:サラ・コナー・クロニクルズ」シーズン2第21話「救出 / Adam Raised a Cain」)
その映画館のロケ地はこちら【チェス大会】タークvs.日本が行われた会場や、マイロン・スタークがシークを観た映画館と同じロケ地ですが、上映されていた白黒映画のタイトルはこちら。
「妖怪巨大女」(Attack of the 50 Foot Woman)
概要
- 『妖怪巨大女』(ようかいきょだいおんな、英題: Attack of the 50 Foot Woman)
- 1958年製作のアメリカ・カリフォルニアを舞台にしたSF映画。宇宙人に接触した女性ナンシーが巨大化して暴れるストーリー。
- 出演:巨大化するナンシー役:アリソン・ヘイズ(Allison Hayes)他
- 動画(予告編):Attack of the 50 Ft. Woman - Original Theatrical Trailer(Warner Bros.)
アリソン・ヘイズについて
中でも『妖怪巨大女』ではそのタイトルロールを好演。地球外生命体に遭遇してしまったがために身体が巨大化する主人公を喜々として演じている。同作品は興行的にも成功を収め、ポスター画家のレイノルド・ブラウンによる劇中の巨大化したヘイズが車を片手で持ちあげる姿が描かれた同作品の劇場用オリジナルポスターも様々な作品でパロディ化されるなどしている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/アリソン・ヘイズ
「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」と「妖怪巨大女」
サラ・コナー・クロニクルズは、「ターミネーター1」「ターミネーター2」の続編としてはもちろんのこと、加えて、以下のようないくつかの古典をモチーフにして描かれています。サラ・コナー・クロニクルズがモチーフにした古典
- 「オズの魔法使い」
シーズン1から2にかけて、幼少期のジョン・コナーが「オズの魔法使い」の絵本が好きだったことや、ターミネーターをバレットM82で倒した森林でのバトルは「オズの魔法使い」を読みながら展開しています。また、サラコナーはキャメロンを「ブリキちゃん」と呼び、ターミネーターであるキャメロンのブリキの空の心に魂を入れていく過程も描かれています。 - 「旧約聖書」
「審判の日」「救世主」といった単語もさることながら、シーズン2は、キャサリン・ウィーバーが「バビロン」プロジェクトを遂行し、「バベルの塔」を築いていく様子などが旧約聖書ベースで描かれています。
上記2つの古典に加えて、この「妖怪巨大女」という映画も「サラ・コナー・クロニクルズ」はモチーフ兼パロディにしており、オマージュのようなシーンがたくさん見られます。
妖怪巨大女とサラ・コナー・クロニクルズを比較
例えば、「妖怪巨大女」では宇宙人が乗った球体(宇宙船)が道路に出現するのですが(上左図)、サラ・コナー・クロニクルズでも道路にタイムトラベルの球体が道路に出現します(上右図)。なぜタイムトラベルの到着地を道路にしたのか?・・・の理由がこれでわかるような気がします。
ちなみにその道路も「妖怪巨大女」同様、サラ・コナー・クロニクルズもルート66を中心にストーリーが展開していっています。
この「タイムトラベル到着地点が道路の真ん中」というネタは、サラ・コナー・クロニクルズ以降、「ターミネーター・ジェニシス」や「ターミネーター・ニューフェイト」でもコピーされていました。
→詳細:T名物タイムトラベル到着地点が道路の元祖 そして、今よりも露出が控えめだった1958年公開時には、下着姿の女性がウロウロするセクシー映画ということで話題になった「妖怪巨大女」ですが、「下着姿でウロウロ」といえば、「サラ・コナー・クロニクルズ」のキャメロン(サマー・グロー)で、ジョン・コナーの目を奪い、惑わせるシーンがあります(上 中央図)。
そしてキャメロンが壁を壊して侵入するシーンも、「妖怪巨大女」同様、下から照明を当てて、キャメロンの恐さ・すごさ・破壊力を強調するような演出がなされています(上右図)。
「妖怪巨大女」の宇宙人は、ダイヤモンドなど宝石類を球体(宇宙船)の燃料として活動していましたが、「サラ・コナー・クロニクルズ」では、サラ・コナーや現代にやってきたデレク・リースら人類抵抗軍の兵士も、ダイヤモンドを活動の資金源としていました。
映画『妖怪 巨大女』は、夫の浮気に激情した妻が巨大化して愛(幸せ)を求めて暴れまわる、というお話ですが、サラ・コナー・クロニクルズのキャメロンも、
CAMERON: I'm a machine. I can't be happy.といったセリフもあり、「幸せ」というものを追求していた一面もうかがえます。
(私はマシーンだから幸せになれない。)
「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」では、
- キャメロンやサラ・コナーといった女性の大きな存在、そしてライリーとの関係で翻弄されるジョン・コナーや、
- ジョンおよび人間との関係・人間へのアプローチを試行錯誤するターミネーター・キャメロン、
- そして「性へのフェチズム」
が、この古典『妖怪 巨大女』へのオマージュを通じて、描かれていると言えます。
映画「妖怪巨大女」が、サバンナの引き渡しの映画館のシーンで、無意味に上映されていたわけではないということがわかります。
「サラ・コナー・クロニクルズ」製作陣は、この「妖怪巨大女」がとても好きなようで、上記の映画館のシーン以外にも、シーズン2第3話「マウストラップ / The Mousetrap」にて、サラコナーの家の隣人のケイシーの家で、ジョン・コナーがケーブルTVが映るようにTVを修理するシーンでも、チラッとこの「妖怪巨大女」がテレビ画面に映し出されています。
→関連記事:ケイシーの家
ちなみに「妖怪巨大女」「サラ・コナー・クロニクルズ」どちらもワーナー・ブラザーズ(Warner Bros.)の映像ソフト販売部門であるワーナー・ホーム・ビデオ (Warner Home Video) からDVD等が出されています。
「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」が、ワーナーブラザーズ・スタジオのバックロットをフルに使って撮影されていることは、こちらのサラ・コナー・クロニクルズのロケ地にて列挙してある通りです。
アリソン・ヤングの名前の由来
最後に、この妖怪巨大女を演じているのは 前述の通り アリソン・ヘイズ(Allison Hayes)という女優さんです。サマー・グロー演じるキャメロンの元となったアリソン・ヤング(Allison Young)の役名は、若いアリソン=Young Allison(Hayes)ということで、ここに由来しています。美しい女優さんであること+いずれ「化ける」という意味も込めているようです。
尚、サマー・グローが演じたキャメロンのほうは、こちらキャメロン・フィリップスの名前の由来をご覧ください。
# Terminator Sarah Connor Chronicles 221