No Fate(運命未定)ターミネーター名言集

ターミネーター

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ターミネーターの名言No fate

ターミネーター・シリーズの名言集といえば、"I'll be back."を思い出す人が多いかもしれませんが、実は作品の中では、"I'll be back."よりも多く登場している名言があります。

それが、"No Fate."(運命は定まっていない。)です。

"No Fate."のフルセンテンスは、

The future is not set. There is no fate but what we make for ourselves.”
(未来は決まっていない。運命なんてない。自ら作りだすものだ。)

です。長いので、以下、"No Fate."と記載していきます。

"No Fate."
(運命は定まっていない。自ら切り開くもの。)
のセリフ登場の有無
T1 T2 T3 TSCC T4 T5 T6
  • 〇・・・ほぼそのままの文字列でその名言が登場する。
  • △・・・一部または類似の文言がオリジナルを意識して登場する。
  • ×・・・その名言や類似の言葉は登場しない。


この"No Fate."は、ターミネーター名言集の中でも登場率1位で、どの作品にも登場していることからも、ターミネーター作品で一番重要なテーマであることがわかります。

以下、作品ごとに、"No Fate."登場シーンをまとめました。

ターミネーター1(T1)

"No fate"の起源は、映画『ターミネーター』(The Terminator / T1 / 1984年)にて、カイル・リースが未来のジョンコナーから預かった、サラ・コナー宛の伝言の中に含まれていた以下のセンテンスです。

未来のジョン・コナーからサラ・コナーへのメッセージ

...the future is not set. There is no fate but what we make for ourselves.
(未来は決まっていない。運命なんてない。自ら作りだすものだ。)

ターミネーターの警察署での襲撃から一時避難したトンネルの中で、カイル・リースがサラ・コナーにこのメッセージを伝えます。

サラ・コナーが"No Fate."に覚醒

そのあと、このターミネーター2発祥の地T1【フォールズ・カフェ】の非公開シーンになるのですが、ここでサラ・コナーがカイル・リースに向かって、

Well, we can change it, Kyle. We have to at least try. There is no fate but what we make for ourselves, right? Come on, kiddo. What do you say?
変えることはできるわ、カイル。少なくともやってみなきゃ。「運命は決まっていない、自ら作るもの」でしょ。ねぇ、そうでしょ、答えて。

と発します。まさに「サラ・コナー」が覚醒した瞬間で、この時の運命を変えるためのプラン(サイバーダイン社爆破計画)を実行に移した(=映画化した)のが続編のT2ということになります。

ターミネーター2(T2)

映画『ターミネーター2』(Terminator 2: Judgment Day、T2、1991年)では"No Fate."がたくさん登場します。No Fateで「運命を変える」、がまさにT2の根幹のテーマとなっています。

ぺスカデロ警察病院でのサラ・コナーの夢のシーン

劇場版非公開シーンですが、ぺスカデロ警察病院でサラ・コナーがうたた寝している際、夢にカイル・リース(マイケル・ビーン)が登場し、サラ・コナーに向かって以下ように言います。

Remember the message? “The future is not set. There is no fate but what we make for ourselves.”
メッセージを覚えているかい?未来は決まっていない。運命なんてない。自ら切り開くものだ。

そして"On your feet, soldier!"のペア・セリフとともに、サラ・コナーを叱咤激励します。

サラ・コナーがナイフで"No Fate"を刻む

エンリケのランチ(牧場)で、サラ・コナーがナイフで机に"No Fate"と刻みます。
→関連記事:キャメロンとサラ・コナーのナイフ

そして、サラ・コナーは核爆発の夢を見て、"No Fate"を決起。マイルズダイソン邸へ向かいます。その後、ターミネーター2発祥の地T1【フォールズ・カフェ】のシーンでのカイル・リースとの計画を遂行すべく、サイバーダイン社爆破を実行します。

ジョン・コナーはテーブル上にサラが刻んだ"No Fate"の文字を見て、“The future is not set. There is no fate but what we make for ourselves.”とT-800シュワちゃんに説明しつつ、サラ・コナーが何をするつもりなのか?に気づきます。

ターミネーター3(T3)

映画『ターミネーター3』(Terminator 3: Rise of the Machines、T3、2003年)では、映画の冒頭のジョン・コナーのナレーションのシーンにて、

The future has not been written. There is no fate but what we make for ourselves. I wish I could believe that.

未来は書かれていいない(決まっていない)。運命なんてない。自ら切り開くものだ。できることならそれを信じたかったけど。

と、"No Fate"は登場するものの、ネガティブ思考に続いており、のっけから頼りなさ全開、作品の雲行きが怪しくなっています。

さらには、正確には

"The future is not set." がオリジナルのセンテンスなのですが、T3では、
"The future has not been written." と微妙にセンテンスが変わっており、

It means your future hasn't been written yet.
つまり、キミの未来はまだ書かれていない、ってことだ。

という、なぜか「バックトゥザフューチャー3」(1990年)のドクの名言が干渉してきて、そちらのほうに書き換わるという珍現象が発生しています。

最終的にはT3では"It is your destiny." "Judgment Day is inevitable."「これは君の運命だ。」「審判の日は避けられない。」というセリフまで登場し、"No Fate"ではなく「運命は変えられない」という結末に終わります。また、ジョン・コナーの年齢が間違っていたり(→詳細:ターミネーター3がジョン・コナーの年齢を間違った原因)と、随所にズレが生じており、結果的には完全黒歴史化してしまいました。

ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ(TSCC)

ターミネーターのTVシリーズ『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』(Terminator: The Sarah Connor Chronicles、TSCC、2008~2009年)は、とにかくT2大好き人間たちが作った作品ということで、T1,T2の重要なテーマである"No Fate."が何度も登場します。

サラコナーの家の庭にて

シーズン1第6話にて、チャーリーがデレク・リースを救命した後、この2軒を使い分けたサラ・コナーの家(シーズン1)のブランコがある庭にて、

What was that thing that you always said?There is no fate but what we make, remember?

君がいつも言っていたセリフ、なんだったっけ?運命は定まっていない、自ら作るもの。覚えてる?

とチャーリーがサラ・コナーに向かって言います。

キャメロンの No Fate バッジ

シーズン1第9話の、このWi-Fi'd It Internet Cafe【ネットカフェ】のシーンでは、キャメロン(サマー・グロー)の衣装の胸元に、こっそりとNo Fateのバッジが付けられていました。

卓上の刻み文字とナイフ再登場

シーズン2第13話の、このサラコナーのナイフとNo Fateが出現したL70レストランでは、T2のNo Fateシーンと同様に、テーブル上に刻まれた"No Fate"文字とナイフが登場し、T2へのオマージュとなっていました。
ターミネーターNo fate
T2ではサラコナーはNo Fateとナイフで机に刻み込んだ後、核爆弾の幻覚(夢)を見て、その直後、強迫観念に駆られてマイルズ・ダイソン暗殺に向かいます。

サラ・コナー・クロニクルズでも、このナイフのシーンのあと、サラ・コナーはどんどん行動をエスカレートさせていきます。

スカイネットへの強迫観念により「行動に掻き立てられる象徴」として、このナイフとNo Fateという文字のシーンは存在しているようです。

ターミネーター4・サルベーション(T4)

映画『ターミネーター4』(Terminator Salvation、T4、2009年)のエンディングでは、「スカイネットとの戦いはまだまだ続く」とした上で、

This is John Connor. There is no fate but what we make.
こちらはジョン・コナー。運命は定まっていない、自ら切り開くものだ。
という、ジョン・コナー(クリスチャン・ベール)のナレーション(人類抵抗軍への呼びかけ)で締めくくられ、劇場公開版は終わります。
→関連記事:ターミネーター4どのエンディングが好き?

ターミネーター・ジェニシス(T5)

映画『ターミネーター: 新起動/ジェニシス』(Terminator Genisys、T5、2015年)では"No fate"はかろうじてチラッと登場する程度です。

You see, I can kill you, for there truly is no fate.
本当に運命が定まっていないなら、私は(親である)あなたを殺すことができるはずだ。

と病院の駐車場のシーンで、ジョン・コナー(T-3000)が演説ぶるのですが、"No fate"のT1,T2の主旨とは真逆になっており、微妙です。

ジェニシスはこの"No Fate"よりも、

A straight line.You just go, and you don't look back.
真っ直ぐな線。前進するのみ。決して振り返らないで。

というセリフが何度も登場しており、これは、ジェニシスを作っている最中から、製作者もタイムラインがわけわからなくなり、「なんやもーよーわからんけど、とにかく前だけ見てつっ走ってしまえ!」というヤケクソな感じが表れてしまっています。
結果として、ジェニシスはターミネーター作品市場、最低レベルの評価で終わり、ジェニシス発の三部作は中止となりました。
→関連記事:ターミネーター・ジェニシスの続編は絶対ない理由

ターミネーター・ニューフェイト(T6)

映画『ターミネーター: ニュー・フェイト』(Terminator: Dark Fate、T6、2019年)では、グレースがダニーに向かって、

You taught us there is no fate but what we make for ourselves.
(ダニーがグレースたちに)「運命は定まっていない、自ら切り開くものだ」と教えてくれた。

と告げます。

ただその一方で、グレースはサラ・コナーに向かって、

No. You may have changed the future, but you didn't change our fate.
いいや。あなたは未来は変えたかもしれないが、運命は変えていなかった。

とも言っており、ニューフェイト作品全体としても「運命は変えられない」という風潮になっており、"No fate."に説得力がありません。この「テーマの薄さ」辺りにもニューフェイトが爆死した要因がありそうです。
→関連記事:ターミネーター3とニューフェイトの比較

"No Fate" まとめ

以上の通り、数あるターミネーター名言集の中でも、"No Fate"は唯一、ターミネーター全作品をコンプリートしており、登場頻度が一番多い、ターミネーター作品の名言となっています。

また、1つの作品の中でも"No Fate"が何度も登場している例もあることから、この"No Fate"が、ターミネーター作品の一番重要なテーマであることがわかります。

但し、T1,T2の続編として"No fate"を貫いているターミネーター作品は、「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」のみです。

T3とT6(ニューフェイト)は、「運命は変えられない/変えられなかった」設定になっており、結果的にT1,T2を否定する内容となっています。

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