(「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」最終話シーズン2第22話「終わりなき旅 / Born to Run」)
そのモーテルの外観として、イメージが使われていたモーテルはこちら。
The Motel, John Connor and Cameron stayed
Exterior Film Location
- Apache Motel, Las Vegas(demolished)
- 407 S. Main St. Las Vegas, NV 89101 U.S.A.
- 座標: 36°10'03.8"N 115°08'55.3"W
36.167732, -115.148683
逃亡中、ジョン・コナーとキャメロンがひとまず身を隠したモーテルの室内のシーンが始まる直前に、上のモーテルの夜の外観が一瞬、挿入されています。
この外観は、ラスベガスに実在している(実在していた)Apache Motel(アパッチ・モーテル)でした。つまり、ジョンコナーらは、この時、ロサンゼルスからラスベガスまで逃亡していたことになります。
そして(あくまで設定上ですが)ラスベガスからロサンゼルスにまた戻って、サラコナーの救出に向かったことになります。
大規模開発で消滅
しかし、このアパッチ・モーテル、2009年4月までは建物は残っていたのですが、その後、この辺り一帯が大規模再開発され跡形もなく消え去り、今はラスベガス市役所(Las Vegas City Hall)の巨大な建物が作られています。この辺り一帯が、原型も面影もなく変わってしまっています。
こちらの2007年10月のStビューでは、在りし日のアパッチ・モーテルの姿を確認することができます。
日本人で実際にこのモーテルに泊まったことがある人もいるようです。
1980年3月19日
ラスヴェガス~ザッツエンターテインメント・シティ
夜中の3時にアパッチモーテルにチェックインした後、死んだように眠りこけ、午前10時過ぎにようやく起きました。
http://richocean.seesaa.net/article/18961692.html
このモーテルのシーンの見所・解説
室内のシーンはWBスタジオのセット
外観イメージこそラスベガスのアパッチ・モーテルが使われており、236号室にジョン・コナーとキャメロンは滞在したことになっていますが、実は室内のシーンはワーナーブラザーズ・スタジオ内のセット(←おそらくスタジオのステージ20)で撮影されており、誰もラスベガスまで行ってロケをしたわけではありません。DVD付録のスタッフによる解説でも、このモーテルの室内のシーンは、ジェシーが滞在していたAlistair Grand Hotel【アリステア・グランド・ホテル】室内セットの隣に続くような形で作られ、撮影された、と言及があります。ジェシーのホテルのセットを使いまわすような形で撮影したため、雰囲気がどちらのシーンも似たような感じになっています。
チョラが再登場
見所としては、シーズン1第2話のカルロスの家(ギャングの溜まり場)とシーズン1第9話のWi-Fi'd It Internet Cafe【ネットカフェ】のシーンで登場したチョラ(サブリナ・ペレス)が改めて登場する点です。このチョラがボニヤ神父と密会した懺悔室の後、サラ・コナーの伝言と偽造IDを、このモーテルに潜伏中のジョン・コナーらに届ける、という重要な役割を果たします。
そして、
We lose everybody we love. (愛する者とは別れがある。)との名言を残して去っていきます。
これはチョラがサーキシアン一味に殺されたカルロス(エンリケの甥)を偲んで発した言葉と考えられます。
4ヶ国語を話すキャメロン
このモーテルのシーンにて、チョラとの別れ際、キャメロン(サマー・グロー)がチョラに向かって、Hasta luego(アスタ ルエゴ/それじゃまた。)とスペイン語で挨拶を投げかけます。
キャメロンは、これまでロシア語、日本語、スペイン語を話し、
→参考(日本語のシーン)参考:ターミネーターが日本語を話したCicada レストラン
→参考(ロシア語のシーン):キャメロンが通ったバレエ・スクール
またアルメニア語も理解しており、「サラ・コナー・クロニクルズ」全話を通じて、少なくとも4ヶ国語に精通していたことになります。
"Will you join us?"「仲間にならないか」
前述のチョラがボニヤ神父と密会した懺悔室からチョラを尾行していたエリソンもこのモーテルに現れ、キャサリン・ウィーバーからの伝言をジョン・コナーとキャメロンにそれぞれ伝えます。ジョンに対しては、「キャサリン・ウィーバーが会いたいと言っている」とのメッセージで、ジョンはそれを断り、キャメロンに対しては、例の"Will you join us?"「仲間にならないか」という質問型メッセージでした。
→詳細:「仲間にならないか」の意味
これにより、キャメロンはかつて未来でジョン・コナーが「仲間にならないか」と持ち掛けた液体金属が現代にやってきており、「仲間になる」(サイボーグレジスタンスの)体制を整えたことを察知し、新たな選択肢を考えるようになります。
→関連記事:潜水艦にいたのはキャサリン・ウィーバー(T-1001)である理由
ジョンとキャメロンのラブシーン
この最終話では映画「ターミネーター1」へのオマージュ・シーンが何点かあり、1つはこのターミネーター【アラモ鉄砲店】へのオマージュでした。そして逃亡先のモーテルでのラブシーンというシチュエーションも、映画「ターミネーター」のこのTIKI モーテルを彷彿させる仕様となっています。
ただ、実はこのラブシーンの裏側には、「ターミネーターの構造をジョンに学ばせ、未来で救世主とならせるためのトレーニング」という当初から組まれていたカリキュラムの最終章だった、という実利的な一面もあります。
→詳細:ジョン・コナーの訓練物語(なぜ救世主になれたか)
キャメロンのジョンに対する「感情」
「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」放送時、ジョン・コナーとキャメロンの恋愛関係の発展やラブシーンに対する期待の声が視聴者から結構上がっており、それに応えるようなシーンが、このモーテルでは挿入されています。I love you!(愛してるわ!)
ジョンとキャメロンの恋愛感情的な関係性については、このキャメロンが車に挟まれチップを抜かれた倉庫のシーンでの、I love you! I love you! Please, I love you! Please John, and you love me.が有名ですが、しかしこれはチップを抜き取らせないための「嘘も方便」だった可能性もあります。
愛してるわ。お願い、愛してるわ、ジョン、あなたも私を愛してるでしょ。
ジョンには指一本ふれさせない。
それよりも何気にキャメロンの本音が出たものとして、このメキシコな教会での「銃撃戦」のシーンでの、I can't let anything happen to him.とボソッと吐いたセリフと、その後キャメロンがクロマティを撃つ際の、ふだん見せないような「怒り顔」のほうによく表れています。
(ジョンには指一本ふれさせない。)
I'm sorry, John.(ごめんなさい、ジョン。)
また、T2と同じ韻を踏んだ、T2:I cannot self-terminate.→I'm sorry, John.
(自分はセルフターミネートできない。→すまない、ジョン。)
サラ・コナー・クロニクルズ:I'm not capable of self-termination.→I'm sorry, John.と最後、消えていく流れにも、キャメロンのジョンへの想いが託されています。
(自分はセルフターミネートできない。→ごめんなさい、ジョン。)
→詳細:ターミネーター名物「押ボタンスイッチ」3選
関連記事:「キャメロンはジョン・コナーを本当に愛してるの?」↓
このモーテルのシーンの出演者
- John Connor(ジョン・コナー)・・・Thomas Dekker(トーマス・デッカー)
- Cameron Phillips(キャメロン・フィリップス)・・・Summer Glau(サマー・グロー)
- James Ellison(ジェームズ・エリソン)・・・Richard T. Jones(リチャード・T・ジョーンズ)
- Chola(チョラ)・・・Sabrina Perez(サブリナ・ペレス/ペリッツ)
# Terminator Sarah Connor Chronicles 222