グレムリンとターミネーターの共通点

サラコナークロニクルズ ターミネーター ロケ地 洋画

t f B! P L

グレムリンとターミネーターの共通点

以下の3つの作品・・・

  • 映画『グレムリン』(Gremlins、1984年)
  • 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』( Back to the Future、1985年)
  • TV『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』(Terminator: The Sarah Connor Chronicles、TSCC、2008-2009年)

のロケ地は、下のベン図のような重なり具合で表すことができます。
グレムリンとターミネーターの同じロケ地
「グレムリン」といえば、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と同じ人が出演していたり、町が同じ(ロケ地が同じ)であることで有名ですが、
→詳細:グレムリンが暴れたバックトゥザフューチャーの街

グレムリンは、ターミネーター・シリーズとも細々とした共通点がありますので、その辺りをまとめました。

グレムリンにもターミネーターにも「襲われた」人(その1)

ディック・ミラー氏

両方の映画に出演し、グレムリンにもターミネーターにも「襲われた」人に、Dick Miller(ディック・ミラー)がいます。名脇役です。
→関連記事:ターミネーター出演者の故人を悼む

ターミネーターでは

映画「ターミネーター」(1984年)では、アラモ鉄砲店の店主として、ターミネーターT-800の、
Phased-plasma rifle in the forty watt range.
「射程400可変式プラズマライフルを。」
のオーダーを軽く受け流す名シーンのあと、ターミネーターに撃たれてしまいます。

グレムリンでは

映画「グレムリン」では、主人公ビリーのご近所さん、Futterman(フッターマン)役として登場。第二次世界大戦帰還兵で「飛行機墜落はグレムリンのせい」「外国製品にはグレムリンが潜んでいる」など、グレムリン登場前からグレムリンにトラウマがあり毛嫌いしている癖のあるキャラクターを演じていました。

結局、フッターマンはトラクターを暴走させたグレムリンに、自宅ごと押しつぶされてしまいます。生き延びたものの、「グレムリン2」では再びグレムリンに襲われ反撃します。

このグレムリン・シリーズにおけるディック・ミラー演じるフッターマンは、ターミネーター・シリーズにおけるシルバーマン博士のような役割を担っています。

フッターマンの家

そのディック・ミラーが演じたフッターマンの、グレムリンに破壊された家は、「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」でも登場しています。
グレムリンとターミネーターの家

ロケ地


グレムリンに破壊されたフッターマンの家が、ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズのシーズン2第15話の、スカイネット調査のためにサラ・コナーらが潜入したWAKE(通夜)のシーンで使われていました。
→詳細:グレムリンの家での通夜(スカイネット調査)

エリソンの妻ライラの家

さらには、この家屋の表側は、「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」のシーズン2第7話で、こちらのジェームズ・エリソンの元妻ライラの家としても使われていました。

ワーナーブラザーズ・スタジオのバックロット(家のセット)は、1つの家屋であっても東西南北それぞれ見る角度を変えることによって、別の家として使える作りになっている・・・つまり、1つの家屋が複数の家屋として使える不思議絵のような作りになっているのがおもしろい点です。

ちなみにWarner Bros. Ranch Facilitiesの、この家屋の2軒右隣(北側)がグレムリンの主人公のビリー(ザック・ギャリガン)の家となります。グレムリンが増殖を始めた家でもあり、また、グレムリンの映画の最後で、"Bye Billy.(バイ、ビリー)"とギズモがお別れを言った家もこのWarner Bros. Ranch Facilitiesにあります。

グレムリンのロケ地はターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズがほぼ完遂

上の例に漏れず、映画「グレムリン」がワーナーブラザーズ・スタジオで撮影したものは、「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」のロケ地としてほとんどすべてカバーされています。

上述フッターマンの家の例以外にも、重複するロケ地を以下にまとめました。

チャイナタウン(モグワイがいた店)=タイムトラベル到着地点

「グレムリン」でモグワイ(ギズモ)を購入したチャイナタウン。ワーナーブラザーズ・スタジオ内のセットを、やたら漢字の看板だらけにして、東洋人系のエクストラをたくさん登場させて、チャイナタウンを装っていました。モグワイを購入した中国人のお店へ下る、地下への階段も現在でも健在です。
グレムリンの中華街とターミネーターのタイムトラベル到着地点

ロケ地


この路地のセットは、「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」では頻出のロケ地で、


として登場し、またこの路地のセットの一角には、


などが存在します。

このワーナーブラザーズ・スタジオ内の路地のバックロット(セット)は、映画『スパイダーマン』(Spider-Man、2002年)の、スパイダーマンが逆さになってキスするシーンが撮影された場所としても有名です。上の写真のタイムトラベル到着地点の右にある非常階段の後ろ側がそのキスシーンの場所となります。

ワーナーブラザーズ・スタジオの見学ツアーに参加すれば、高い確率で見学することができる場所でもあります。

ビリーとケイトが歩いた家々

「グレムリン」の主人公ビリーが夜、ケイトを家に送り届ける際に話しながら歩いたストリートとその背景にある家々。その家々の前ではクリスマスのキャロリング(賛美歌を歌う)が行われていました。

ロケ地


「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」では、この道路は、キャメロンの車の爆発現場となった場所(茶色の建物の前)です。

そして上図左側の青い家は、サラ・コナー・クロニクルズではかなり頻出のロケ地で、


として使いまわされていました。

また、右側の茶色のレンガ建ての家屋は、現在はすでにリノベーションされ消失したセットですが、「サラ・コナー・クロニクルズ」では、


として登場していました。

ケイトの家(フィービー・ハウス)=ギャングの溜まり場

上の家々の前の道路を歩いて、ビリーがケイトを送り届けた先には、ケイトの家があります。
グレムリンとターミネーターの家

ロケ地


「グレムリン」の主人公ビリーの彼女ケイト(フィービー・ケイツ)の家は、「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」ではエンリケの甥カルロスの家(ギャング・テリトリー)としても使われていました。

この家は、ワーナーブラザーズ・スタジオ・ツアーでは、「Phoebe House(フィービー・ハウス)」・・・グレムリンのPhoebe Cates(フィービー・ケイツ)の家・・・として紹介されることが多いです。

グレムリンが増殖したYMCAのプール

グレムリンが飛び込んで増殖したプール(Kingston Falls YMCA)は、上述フッターマンの家の前にある、Warner Bros. Ranch Facilitiesのプールで撮影されました。ここは本来、屋外プールなのですが、グレムリン撮影時は壁を作って囲い、YMCAの屋内プールに見えるように撮影したとのことです。
グレムリンとターミネーターのプール

ロケ地


このプールは「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」でも何度か登場します。

シーズン1第9話では、FBIのSWAT部隊が放り込まれたプールの「水中のシーン」が撮影されたのがこのWarner Bros. Ranch Facilitiesのプールです。

また、シーズン2第7話で、デレク・リースが訪れた、ジェシーがくつろいでいたホテルのプール・シーンも、ここのプールで撮影されていました。

ディーグル婦人の家

映画「グレムリン」で憎まれ役を担っていたディーグル婦人が、グレムリンの悪戯で、イス型階段昇降機ごと窓から吹き飛ばされた家。
ターミネーターのグレムリンハウス

ロケ地

  • Warner Bros. Studios (Backlot) "Midwest Residential Street" corner
  • https://studiooperations.warnerbros.com/midwest-business-residential-st/
  • 4000 Warner Blvd, Burbank, CA 91522 U.S.A.
  • 座標: 34.148305057475106, -118.33634564730613
この家は、「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」では、裏側がサラ・コナーの家(シーズン1)として使われていました。そのため、シーズン2第1話では、車の爆発で暴走を始めたキャメロンが家に入るシーンで登場していました。

また、シーズン2第13話では催眠療法士バーバラ・モリス博士の診療所としてもこの家が再利用されています。

グレムリンにもターミネーターにも「襲われた」人(その2)

グレムリン2の双子=T2の双子

グレムリン2とターミネーター2の双子
映画『グレムリン2 新・種・誕・生』(Gremlins 2: The New Batch、1990年)に登場していた双子の生物研究所員は、映画『ターミネーター2』(Terminator 2: Judgment Day、T2、1991年)のぺスカデロ警察病院の自動販売機のシーンの警備員として登場した双子、ドン・スタントンとダン・スタントンが演じています。

こちらも前述のディック・ミラーに続いて、グレムリンにもターミネーター(T-1000)にも襲われた人・・・ということになります。

T2のほうは、リンダ・ハミルトンの双子の姉も出演していたりと、「双子ムービー」としても知られています。
→関連記事:ターミネーター出演者の故人を悼む

まとめ

ユニバーサルとワーナーブラザーズを掛持ちした珍しい映画

「グレムリン1」のほうですが、競合他社でもあるユニバーサル・スタジオとワーナーブラザーズ・スタジオの両方のスタジオをロケ地として使った・・・という非常に珍しい映画です。

他にもグレムリンと同じジョー・ダンテ監督の映画『スモール・ソルジャーズ』(Small Soldiers、1998年)も「グレムリン1」とロケ地が重複している部分が多く、ワーナーブラザーズ・スタジオとランチがふんだんに使われています。

「グレムリン1」はすべてスタジオ内で撮影

実はグレムリンはほぼすべてスタジオ内で撮影された映画で外部ロケがありません。つまりかなり低予算で作られたことがわかります。

スタジオ内で撮影を済ませるメリットとしては、経済的(低予算で済む)・時間的効率性(移動や交通整理などしなくてよい)などが挙げられますが、それ以外にもファミリードラマのような「アットホームな雰囲気」を作品に与えることができます。

「グレムリン1」の小ぢんまりとしたアットホームな、どこか絵本の中のような不思議な雰囲気をかもしだしているのは、すべてスタジオ内のセットで撮影を済ませるという手法によるものなのでしょう。

1980年代には、「ターミネーター」や「グレムリン」など、低予算ながらもヒットまたは良作の映画がたくさん生み出されているのは、デジタルとアナログと人間の創造性のバランスが良かったからなのかもしれません。

以上、映画やドラマをたくさん見ている人は、知らず知らずのうちに、同じ人や同じ建物を何度も目にしていたりしているものである・・・というお話でした。

QooQ